準大賞+月間ベスト+初受賞ボーナス
YJ20号に掲載!
「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定!
まさき
45P
賞金63万円
準大賞50万円+月間ベスト10万円+初受賞ボーナス3万円
編集部講評
独自性がありつつ話もまとまっていて読みやすかったです。冒頭のつかみ、感情が伝わってくる表情、適切な情報量、現時点で卓越したものを持っていると思います。キャラクターの内面描写も、独りよがりにならず描けていました。次回作はキャラの内側だけを中心に描くのではなく、外側の世界とどう関わるかも意識してみてください。
あらすじ
絵を描くことが好きな少年・まさきは、イマジナリーフレンドのマサキを生み出す。それから数年後、青年となったまさきは荒んだ家庭と圧迫感のある職場に苦しんでおり…。
佳作+初受賞ボーナス ライフレイヤー
66P
賞金33万円
佳作30万円+初受賞ボーナス3万円
福田秀先生講評
展開の動線に合わせてキャラが動かされてしまってるように見えて慌ただしく感じました。クセが少ないのでよく言えば読みやすい、悪く言えば単調とも取れてしまうので、もういくつか仕掛けが欲しいところ。あと主人公の馬鹿可愛い愛され部分はもっと早めに出してくれた方が、作品全体の印象の底上げになるなと思いました。
編集部講評
画力が高く、全体を通して楽しんで絵を描いているのが伝わってきました。また、メインの2人だけで66P描き切る熱量も感じます。父性への反発で惹かれ合うのは説得力ありましたが、やや説明っぽくも感じられたので、次回作はそれ抜きで読ませ切る勢いを大事にしてみてください。
あらすじ
中学2年生の夏野雷は、秘密基地の廃公園でスプレーアートを描く青年・冬狩かえでと出会う。スケートボードの本場・アメリカ行きを目指す雷は、かえでに2人で「スケートビデオ」を撮影しようと提案し…。
佳作+初受賞ボーナス ルサンチマン・メタル
48P
賞金33万円
佳作30万円+初受賞ボーナス3万円
福田秀先生講評
キャラクターを通して聞かせる漫画としての音楽を力強く描き切ったなという印象です。過剰な説明を入れず最低限の演出で、登場人物のゆがみを表現しているところが上手いなと感じました。重めの作画もヘビーな内容と合っていて、読んでいて没入感が心地良かったです
編集部講評
熱を感じさせる表情・演出が良かったです。自分の言葉で物語を紡ごうという意志も感じます。一方、主人公が主体的に選択・行動せずに振り回されているだけに見えたのが残念でした。ヘヴィメタルがどうキャラたちの救いになれたのかを説得力をもって描けたらより良かったと思います。
あらすじ
子育てに関心のない母親により、家を追い出された高校生・山手炎。行き場のない彼の元に、かつて似た境遇をにあった春日愛から連絡が入る。成長した愛はヘヴィメタルに傾倒しており…。
佳作 痩せる乙女の空腹よ
30P
賞金30万円
佳作30万円
福田秀先生講評
絵も巧いですし、話運びもストレスなく読めて総合点が高い作品だと思いました。前半の掛け合いシーンもセリフにキレがあっていいです。ただ後半は既視感のある展開で失速感を感じました。この2人ならでは!というものがもっと見たかったです。
編集部講評
冗長にならない会話劇が心地よかったです。見せたいセリフをテンポ良く入れられているのと、コマ割りの上手さが相まって非常に読みやすかったです。次回作はキャラ等に更なるオリジナリティを追求してみてください。
あらすじ
自身の体型を気にする親友コンビ・みったんとやっちゃんはダイエット作戦を決行。だが、たちはだかる食欲の壁とクラスメートの視線に、徐々に2人はすれ違いはじめ…!?
期待賞+審査員特別賞 宵に微笑む
60P
賞金20万円
期待賞10万円+審査員特別賞10万円
福田秀先生講評
最後まで読ませる引力がすごかったです。タイトル頁のエミの笑顔が嘘みたいに可愛らしくて、と思ってたら本当に嘘でしたね(笑)。嘘のような明るさと絶望が隣り合わせだという事をうまく表現されていて、作画力と構成力のなせる業だなと思いました。
編集部講評
エミの行動に共感・理解がしづらく、消化不良・読後感の悪さがありました。重いテーマを扱うに足るだけの結論が欲しかったです。次は読者を楽しませることを意識して描いてほしいと思います。作画は安定しており、主人公たちの表情はよく描けていました。
あらすじ
学校でのいじめに耐え兼ねたヨイは、屋上から飛び降りることを決意する。だが決行の直前、クラスの人気者・エミに「自分も一緒に死ぬ」と呼び止められ…!?
期待賞+初受賞ボーナス 竜胆の花が咲く頃に
46P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
福田秀先生講評
前半と後半の作品テンションの変化が少々急すぎたように感じます。空気感やキャラクターのストレス具合など、前後半の「つなぎ」を作っておかないと別の作品が混在したように見えてしまうので、そこが勿体なく感じました。全体的に整っており読みやすい作品です。
編集部講評
画面は綺麗ですし、キャラの関係性も刺さるものを描けています。ただ、二人の関係性以外の要素、特にファンタジー設定の複雑さとご都合感が悪い意味で引っかかってしまいました。説明不要で共感されやすいシチュエーションにすると、描きやすいし読みやすくなるかもしれません。
あらすじ
神社の雑用として働く少年・澪は、ある日「血塗れの悪鬼」として恐れられる竜胆の封印を解いてしまう。思いのほか友好的な竜胆の性格もあり、2人は隠れて親交を深めていくが…。
期待賞+初受賞ボーナス 2010年7月23日
23P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
福田秀先生講評
コンセント、その発想はなかったです(笑)。捕まえ方までユニーク! しかしながら全体的に女の子の行動の理由が分かりづらく、展開の奇抜さも相まって少々置いてきぼり感を感じてしまいした。そこまで必死になって捕まえようとする源流をもっと見たかったです。
編集部講評
冒頭のつかみには一定の引きがありましたが、その後うまく展開を作れずにスッと終わってしまい残念でした。制服女子と少年の組み合わせはいいので、外見や属性だけでなくキャラを描くようにしてほしいです。タイトルや動くコンセントに何か意味や意図があるのであれば、理解できるようにかみ砕くと良いと思います。
あらすじ
ある夏の日、蛇のように動く電源コードを発見した女子高生。その正体を探るべく、女子高生は行き会った虫取り少年と共に電源コード捕獲作戦に臨む――!
審査員総評
[スタンドUPスタート]の福田秀先生
全体的な総合力の高さを感じました。漫画の基礎はもう充分出来上がっているので、正直そこに関して言える事もほぼ無いなと。あとはどれだけキャラクターに、そして話に読者の感情を振り回させられるかだと思います。まぁそこが一番難しいんですが。
YJ編集部
たまたまかもしれませんが、「親からの解放」をテーマにした作品が多くありました。家族の在り方を問うのは時代性にも合っているので、解放の先も考えられると良いかと思います。全体を通してレベルが高く、今後に期待大です。
福田秀先生講評
マサキも、まさきも終始顔がいいですね。また足掻く決意を固めるまで、マサキの目がずっと死んでるのが絶妙でした。後半は『母親に不満をぶちまける強さ』と、『まさき自身が母親へ言い返す強さ』と前者の演出が強く、少々後半が弱く見えてしまったのが勿体なかったなと思います。