週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 中村力斗先生&野澤ゆき子先生特別インタビュー

●作品づくりについて

――魅力あるキャラクターにするために気を付けていること、魅力あるキャラクターを描くために練習したことなどがあればお聞かせください。

中:そのキャラの言動が「見る人によっては不快じゃないかな」と常に疑うようにしています。

野:キャラデザでいえば、とにかくいろいろな作品とか写真とか、最近の流行りとかファッションとか、そういう知識を遊び感覚で得るようにしています。

――「100カノ」ではたくさんのヒロインが出てきます。キャラクターの内面、デザイン面でこれだけの数をアウトプットするために普段やっていること、気をつけていることなどがありましたらお教えください。

中:あんまり意識的にやっていることはありませんが、僕は一度キャラを描き出すとそのキャラを溺愛してしまうタチですので、それがよかったのかなと思います。
キャラを「大切にしたい」と心がけることが大切なように思います。

野:Instagram、雑誌、Twitterとか、Pinterstとか、YouTubeとか、まとめサイトなどで女の子を見ています。キャラクター的なアイドルとか、よくPinterstで写っている漫画っぽい女の子たちをもとに描いたほうが、読者の反応が良いのかなと感じています。漫画からインプットするより、3次元的なものを2次元に自分がデザインしたほうが、今どきな感じになりますね。

――新しいキャラを出す時にこだわっていること、「自分ルール」などはありますか?

中:キャラの個性・インパクトと、性別としての魅力、それからできるだけ多くの人に嫌われない努力、でしょうか。

野:キャラデザの話が続きますが、とにかくおしゃれにしないといけないと思っています。
見ている人たちもおしゃれなものが好きだと思っているので、最近の女の子たちのどこが今流行っていて、いいと言われているのかなというのを探るようにしています。

――わかりやすい、読みやすい漫画にするために気を付けていることがあれば教えてください。

中:何回も読みなおしまくることです。あとは、できるだけ幅広い年齢・性格の方々に少なくとも「理解はできる」描き方を意識する事でしょうか。

野:自分は中村先生からネームをいただいて描いている身なので、もう既に分かりやすいネームなんですよ。なので、自分の仕事はメリハリをつけることだと思っています。コマの大きさを変えたりとか、分かりやすくここは笑いどころだよと伝えるためにコマをぶち抜いたりとか、笑ってほしいところがあったりすると、妙に描き込んだりとかしています。

――中村先生、野澤先生のお互いの漫画制作において「ここがスゴイ!」と思うところと、その理由をうかがえますでしょうか。

中:画力や漫画制作に対する姿勢などいくら挙げてもキリがありませんが、とにかく1番は「キャラに対する愛情」です…!
野澤先生が恋太郎ファミリーを大切に思って心を込めて描いてくださるので、僕も安心して託す事ができますし、その思いに応えたい・もっともっと魅力を感じてもらいたいと思わせていただけることでより一層、作品に想いを込められています。

野:たくさんあって、どうしようかなと思うのですが、自分とタイプが違うので、とにかくコンスタントに作品を出し続けるところがまず、すごいところだなと思います。作品に妥協がないところもですね。普通の話を作らないぜという強い意思を感じます。
読者に先の展開を読まれるものがあったとして、それを「外したい」みたいなことを以前おっしゃっていたと思うんですけど、「面白くしてやる」という気持ちが強くて、そこを本当に尊敬しています。
あとは、ロジックで漫画を作れるところですね。そのうえで、ロジックのある作り方って平坦になりやすいと思うんですけど、それをあえて外すことで中村先生にしか描けないものが出来上がっていると思います。それは、本当に漫画家として羨ましいと思うし、仕事のパートナーとして見ると、すごく頼もしいと思います。

●ヤングジャンプ新人漫画大賞に投稿する新人の方に向けて

――応募者のみなさんへメッセージ(エールなど)をお願いいたします。

中:もっともっと漫画界、盛り上げたいですよね! たとえば世の中のすべての人が「趣味:漫画」なんて書くような世界になったらと思ったらわくわくしませんか!? そうできる可能性を持っているのは、きっと全てのあなたです! お互い頑張りましょう!

野:エッセイでもサイレントでも何でもいいので、まず1本作ってみてください。意外と、漫画を描いたら道が開けるのかもしれないと思うんですよね。「つくったら勝ち」みたいなところがあると思います。

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