準大賞+月間ベスト+初受賞ボーナス 「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定! 鯉沼
31P
賞金63万円
準大賞50万円+月間ベスト10万円+初受賞ボーナス3万円
編集部講評
シンプルな掴みながら、テンポの良い展開でグイグイと読み進められます。ハッタリの効かせ方というか、見得の部分にすばらしく華がある作品でした。その一方、思考・世界の作り込みの深さを楽しめる場面の少なさが惜しいところ。主人公が舞台装置的で、語り部なのか登場人物なのか立場が曖昧な印象も受けます。賞を目指した作品かと思いますので(もちろんそれも素晴らしいですが)、より自由度の高い舞台での次回作が楽しみです。
あらすじ
クラスメイトの家にある一枚の鯉の絵。曰く付きだというその絵のお祓いを頼まれた、神社の息子・小山内は…。
準大賞+初受賞ボーナス amnesia
69P
賞金53万円
準大賞50万円+初受賞ボーナス3万円
雪森寧々先生講評
構成がしっかりしてました。面白かったです。故に序盤のわかりづらさが勿体ないと感じました。お話を読んでもらうために序盤で読者さんの心を掴みましょう。
編集部講評
無常感というか、ドライな死生観が非常にモダンな感性だなと感じます。悠久を戦う孤独にすら主人公自身が気付けないという残酷さ、そしてそれを知っているのも読者だけ、という構図も作品を読む楽しみですね。展開の2軸構造、話の運びなど非常に面白いのですが、途中で設定情報を出しすぎてしまい、物語後半にかけ世界を解き明かす楽しみが薄れたのは少々勿体なかったかなと。大作志向性の高い作家さん・作品で今後が非常に楽しみです。
あらすじ
記憶を失いながらも、荒廃した世界でひとり戦う軍人。残されたメッセージだけを頼りに、指令を遂行する彼に、真実が降りかかる。
佳作+審査員特別賞+初受賞ボーナス 卯の花腐し
55P
賞金43万円
佳作30万円+審査員特別賞10万円+初受賞ボーナス3万円
雪森寧々先生講評
遊び心があり、楽しんで画面を使っているように見えて好感が持てました。表現が方法が素敵でした。同時に読みにくさも感じたのが勿体なかったです。魅せる気持ちを持ちつつ、読者さんによりスムーズに情報が伝わるように心がければより良くなるのではと思いました。
編集部講評
初めての漫画作品とのことですが、イラスト経験が長いのでしょうか。決め絵のかっこよさは武器ですね。ただ、逆に現時点ではそこに捉われている気がしました。お気に入りのシーンだけで作ったMAD動画のようなチグハグさ、読みにくさというのでしょうか。非常に試みを感じる作風ですが、現時点ではこの演出そのものが面白さや読みやすさにつながっていないのが勿体ない印象ですね。ただ、非常に多くの武器をお持ちだと思います。練度を高めた次回作が楽しみです。
あらすじ
ある町で発生した夫婦殺人事件。しかし、死後数ヶ月が経過したはずの故人の目撃証言が。関与を疑われた二人の息子も行方をくらまし――。
2023年3月09日(木)発売の週刊ヤングジャンプ15号では誤った受賞項目が記載されておりましたが、上記にて訂正致します。大変失礼致しました。
期待賞+初受賞ボーナス MORNING GLORY
84P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
雪森寧々先生講評
このページ数をストレスなく読めることにとても感心したのですが、内容自体はもっと少ないページ数で構成できた作品なのではないかとも思いました。もしセリフのないページを映えさせたいなら惹き込む力が必要だと考えます。空気感・世界観・画面構成・テンポなんでもいいです。惹き込むための1番の武器を考え、磨きましょう。
編集部講評
とても映像的で、非常に試みを感じる作品でした。ただ、作品の中で全てを描き切らないのだとしても、作家さんの中でその世界観をどこまで明確に構築できているのかというのは読者さんに伝わるもの。観念的な、それを提示するような作品を作るのであればその思考・世界解釈でいかに楽しませるかという視点を持ってほしいと思います。“ゆるふわディストピア”自体はある種普遍的に希求されるジャンルだとは思いますし、このエゴを持ったままどう見られるか"の視点を獲得して欲しいと思います。"
あらすじ
[グランジ]と[グローリー]という二つの社会で生きる少女たち。双方の平等を謳う世界の真実は、搾取と抑圧が生む他方の自由で――。
受賞まであと一歩!! 最終候補 宇宙人と非行少年
55P
審査員総評
[久保さんは僕を許さない]の雪森寧々先生
どの作品も楽しく読めました! ありがとうございます。
序盤で読みたいと思わせる、ページをめくらせるための工夫、読者さんを読みづらさで迷わせないことを意識しましょう。どんなに素敵な作品も読みたいと思ってもらえないと読んでもらえないです。頑張って描いた作品を絶対に読んでもらえるよう、最低限意識しつつ、楽しんで描いてください! あと、作品を描き上げたこと、自分のことを褒めてあげてくださいね。
YJ編集部
各作品ともにテーマの作家性が強く、また画風や画面構成の面でも試みを感じる作品が多い回だったと思います。現時点で商業作品としての練度が高い訳ではなくとも、今後が非常に楽しみです。エンターテイメント、読者=他人を楽しませるための視点も意識していければより拡がりのある作品にもなるのかなと。
次回も意欲的な作品をお待ちしております!
雪森寧々先生講評
次のページをめくりたいなと思わせてくれる作品でした。これは漫画においてとても重要なので素晴らしいと思いました! 小山内くんのキャラが弱かったのでそこが改善されるだけで、今よりもっと見ごたえのある作品になるのではと感じました。