準入選+月間ベスト＋初投稿賞 穴を掘る
73P
賞金63万円
準入選50万円＋月間ベスト10万円＋初投稿賞3万円
編集部講評
淡々とした作風ですが、かなり引き付ける力があると思います。ページ数の長さを感じさせず素晴らしかったです。キャラ造形に関して言えば、底の知れないヒロイン描写は地力の強さを感じました。一方、主人公のほうの行動原理には納得できない部分もあったので、そこをもう少し詰めると説得力が増すかもしれません。
あらすじ
孤独な少年・斎藤は、ある日、東という名の少女と出会う。東は斎藤を自らの秘密基地へと連れていき、そこであるお願いをするのだった…。
準入選+審査員特別賞＋初投稿賞 審判
54P
賞金63万円
準入選50万円＋審査員特別賞10万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
線が綺麗で好感持てるが、バストアップや顔の真正面など似たような構図が多い。俯瞰や、あおり、さまざまな構図でも描けるようになると良いですね。男側の能力者という取ってつけたような設定はいらなかったと思います。アイデアで密室劇に出来ていればなお良かった。
編集部講評
ハッタリの応酬が素晴らしかったです。画面の情報量もあり、密室での会話劇ですが長さを感じない力作でした。が、お話を成立させるためか行動原理に謎が多く、キャラ目線でお話に興味が持ちづらい構成が残念でした。能力者設定もなくてよかったかと。
あらすじ
なんでも当てると評判の占い師・神崎。そんな彼女の元に訪れた青年・瑞希は過去にある秘密を抱えており…!?
準入選＋初投稿賞 メイドリーム・フレンドリーム
32P
賞金53万円
準入選50万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
かなり上手いのですけれど、もっと作者の性癖を出した方が個人的には好きです。振り切って、いい意味で変な漫画にしないと目立てないと思いました。保田さんが主人公を肯定するなら、主人公からの安田さんへの恋愛感情は特にいらなかった。主人公の最終目標が、「推しのアイドルと同じグループに入ってそのアイドルを隣で支えたい」とか、強い願望があって腕試しでメイド喫茶でバイトするとかのほうが好感が持てた。
編集部講評
キャラ配置に加え、可愛い絵を丁寧に描いていて、強みがハッキリした作品だと感じます。ストーリーはすごくシンプルなので、ここをストレートにして抑揚、葛藤、対立、活躍等を入れて魅力的なシーンを作れるとなお良いです。
あらすじ
推し活の資金を稼ぐため、男子でありながらメイド喫茶でバイトを始めた吉野。だが、そこで学校一かわいい保田さんと一緒に働くことになり…!?
佳作＋初投稿賞 みつばいハッチ
45P
賞金33万円
佳作30万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
何をしている絵なのか、誰と誰が同じキャラなのか、誰のセリフなのか。自分が思ってるよりも100倍、読者へ親切に伝えていくともっと良くなると思います。
編集部講評
バトルシーンのカメラワークが気持ちよかったです。多様なアングル、見せ方を試しているのも意欲を感じます。ただ、「変異者」なるものが具体的にどういうものなのかよく分からないまま話が進んでしまったのが惜しかったです。30歳だけど見た目が子供という面白さを強調できたらなお良かったと思います。
あらすじ
異能を持つ「変異者」と共存する社会。変異者の抑制剤を密売する少年・蜂守の元には薬の依存者が日々訪れ…!?
