佳作+審査員特別賞+月間ベスト賞+初投稿賞 「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定! 極捜 -GOKUSOU-
44P
賞金48万円
佳作30万円+審査員特別賞5万円+月間ベスト賞10万円+初投稿賞3万円
藤村緋二先生講評
説得力あるストーリー、魅力的なキャラクター、流行りに左右されない独自性のある魅力に溢れた作画とキャラデザ。男臭い物語になりがちな所をキチンと女性キャラを配置して中和している。抜け目ない完成度の高い作品でした。恐ろしい程の才能。一読者として楽しませてもらいました、これもうこのまま連載してくれ!
編集部講評
独自の世界観を存分に出しているところが良いですね。ただ、キャラクターの目的•信念が曖昧です。カッコいい世界観に負けない、カッコいいキャラクターを。
あらすじ
秘密裏に保管された麻薬を見つけた二人の刑事。ヤクザに捕まり拷問を受ける二人には、とある“特殊任務”が課せられていたーー。
佳作+審査員特別賞+初投稿賞 青春定規☆大茶番
47P
賞金38万円
佳作30万円+審査員特別賞5万円+初投稿賞3万円
山田胡瓜先生講評
16歳の最年少でありながら、今回の応募で一番演出センスがあると感じた。画力も高く、背景もおろそかにせず、コマ割りも上手く、シュールさはさておき内容も一応すっと入ってくるし、サブカルコメディっぽいノリと山本直樹的な乾いた絵柄の組み合わせも良い。ただ、シュールでコミカルな演出に終始し、お話に中身がなく、それでいて微妙に青春主人公っぽい演出が混ざっているので完全なシュールコメディとして見ることもできず、どういうノリで読んでいいか分かりづらい。シュールコメディに振り切るならそれも良いし、もう少しスタンダードな漫画を描くにしても、この演出力やコマ割り等のセンスは生きると思う。16歳なのでこれからいかようにも成長できそう。
藤村緋二先生講評
読んでて楽しい作品でした。読者を楽しませる以上に、作者自身が楽しんで描いてる感じが伝わってきました。ストーリーの主軸がしっかりしていて、かつわかりやすいので要所要所の読者置き去りのギャグや展開も読みにくさではなく作品全体のテンションを引き上げる力になっていて、後半では、もうこの作品のテンションに振り回されることが快感にすらなってました。
編集部講評
16歳らしい勢いと、16歳とは思えない会話のセンスを感じます。読者が共感できる視点役を作ることができれば、もっとボケが映えるはず。漫画を描きまくって大成長してください。
あらすじ
高校受験に失敗した岸舌伴は、廃部寸前のジョギバト部と出会う。理不尽な状況に怒る舌伴は、部の存続を賭けてジョギバトをする羽目にーー。
期待賞+初投稿賞 RUNNER SPIRITS
56P
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
山田胡瓜先生講評
18歳という年齢を考えれば、まだまだ伸びしろはあり、健闘しているとも言えるが、純粋に漫画として見ると、商業掲載の域に達していない。ネームとしては、状況を読者に理解してもらうための5W1Hレベルのセリフや表現が不足しており、理解しづらい。「憧れていた幼馴染を才能ゆえに楽々追い越してしまった主人公と、追い越された幼馴染」という序盤の流れからすれば、霊に取り憑かれたことをきっかけに、二人の葛藤やそれぞれの思いなどがぶつかり合い、関係性や考え方の昇華がほしかった。
藤村緋二先生講評
要所要所に散りばめられたギャグや小気味良いキャラ同士のやり取りから、常に読者を楽しませたいというサービス性を感じました。ただそのサービス性が過剰な場面が多くあり、せっかくのキャラやストーリーの熱い展開まで邪魔して、読み手がキャラの感情にイマイチ乗り切れないのが勿体ないと感じました。緩急のバランスをもっと意識してみると良いかもしれません。
編集部講評
細かいツッコミどころはありますが、それが気にならなくなる程の熱量・サービス精神を感じました。より熱量高く挑めるテーマを見つけ、どんどん漫画を描いてください。
あらすじ
幼馴染の升に憧れて陸上を始め、升よりも速くなってしまった翔。いつものように練習する二人だったが、升に元マラソン選手の幽霊が取り憑いてしまい――!?
