新人賞

#059 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

佳作+月間ベスト+初投稿賞

泡沫の徒波
41P
亀島潤斗(18) 広島県
賞金43万円
佳作30万円+月間ベスト10万円+初投稿賞3万円
赤坂アカ先生
若くて絵が上手いので基本的に嫉妬の対象。問答の応酬+攻撃の連続と少年誌バトル漫画の文法なので少し絵変わりと展開が欲しい。奇病と津波はどちらかにして片方の描写を強化するなどニュアンスを活かしたまま削れる所は削るといい感じ。
編集S
このテーマを描き上げてしまうと、この先日常とか描けるのか不安になります。上手く漫画の世界に合わせていって下さい。
編集I
疫病と大津波が混合しているので、彼の咆哮のピントが若干ずれる気がします。また、一矢報いることがタコの恩情に因果があったのか、意味があったのかがもっと明確になっているとよかった。
編集K
18歳でこの画力はすごい。とても丁寧に描かれている。惜しいのは、運命というか宿命に翻弄される存在の理不尽さを、作者の自由に描いているため、少々理解が追いつかない部分があるところです。
編集K
画力も高く、絵にアイデアもあり、ページをめくった際の見せ方などは熟達したテクニックがあると思います。動きの絵はまだまだですが、表情などにも気を配れているのではないかと。
編集N
これほどの画力を見せつけられては評価せざるを得ません。演出力、描写力、大したものです。しかしながらマインドとしてはまだ描きだすことへの執着が強く、伝えることまで至っていない段階です。
編集Y
あまり意味がわかりませんでした。表現したいことはなんとなく分かるのですが、漫画というプラットフォームにまったく落とし込めていないのかなという印象です。
編集M
要所の絵はすごく丁寧に描いてくれています。センスがあります。しかしよくわからない漫画でした。津波はわかったのですが、その前の疫病の意味は?まったく読者やエンタメを向いていません。
編集L
演出力、ネームセンス、画力、総合的にすでにかなりの水準に達しています。ハイファンタジーを構築しうる素質を持った作者だと思います。

佳作+審査員特別賞+初投稿賞

a fly boy
28P
48円(21) 東京都
賞金43万円
佳作30万円+審査員特別賞10万円+初投稿賞3万円
赤坂アカ先生
キャラの所作が現実の学生に即しており、あったあったと言いたくなる再現度。質感を表現しようとする姿勢にも好感。ただエモさ全振りでドラマ性は薄い。このセンスのままサバイバル物とかキャッチ―な題材に挑戦したら強そう。
編集S
続きは?となってしまいましたが、素養は持っています。
編集I
一つのパターンではあると思う。雰囲気もあるし。実は空間の描き方がすごく上手いので非常に絵も見やすい。ただやっぱり“序章”だと思うので、ここから先の関係値の変化まで見せてほしかったです。
編集K
この漫画も田口もふわふわしてつかみどころない感じ。高校生の、よくあるような、でもどこか日常とは違う3時間ほどを楽しませてもらったようです。冒険の入口は、やっぱり人!
編集K
大人になろうと息苦さの中でもがく青年と、自由の中に閉塞感を感じ始めた青年。二人の触れ合いを非常にうまく描けています。間をうまく持たせながら人間描写ができていて、セリフの切れもよい。
編集N
いい話。雰囲気もよく描けてると思います。あとは漫画はアイデアなので、居心地のいい描き味から抜け出して勝負にいくネタをつかめるか。
編集Y
才気十分。この手の作品を講評すると、つまらないサブカルメディアの投稿記事になりそうなので止めておきますが、要は自分の持っているセンスをどうアップチューンできるのか。
編集M
センスがあります。空気感やテンポ、リアルな会話など非常に良かったです。最後が素敵でした。一方で、観念的に伝えたいことはわかるのですが、何漫画がわからないもどかしさがありました。
編集L
丹念さと不思議な空気を感じます。一見エントロピーの低い思春期男子の不安定さを描いた漫画版江國香織っぽさはありますが、エピソードの核になる「感情」が実は存在していない印象でした。

