週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 福田秀先生特別インタビュー

福田秀先生特別インタビュー!!!
全4週にわたってお送りする今回の企画。第3週目は作品制作のマイルールについて聞いてきました。

Chapter3
作品制作のマイルール

Q:『スタンドUPスタート』の場合、各編のエピソードはどこから作っていくのでしょうか?

A:二通りのルートを用意するようにしています。一つは「こういう仕事を描きたい」、もう一つは「こういう人間が描きたい」です。例えばパチンコ回(※コミックス第3巻収録)は後者のやり方で作っています。あの時は「白と黒でしか物事を捉えられない人」を描きたいという思いがあり、そこから展開を着想していきました。

もちろん、両方揃えることもあります。具体的には、まず気になる仕事を見つけ、それについて調べ、あくまで一例ですが、この仕事だとこういう所につまずいたりする人がいるな、こんな厄介な人がいるなというのが分かってくるんです。そこから、じゃあ面白いから二つともネタに入れようといった流れが生まれます。面白そうな仕事と、面白そうな人、これが両輪ですね。

Q:キャラクター作りで意識していることはありますか?

A:キャラと自分の間に共通認識を作る事です。例えば作中で、(主人公の)大陽が投資家である自分は0を1にする人間ではなく、それをするのは投資対象の人たちだと説明するくだりがあります。主人公の台詞だから実感がこもってなきゃいけないと思ったので、たとえば自分にとって身近な例、もし自分が漫画の担当編集だったらこういう考え方で仕事するかな、という風に代替となる感覚を想定して描いたら上手く描けたんです。そもそも自分の中にない感覚だと、読者に嘘っぽく受け取られてしまう可能性があるので、どこかで自分の考え方とか価値観と繋げることでキャラクターを動かすようにしています。何よりそうして出てきた行動や台詞のほうが信頼できますし。

Q:作品の見せ場を作る際に大事にしていることがあれば教えてください。

A:『スタンドUPスタート』に限って言えば、格好いい戦略名を出す事です(笑)。アルファベット三文字とかカタカナとかの専門用語を必殺技みたいなイメージで。もともとバトルもののような格好いい技を使いたいという所から始めた手法です。キャラの頭を良さそうに見せるのは大事かなと。

それで言うと、粉飾の手口がすごい面白いと思って、監修の方に「ここで格好よく粉飾を暴きたいんですが、何かいい粉飾の手口ないですか?」みたいな、ちょっと無茶なご相談をしたこともあります。もちろん、ただ伺うだけではなく、素人考えですけどこういう流れで解決できないですかという提案も一応してみたりします。ただ、これをお願いできるかは監修の方次第なので、ちょっと特殊例かもしれませんね。

次週、作品のメディア化を経て得た教訓とは!?

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