週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ あきやまえんま先生特別インタビュー

『のあ先輩はともだち。』(以下、「のあ先輩」)のあきやまえんま先生にスペシャルインタビュー!  (職場における)のあ先輩さながら、バリバリ週刊連載を続ける仕事術を教えて頂きました! 週刊連載を続ける秘訣や絵を上達させるコツは新人作家さん必見です!

面白さの黄金比!? 面白い話を作り続ける法則

――まず、原稿作成プロセスを伺いたいです。

各話の原稿作成の事前作業として、最初に1巻分の草案を作成します。それを基に担当編集さんと相談して、大枠の内容を決めておきます。各話については、ネームを作って担当編集さんと相談し、問題なければ完成原稿を進めていきます。ただ、担当編集さんから沢山修正が入ることは少ないので、ネーム段階で修正を繰り返すというよりは、原稿作業の中でネーム段階での修正点も修正していきます。

――プロットは作らないのでしょうか。

作らないですね。内容を考えている時に既に頭に映像が浮かんでいるのに、それを一度文字にするという作業にモチベーションが湧かず…。前作『きみに恋する殺人鬼』の時はプロットも作っていましたが、小生には向いていなかったのでやめました。

――1話分の原稿が出来上がるまでのスケジュールを伺いたいです。

ネーム1日、ペン入れ3日、仕上げ1日です。

――1話完結型という形式の中で、毎回見せ場やオチがしっかりあって凄いと感じるのですが、「のあ先輩」のネーム作りで意識していることは何でしょうか。

実は自分自身で意識している法則があって…。まず、冒頭4ページで「今回の話がどのような話であるか」という“フリ”を入れます。次に、後半1~2ページで冒頭のフリに対する“オチ”を付けて冒頭の回収をします。ただ、これだけだと展開に欠けるので、中盤の9ページ目あたりで新たな展開を入れるようにしています。あくまで目安ですが、自分の中でこの法則に則っていけば、良いネームができるかなと考えています。

――綿密に考えて作られているのですね。考える順番も、今説明いただいたように「フリ→オチ→中盤の展開」という順番で考えているのでしょうか。

そうですね、メモ書きしたり散歩しながらフリオチを考えて、それを書きながら「9ページ目に何を入れようかな」と考えることが多いです。

――中盤9ページ目あたりの展開というのは、具体的にはどういった内容を入れることが多いのでしょうか。

サブキャラクターを出現させてみたり、別の視点への転換を入れたりします。

――いわゆる起承転結の「転」のようなイメージですね。中盤と終盤の間はどのようなことを意識しているのでしょうか。

そのページのどこかに“ページブチ抜きのあ先輩”を入れることが多いです。話数も進んできてネタが尽きそうになることもありますが、入れこみます(笑)。

新人賞担当が、 FILE.060「理人と女のかおり」を例に取って「面白さの法則」を考えてみる。

――読切も多く描かれていますが、読切でも同様に構成上の配分を意識しているのでしょうか。

読切の時はもう少しノリでやっています。「ここに、こういう展開が来たら気持ち良いな」と思って描いています。さっきの「のあ先輩」の法則も、最初から分かっていたというよりも、週刊連載を続ける中で気持ち良さが数字レベルで分かってきた感じです。

――ご自身の読切で特に気に入っている作品は何でしょうか。

人間メイドロボめるる 』は好きな女の子が描けて、良かったです。やっと趣味の女の子が描けたって感じでした。

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