『シャドーハウス』のソウマトウ先生に特別インタビュー!!
第1週目は伏線も笑いも考え抜かれたストーリー制作の裏側を教えてもらいました!
――『シャドーハウス』の計算されたストーリーはどのように考えておられるのでしょうか。
――細部についての説明でも楽しませるために気を付けていることを教えてください。
ギャグやコメディ回にあたるものがそれです。

『シャドーハウス』第100話より(第9巻p44)
――連載中、読者を惹きつけるために何を意識されていますか。
ジャンルを固定しないこと。あと週刊連載っぽい展開(クリフハンガー)は意識します。
――クリフハンガーについて詳しく教えてください。
シャドーハウスは(一応短編扱いなので)16ページしかなく、いつもページが微妙に足りません。苦肉の策で収めようとすると読切のような読み口になり次に続かないので、なるべくはみ出た次回の重要な話をどうしたら興味を持ってもらえるか考えて引きにします。「主人公ピンチ!」→次回「全く伏線のないキャラの助けが来た!」のようなご都合主義は基本面白くないのでそうならないよう注意します。
――物語の序盤で読者をファンタジー世界に引き込むために意識されていることを教えてください。
意識せずスタートダッシュを失敗したので参考にしないでください!
――どのような点を失敗だと感じられているのでしょうか。
現代の漫画の作りとして、ページ数が少なすぎる(最近は1話で読者をつかむため連続ドラマや映画のようにボリュームがあり、世界観のどんでん返しや主人公の目標が掲げられる)、特に大きな事件が起きない(意図としては古い小説や映画のプロローグような「少しの違和感」を出したいという作者の趣味丸出しのエゴ)、4巻まででゆっくりと違和感を膨らませ一気に回収する構成、は忙しい読者の方々に全く寄り添っていません。現に4巻分の大きなネタばらしまでの流れが全話無料公開キャンペーンで読まれなければ多くの方に届くことはなく、短期間で打ち切られていたことでしょう。
今だったら最低限1巻で大きな謎を開示するなどの工夫をしていたと思いますが、ただこの場合全く別の作品になる可能性がありシャドーハウスとしては不正解だとも思うので何とも言えません…。
次週は…『魅力あふれる! キャラクター作りの秘訣に迫る!』
大枠はざっくりある上で中期的な目標と短期的な目標を作り、2~3話で小さなエピソードを考え、最終的に1話の詳細を決めます。初期の「お披露目編」を例にすると、最終目標である「お披露目に受かること」を着地点としたときに、中期的な目標では「生き人形たちの奮闘を通してシャドーや生き人形の関係性、キャラクター個人個人の深堀り」をしました。短期的な目標を入れる理由は、目の前の小さなミッションをクリアすることで数話でも満足感が得られるようにしたいからです。特に大枠が長期間になりそうなときは必ず短期的な目標を作りなるべく読者が飽きない工夫をしようと心がけています。
『シャドーハウス』第67話より(第6巻p74)