第5回 週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞 結果発表

佳作+審査員特別賞+月間ベスト賞+初投稿賞 >「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定! 夜だまりにさよなら

29P

堅貝(22)愛知県

賞金53万円

佳作30万円+審査員特別賞10万円+月間ベスト10万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

既に個性のある、作者がすぐにわかる絵を持っていて素晴らしいなと思いました。「夜だまり」という現象、その語感のよさも魅力的です。それだけに「夜だまり」に入るか入らないかの葛藤や、入るとどうなるのかという絵が見たかったです。雰囲気をしっかり持っていますのでこれからも執筆がんばってください。

編集部講評

アイディア・雰囲気ともによかったです。話のスケールは小さいかもしれませんが、主人公が一歩前進していく過程が丁寧で悩みから結論までも勢いでごまかさず、等身大な主人公らしい回答が絵柄も相まって好印象でした。絵は味があると思いますが、ラフにも見られる可能性があるので気を付けてほしいです。

あらすじ

小説家を志すもなかなか芽が出ないハヤカワ。新人賞の落選に落ち込む夜、家に帰るとそこにはもう一人の自分が!?

佳作+初投稿賞 君の陰毛が見たい!!!

32P

紫 蘭子(28)大阪府

賞金33万円

佳作30万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

タイトルから惹きつけられました。バカだなと。(褒めてます)
内容もちゃんとバカだな…くらいに読んでいたのですが、後半は突き抜けていて この作品の作者が恐ろしく感じました。(褒めてます)
タイトルは某感動超大作からノリで出てしまったのでしょうか?だとしたら最高だなと思いました。堂々と我が道を進んで行ってください。

編集部講評

楽しそうに描いていてなによりです。最後のHAPPY END!はゴキゲンですね。 結婚したらなにしてもいいわけじゃないのでは、と思いつつ謎のエネルギーで元気になりますね。最後に遠慮せずに行き切ったのが、賛否あると思いますが新人らしくて良かったと思います。このパワーをどう次回作に生かすか楽しみです。

あらすじ

“愛し合う”とは何なのか――…。交際半年、関係に進展が見られないことに焦る信玄丸は彼女・乙女ちゃんにとあるお願いをする!!

佳作+初投稿賞 オルタネート

46P

吉田ユウマ(19)京都府

賞金33万円

佳作30万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

かっこいいキャラクターが描けていると思います。ただみんな同じ顔をしている気がしました。バリエーションが欲しいです。表情が得意な角度とそうでない所に差を感じたので苦手な角度の練習をすると全体を通して美麗な漫画を読んだという満足感を得られそうです。ストーリーもちゃんと書けてはいるのですがどこかで読んだことがあるような気がしました。キャラに絵だけでなく一人一人の存在感、個性を出していってください。それがあるだけで物語は生き生きして個性的になっていきます。

編集部講評

エンタメ感があってよかったです。地味な会話劇中心になっているので、決め絵・決めセリフ、カッコいいアクションなど印象に残るシーンがあるとより楽しめたのではないでしょうか。既存作品の影響が強いですが、美学があるのは心強いです。

あらすじ

犯罪歴のある二重人格者で構成された組織“交代者”に身を置くアキラ。政府から暴力団組織の掃除依頼が下されるのだが──…。

期待賞+初投稿賞 嘘つき。

38P

四宮エス(31)東京都

賞金13万円

期待賞10万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

絵も見やすく、内容も分かりやすいです。伝える力は持っていると思います。しかし、あまり個性を感じられませんでした。物語に対して作者が少し距離感を持って描いてる気がしたので、こういう内容を描くならもっといがない自分を吐き出したものをみせてください。

編集部講評

昔の思い出から抜けきれず、現実から目を逸らして生きる主人公と、不器用ながら身の丈の通り堅実に歩んできた友人の対比が丁寧に描いているのが良いと思います。一方でまっすぐで驚きがない話でもありました。心情の深堀りやキャラが見える言動があると予定調和感がなくなり、さらに良くなると思います。

あらすじ

芸人として鳴かず飛ばずの竹本はバイト先では高校生からもいびられる始末――。そんな時、大学時代の友人から連絡が──。

期待賞+初投稿賞 素数の愛

38P

加藤壮紫(22)大阪府

賞金13万円

期待賞10万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

暗い力のある作品でした。最後の処刑をしっかりと描き切ったことに度胸を感じました。絵をもっとたくさん描いてください。もっと嫌な人間が描けます。

編集部講評

人によっては共感・刺さるネタで選球眼は素晴らしいです。「じゃない方」として産まれた男の子と母親の心理描写には惹き込まれました。導入からオチまでストレートな作りでした。例えば、母親と息子どっちが異常なのか、どっちが悪いのか…というような天秤がどちらに傾くかわからないような描き方ができれば、エンタメ度が上がったと思います。

あらすじ

息子に逮捕状が──。母は面会室での会話を通じて自分たちが犯した"息子への"罪に目を向けていくことに──…。

期待賞+初投稿賞 チチデカイザー

48P

藤田トモヒサ(23)神奈川県

賞金13万円

期待賞10万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

漫画を描くのが好きなんだなという情熱が伝わりました。主人公も可愛く描けてます。ただ全体的にごちゃごちゃしてるので読みにくかったのです。絵のことだけでなく台詞も多すぎるせいで、本当に伝えたい事や決め台詞が埋没してしまってるのが残念に感じました。タイトルがタイトルですのでちゃんと"チチ"を堪能したかったです。一度ネームを描き終わったら省いていいセリフやコマを探す作業を行ってみると良いかと思います。

編集部講評

戦闘シーンの迫力が素晴らしいです。巨大な敵を撃破する場面は見ていて気持ちよいです。力業感のある設定のせいで、設定説明・状況説明で尺を使ってしまう&強引さが引っかかってカタルシスの邪魔をしている印象でした。次の作品では嘘の数を絞る、説明がなくても伝わる関係性や状況を用意するなど、読者が入りやすく離脱しづらい工夫をしていただきたいです。

あらすじ

ヒーローとしての活動が十分にできなくなった社会に苦しむチチデカイザー。ひょんなことからヒーロー大運動会に参加をすることに!!

期待賞+初投稿賞 Boy Meets Girl

25P

青海基(20)東京都

賞金13万円

期待賞10万円+初投稿賞3万円

峰浪りょう先生講評

生々しい現代のリアルの一遍を覗いた気持ちになれました。主人公の最後の顔も開き直りと心に蓋をした、いい感じの表情です。全体的に無機質な雰囲気に今の絵が合ってはいるのですが、商業誌で描いていきたいのならばもっと絵の練習をしましょう。

編集部講評

作品の核になる主張、何らかの想いが感じられて好感が持てました。それを読者に伝えるためには、共感し、楽しんでもらうためにはどう描けばいいのかを意識していただきたいです。登場人物の情報が少なすぎるので、他人事になってしまっています。匿名の彼女たちであっても、読み手の興味を掻き立てる工夫をしてみてください。

あらすじ

マッチングアプリで不特定多数の女性と関係をもつ"りょうすけ"。今夜も一人の女性"まゆ"と出会うことになるのだが──…。

審査員総評

[少年のアビス]の峰浪りょう先生

描きたいものが自分で見えている人が多い印象で、それはとてもいいことだと思いました。
連載を持ち、それを続けていくこと、それを叶えるにはさらにどういった魅力を追加していくべきかをたくさん考えて取り入れて試行錯誤していってください。

YJ編集部

伸びしろがあり、次回作が楽しみな方が多かった印象です。読み手のことを想像することによってできる演出、工夫が増えるので、より企みのある次回作を期待したいです。

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