期待賞+初投稿賞 インサイド
16P
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
山田胡瓜先生講評
少女漫画的な好感の持てる絵のタッチやキャラクターの仕草、表現がある。世界や他者との心理的距離から仮面が出現するという設定はオーソドックスなアプローチであるため、より捻りのある設定や展開、キャラクターの内面の深掘りが欲しかった。ファンタジーなら仮面に変化や飛躍が欲しいし、リアルな話なら、先生に呼び出された後、どんなやりとりがあったのかや、周りの生徒はどう思うのか、脱げないというのは結局のところどういうことなのかといったところを、もっと描いてほしい。
藤村緋二先生講評
絵も見やすく、ストーリーとキャラの状況説明もスムーズで読みやすかったです。ただそのまま大きな展開もなく緩やかに終わってしまうのが勿体なく感じました。絵的な大きな見せ場を用意したり、ストーリーでのわかりやすい主軸とそれを解決する快感を与える展開等、読者へのサービス性をもっと意識してみると作品の厚みが増してより良くなるのではと思います。
編集部講評
思春期の悩みを軽やかに描いていますが、伝えたいことが未整理な印象でした。ユーモアセンスに期待しつつ、次作では読者が共感できるように伝えたいことの解像度を高めてほしいです。
あらすじ
ある日ふざけて被った紙袋が取れなくなってしまった西野ミナミ。数日経っても紙袋を取ることができないミナミは、ある思い切った行動に出る――。
期待賞+初投稿賞 滅霊師
33P
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
山田胡瓜先生講評
キャラクターの絵はスタイリッシュで今風であり、ところどころプロとして通用するような十分に上手で魅力的な絵が入っている。ただ物語を伝える力がまだまだ足りていない。誰が何をしたのかといったことがよくわからず、なんどもコマやページを戻って、内容を理解しようと努力しないと、何がかいてあるかを読み解けなかった。悪霊と人間の見分けなどもぱっと見よくわからない。読者に「伝える」ということを意識して漫画を描くことが必要。
藤村緋二先生講評
今すぐにでもプロで通用するレベルの作画力…ストーリーもわかりやすく完成度高い作品でした。全体通して絵がキャラに寄り気味でたまに何をしてるか分かりづらかったり誰なのかわかりにくい箇所があり、そこが勿体無いと感じました。今よりほんの少し引きめに描くのと中間色のトーンを使って画面の白黒のバランスを意識してみるとより伝わりやすく、かつ絵が読者に与える印象が強くなり作品の魅力がグッとあがると思います。
編集部講評
綺麗な線・絵で、既に明確な武器を持っています。ただ、表情の硬さやカメラの近さが邪魔をして、伝えたいことが伝わりにくい画面になっています。自分の作品を俯瞰して、読者に伝わるかという視点を持つことが次のステップだと思います。
あらすじ
7年前、母親を殺した霊と再会した九十九燈。再び、大切
審査員総評
[真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-]の山田胡瓜先生
今回、審査員という立場から、「努力して読む」ことをしましたが、普通に読者であれば、読み続けられる作品はありませんでした。ですが応募者の年齢を考えれば、誰もが通る段階にあるとも思えますし、私自身、そんな作品を作っていた気もしますので、これからも頑張ってほしいと思います。全体的に言えることとして、状況がわかりづらかったり、世界観やキャラクターを理解するための情報が不足していたり、後出しだったりで、目が滑ったままページを進めて、いざ見せ場が来てもカタルシスが得られない、そんな作品が多かったと思います。「何の事前知識もない読者」に対して、どんなふうに物事を伝えれば、意図したとおりに伝わるのか、面白いと思ってもらえるのか……といったことをよく考えて作品を演出していってほしいと思います。
[真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-]の藤村緋二先生
皆さん若いのに恐ろしい程の才能…。選考していて僕も負けてられないなと思いました。どの作品からも何より自分自身が楽しんで描いているのが伝わってきて良かったです。プロになった先でも一番重要になってくるのがこの部分だと思うので。「楽しむ」という気持ちを忘れずこれかも突き進んでください。
YJ編集部
将来性を感じさせる方ばかりの回でした。たくさん漫画を描いて描いて描きまくりましょう。
山田胡瓜先生講評
画力は一番高く、見応えがあった。刑事に偽装した特務組織のバディが武装ヤクザを潰す話と大まかに理解したが、そういう読み切り、あるいは連載のスタートとして考えると物足りない。スタンダードに考えれば、最初にもっと世界観を伝えるべき。未来で、武装ヤクザの勢力がヤバくて、警察に死人がいっぱい出てて、警察内にもスパイが蔓延ってて、今回のバディもやられそうだ~、みたいな雰囲気を最初に匂わせたほうがいい。バトルが終わった後に設定や裏事情が説明されるので、伏線として機能せず、後出しみたいな感じで面白さが削がれている。あと、主人公らの思いや考え方や最終的な目標などが特に描かれないのももったいない。応援したくなるようなキャラクターの魅力を演出してほしい。年齢的にも若く、これからが期待される。