佳作＋初投稿賞 私
31P
賞金33万円
佳作30万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
いい意味で変な作風で好きです。自分の漫画をヤングジャンプという娯楽雑誌でどう毎週、連載作品として描いていくのか、しっかりと戦略を練ってくださるといいですね。コマに描いている人物が誰で、どこにいて、何を見ているのか状況をもっと数倍、親切に読者へ伝えてくれると良いですね。
編集部講評
印象に残るセリフや絵が描けています。ただ、オチが弱く消化不良感があるので、「ラブドールを拾った私」なりの事態の決着のつけ方まで描いてほしかったです。また、次回作はキャラにもう少し価値観を持たせてあげてください。
あらすじ
ある日ラブドールを見つけた「私」。使われて捨てられたその姿が、先輩に遊ばれている自分と重なった私は、ラブドールを自宅へと持ち帰りーー。
佳作＋初投稿賞 ラスト、以上
46P
賞金33万円
佳作30万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
いい話が描ける。手垢のついてないジャンルが描けるのは武器。でも描きたいものに画力がついてくるまで相当な努力を覚悟するか、あるいはその画力でも成立するものに割り切りが必要かもしれないです。
編集部講評
まっすぐで実力もあるのが一番近くにいるパートナーで、彼へのコンプレックスを抱いてしまった主人公。題材の選び方や描こうとしている感情がとても良いと思います。出来事や感情の表現に強弱をつけるとより良くなるかと思います。絵とともに頑張ってください。
あらすじ
2人組のボート競技・ダブルスカルでインターハイ出場を目指していた遥人と瞬。だが惜しくも予選敗退を喫した矢先、遥人は瞬が5人競技のクオードでインターハイ出場を決めたことを知る…。
期待賞＋初投稿賞 シークハピネス！
49P
賞金13万円
期待賞10万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
主人公はもっとズルく開き直っているけど、時々自己嫌悪している程度にしておけば、クライマックスの「またズルく自分だけ助かろうとする主人公」という読者の予想を裏切れたと思う。中途半端にまともなキャラなので逆に好感が持たれないかもしれません。
編集部講評
絵もコマ割りも上手で、描きなれている感があります。読みやすいのですが、主人公の能力とやりたいこととやっていることと、作中でやることがチグハグで散らかっている印象です。読者がこの作品の、キャラのどこを面白がってくれるのか、読者目線を意識して要素の取捨選択をしてほしいです。
あらすじ
神の世界から来る力・神恵。人を惚れさせる神恵を持つフィンは、能力を利用し人をたぶらかしていた。そんな彼の憧れはヒーローになることで…!?
期待賞＋初投稿賞 僕の夏
16P
賞金13万円
期待賞10万円＋初投稿賞3万円
野田サトル先生講評
出来るだけ背景は描きましょう。こういった現代とは違う世界観を描きたいなら、なおさら背景や小物のディティールをサボってはいけません。主人公やおっさんの部屋からセリフに頼らず内面など色んな情報を伝える事も出来るので。
編集部講評
山場になる絵も、テーマもある作品で良いと思います。ただ、描写不足なところがある一方で盛りすぎなところがあったりとバランスが悪く感じました。面白さの核を描くにあたり、この要素は必要なのか取捨選択をした方が良いと思います。
あらすじ
寒冷化が進んだ地球。200年ぶりに20度を超える日に、なつめとちなつは隣町へと歩き始める。だが、ちなつは自分が描く絵に伸び悩みを感じていて…。
期待賞 うらめし屋
49P
賞金10万円
期待賞10万円
野田サトル先生講評
女の子がどうして死んで地縛霊になったのか、どうしてワッフルによって成仏できたのかしっかり描いて欲しかった。短い読み切りだとしてもドラマの大事な部分を見極めて突き詰めたら、もっと良いですね。
編集部講評
除霊とご飯という組み合わせは良かったと思います。ただ、「霊の胃袋を掴む」という骨子部分に工夫が感じられませんでした。特に悪さをしているわけでもないのに除霊という点が、やや雑に思えてしまいました。
あらすじ
除霊師のシャオと刃。彼らの仕事は料理によって霊を成仏させることだった。そんな2人の標的はトイレの花子さんで…!?
審査員総評
[ゴールデンカムイ]の野田サトル先生
話の粗さは編集さんとの作業でなんとかなる。僕個人として作家の根本にあって欲しいのは力強く繊細な線を描き、背景の隅々まで手を抜かず完成度の高いものを作ろうという姿勢です。
YJ編集部
伸びしろがあり、次回作が楽しみな方が多かった印象です。描きたいものがハッキリしている作品が目立ったの良かったと思います。あとは自分の描きたいものと、読者の読みたいものを一致させる作業を頑張ってみてください。
野田サトル先生講評
まだまだ若いので自分の漫画を模索していくと、良くなると思います。袋の中身をミスリードさせる重要な部分が、読んでていろいろ引っかかる。そういった説得力を大切にして欲しいです。いっそのこと袋ではなくクーラーボックスにでもしたら良かったのでは？というのもあります。