期待賞+初投稿賞

Saree
34P
田中チヌ(27) 長野県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
赤坂アカ先生
一コマでなんか笑えるシュールな画作りにとてもセンスを感じます。ただこの作風の宿命なのかもしれませんがマジなのかギャグなのか分かりづらい上級者向けの漫画なってるのが難点。あとオチをハゲにするならロードブレイカーは髪の毛を出したデザインの方が良いかも。
編集S
アイデアを練りこんだ工程には敬意を表しますが、不具合さ加減が如何ともしがたいです。カレーに合わないであろう具材を無理やり煮込んだ印象です。
編集I
まさかの展開! 母親の遺影が不自然なくらいに巨乳過ぎて、これはもしや…と思ったらGAG漫画だと思えばそれも納得! 打率はまだまだ低いので、数は打ちつつも精度を磨いていく必要があります。
編集K
お母さんの遺影の無駄な巨乳から何コレ!?と思わされつつの魔法少女ギャグ、意表をつかれっぱなしでやられました。
編集K
キャラを自分なりに描こうとしている点と話をしっかりまとめている点に好感が持てました。絵柄的にもこの路線でならもっと劇画調を強調してギャップを作った方がよかったかもしれません。
編集N
王道でストレートなドラマを、ギャグにしてスカすことでオリジナリティのようなものを出そうとしている印象。このバランスで読ませるためにはもっと人外的キャラが強い存在感が必要。
編集Y
ほっとけないセンスを感じます。親子×カレー×魔法×ハゲオチという規格外の発想をそれなりにまとめているのは偶然なのか、狙い通りなのか…。つかみどころのない作品ですが、面白かったです。
編集M
無駄な母親の巨乳で笑ってしまいました。実はお父さんが婿養子だったり、語尾の「デリ」、インドvsインドネシアなど伝わらないところまでネタを詰めているのは好感が持てました。
編集L
一番面白かったのは1・2ページ目のお母さんのバカみたいな巨乳ですね。何かありそうな方です。全身ストッキング・魔法少女・インド人など、笑いを構成する要素に借り物が多い印象です。

期待賞

asymmetry-鉄屑頭と機械兵-
78P
桜咲みる太(21) 愛知県
賞金10万円
期待賞10万円
赤坂アカ先生
78Pの大作。すごい。ただ魅せP以外のコマ割りが均一的で良いシーンも同じサイズなのがもったいない。ラストシーンももったいない。名前を呼ぶ事が希望なら、逆に名前を呼ばれない事の絶望も描くべきかと。「何かを得る」物語には「足りない何か」の描写が必要。
編集S
作家の創作世界ながら、一方に圧倒的な戦力(兵器)が偏っているのはやはり気になります。次回作はもう少しまとまったページ数で。
編集I
鉄屑頭に心が宿っていくほどの事柄が起きていないので、一足飛びに人間になってしまった印象です。鉄屑頭との対比を大きく、もっと機械兵が情熱的な心の持ち主である演出の積み重ねが欲しい。
編集K
人間ドラマの部分はすんなり読めました。機械人間やアウラ砲などの設定というか、戦争の部分がよくわからなかったり。もう少しコンパクトにまとめられたのでは。
編集K
身体が機械の人間と心が機械の人間…テーマの取り方として、少しベタに過ぎたか?このベタさから枠組みを広げられればよかったのかもしれないが、予定調和から一歩出ることができなった印象。
編集N
頑張って最後まで熱筆を尽くしているところに好感が持てました。戦記ものとしての稚拙さは、もう少し説得力あげてほしいですし、キャラデザや内面性に、設定とバランスのいい業をまとわせてほしい。
編集Y
発展途上の画力のままで読み進めさせたところは大きく評価したいです。理屈でお話はわかるが、心に訴えかける演出、セリフなどの技術が必要です。
編集M
設定の甘さなどは勿論ありますが、頑張りは伝わってきます。しかし同じような戦争の展開が続く一方で展開が文字上で進んでしまい、それぞれのキャラクターについていけませんでした。
編集L
素晴らしい情熱です。表情作り好感とセンスを感じました。独り言が多い前半、不要な爆撃シーンにページが割かれた後半、「描くべきこと」と「描きたいこと」の取捨選択が未熟な印象でした。

[ショート部門]

