週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 迫稔雄先生特別インタビュー

6月期の審査員を務める迫稔雄先生にンタビュー!
リアルな作品を生み出す創作観に迫る。

1週目「取材 -Entrevista-」

――『嘘喰い』と『バトゥーキ』それぞれの題材を選んだきっかけ、決め手を教えてください。

『嘘喰い』の場合は、僕が対人のギャンブルが結構好きだったこと、「ヤングジャンプ」ではギャンブル漫画がなかったこと、その二つを受けて、ハラハラするギャンブル物を描きたいという想いが芽生えたのがきっかけです。
『バトゥーキ』の場合は、実は『嘘喰い』連載中にカポエイラを習っていて、カポエイラの帯を取得していくうちに、日本でカポエイリスタがどういう風に活動しているかほとんどの方は知らないだろうと感じました。それを多くの人に伝えてみたいという気持ちがスタートでしたね。

――取材が不可欠な作品ならではの苦労・楽しかったことを教えてください。

表面的な知識ではなく、「本音ではどう思っているか」を知りたいことが多いのですが、あまり本音を話さない人も当然いるので、それを引き出すのは大変ですね。でも、僕は駆け引きとかはできないので、誠意を持って聞きたいことを聞いていました。
楽しいのは、やっぱり知りたかったことを学べる点だと思います。実際に漫画にすることによってその業界に反響が跳ね返ってくると、さらに嬉しいですね。『バトゥーキ』を読んだことをきっかけにカポエイラの団体に入った方が大勢いると聞いたとき、やってよかったと思いました。

――取材が作品に活きたと感じた点を教えてください。

たくさんありますが、印象に残っているのは『嘘喰い』連載時に、ラスベガスのカジノの警備責任者に取材した内容ですね。カジノに来る詐欺師・イカサマ師みたいな人たちはあだ名があることを話してくれました。例えば、長袖にチップをばれないように入れるイカサマ師は「袖」というあだ名が付けられていたみたいで、そういうネーミングの方法を漫画にも落とし込んでいます。
また、警備において要注意人物を看破する方法として、背中の曲がり方で人物を判別するシステムがあることを取材で知りました。「スパイナル・シグネチャー」と呼ばれているらしいのですが、そんなものがあるんだという新鮮な驚きがあったので、そのまま『嘘喰い』作中で使わせてもらっています。

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