期待賞+初投稿賞

その男、ウィルスン
15P
吉安タケシ(29) 岐阜県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
赤坂アカ先生
着想はGOOD。ただ「よくわからんけど、すげぇカッケぇ謎のおっさん」というコンセプトに構成が反発している。キャラの凄みを見せるのに、他のキャラがスゲエ絵で良いのか謎キャラは語れば語るほど謎(カリスマ)がなくなるので発言は最小限で的確に。登場人物が全員濃すぎてむしろウィルソンが薄く感じるのでキャラ配置にメリハリを。
編集S
ウィルスンに対する妄想力が足りない。ルールから本気で人物像を練り上げて、その一端を描くつもりで考えてください。
編集I
まとめにかかった9P以降は笑いがなくテンションが落ちる。ファミレスだけじゃなく、他業種にも助っ人として現れて必ず「その男、ウィルソン」を3セットくらいやって畳みかけて欲しかった。
編集K
力技で押し切る感じは嫌いじゃないが、15ページがあっという間で、一緒に楽しむ共犯関係になるには足りていない。ウィルスンのカッコよさにもう少し引きつけられて、おぼれさせてほしかった
編集K
まだまだつたないところは思いますが、熱気はあってよいと思います。どうせならもっと「大人にしか分からない」渋み・えぐみをこの手のコメディ路線で堂々と「余裕」をもって描いて欲しいです。
編集N
ステイサムbotに近いインパクト。一定層の需要があります。画力はもっと向上が必要です。
編集Y
オチが残念な感じでしたが、面白かったです。もうちょっと「伝説のバイトたちネタ」を掘り下げて欲しかったです。いますよね、伝説のバイト。
編集M
やりたいことはよくわかりました。おっさんしかいない中で、キャラを描き分ける努力は良かったです。ただ他のキャラが、ウィルスンより立っている気がしてしまったのはもったいなかったです。
編集L
わけは分からなかったですが読者をどこかに連れて行こうとする熱量に好感を持ちました。

期待賞+初投稿賞

ルームシェアハイパースタンダード
16P
つねみなつお(23) 神奈川県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
赤坂アカ先生
妹が可愛い。ハウスメイトという言葉がわからない人にはこの物語がルームシェアリングのアパートが舞台だと気づかない可能性がある。特殊なシチュエーションには過剰な説明を。
編集S
取り留めのない話。キャラクターの掘り込みが浅い。勇気を出して自身の変態性を出してください。
編集I
出オチ以上のネタが非常に少なかった。妹も効果的に使われていない。視点がコロコロ変わるので入り込みにくい。GAGと言えど設定など地に足ついた部分も残した上でズレを生み出したい。
編集K
キャラの関係性ありきで進む割には読者への共有がなされないので、突き放された感じがしてしまいます。晴実のオチにしてもありきたりで、もうちょっとひねりがほしかったような。
編集K
キャラのイメージができており、掛け合いでしっかり読ませてくれていると思います。四人のキャラの人間性と役割をしっかり位置付け、16Pの中に描けている点を見ても力はあると思います。
編集N
女装とかそうした部分によりかかりすぎて魅力的なキャラの構築がまだ足りません。飛び道具をつかえば立つわけではなくて、一緒に暮らしてもよいかなと思う人格を作らねばなりません。
編集Y
絵柄や内容、カメラなどなど、すべてまだまだ実力不足といったところでしょうか。これからに期待です。
編集M
女の子は可愛かったと思います。やりたいことはわかる気がします。一方で、テンプレートな設定と強引な展開に入っていけませんでした。もう少しキャラクターを上手く動かしてほしかったです。
編集L
パッケージを作るのがかなり苦手な印象です。ギャグベースの掛け合いのセンスはあると思います。

#060 審査員かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~赤坂アカ先生

漫画は描き手が期待する程、皆しっかり読んでくれません。今回の賞は若い方が多いのもあって、そのギャップとまだうまく付き合えていない印象でした。自分の伝えたい事が正しく伝わってないかもと是非ビビッてください。臆病になってください。自分の中の「もしかしたら」という声に耳を澄ませてください。それに従ったり、時には拒否してください。プロは皆、大胆さと臆病さを兼ね揃えているものです。

編集部総評

テーマもさまざまでレベルも高い回でした。熱量とセンスで読者を引き付けようとする作品が多く、頼もしく感じました。それぞれ違った部分で力量を発揮し、武器の違う中で努力をしてくれています。一方、その武器だけに意識が向いてしまい、読者への意識や理解の入り口が疎かになっているのも否めませんでした。自分の武器をどう活かして、伝えるのがベストか、企画を練ってください。

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