大賞+月間ベスト賞+初投稿賞
本誌チャレンジ連載権&研究生契約権獲得!
「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定!
陰キャ、部屋に花、飾ってみた。
58P
賞金113万円
大賞100万円+月間ベスト賞10万円+初投稿賞3万円
編集部講評
キャラクターが生き生きと描けており、共感度が高く、ストレートに響いてくる作品でした。花を飾ることで生まれた彼の生活や心境の変化を、対人関係の成長と結びつけて描いた手腕が素晴らしいです。冒頭にも読みたくなる工夫が感じられて好感が持てます。持ち味はそのままに、もう少し人間の負の感情も「振り幅」として取り入れて、次のステップへ進んで欲しいです。
あらすじ
女性と話せない“陰キャ”しげおは花屋の店員花野と出会う。彼女の勧めで飾った花が1日で真っ黒に枯れてしまい…。
準大賞+審査員特別賞+初投稿賞 本誌読切掲載権&研究生契約権獲得! にんぎょの交わり
55P
賞金63万円
準大賞50万円+審査員特別賞10万円+初投稿賞3万円
二宮先生講評
冒頭の入り方が良く、スッと物語に没入できました。55Pあるとは思えないほどテンポが良く、終始楽しく読めました。何も知らないはずの人魚がなぜ日本語を流ちょうに喋れるのか、など細かい気になる箇所はありましたがファニーな作風もあってか“まあいいやそんなことは”と思わせてくれました(笑)。生まれ持った独特の世界観だと思います。また別のテーマでも読んでみたいです。
編集部講評
非常に読みやすく、長さを全く感じず、ページを捲らせる力がありました。掴みが良く、情報が整理されていて台詞回しも気が利いています。たった2人の登場人物でドラマを描ききったことも見事です。ミナトと人魚が相思相愛になる明確な理由をしっかりと作ることができればもっと説得力のある作品になったと思います。
あらすじ
ずっと一人で過ごしてきた顔が魚そのものの“人魚”。そんなある日“人間”ミナトと出会い、スミレという名を与えられ――。
佳作+初投稿賞 ゆめゆめゆゆしき夢に怪しかけられるべからず
55P
賞金33万円
佳作30万円+初投稿賞3万円
二宮先生講評
どこかで連載されていた経験が御有りでは…? 完成度が高すぎます。画面も構成も圧倒的でした。このまま紙面に載っていても何ら違和感がないと思います。ひとつ何とか注文をつけるのならば、「夢魔を退けるフラグ」を序盤にさりげなく置いておけると良かったのかなと思いました。僕にとっては、新人賞の中に襟花瞳さんがいることが怪に見えました。
編集部講評
絵と内容のどちらも新人とは思えないほど安定感のある作品でした。王道展開ながらも、ブレずに描き切った点に好感を持てます。前半が少し冗長で話全体としても展開が読めてしまうという点がもったいなかったです。次はオリジナリティを存分に発揮した安定の殻を破るような作品を読んでみたいです。
あらすじ
アヤカシが見える少女あやめ。友達が巻き込まれた不思議な事件を解決するため、刑事の風間に協力することになり…。
佳作+初投稿賞 命の輪郭
50P
賞金33万円
佳作30万円+初投稿賞3万円
二宮先生講評
冒頭と最後が繋がるのが好感持てます。こういう仕掛けは好きです。「久世さんは口が悪いだけで情がある」感じを出してくれると、もっと感情移入できたかも知れません。例えば毎度死んでしまうサポーターを全員律儀に弔っている、とか。決めゴマかっちょええです。全コマこのテンションで描けたら、とんでもなくオサレかっちょええ漫画に昇華できると思います。
編集部講評
この世界における呪いの設定が不明瞭で世界観には入りづらいですが、ヒロインの境遇に同情できる点とかっこいい演出をしようという意気込みを強く感じ、見せ場が非常に良かったです。長尺の内容を無理やり詰め込んだように感じたので、もう少し描きたいポイントを絞って描いた次回作を期待しています。
あらすじ
呪いを駆除する闇祓いの久世。彼のもとに派遣された新しいサポーターには秘められた力が…!?
期待賞+初投稿賞 SHINO
35P
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
二宮先生講評
しっかりとした世界観がある方とお見受けしました。ですが、何が起こっているのかわかりづらい場面が散見されたのが残念でした。第三者にスムーズに伝える為の客観性を身につけてください。もう一つ注文をつけると、主要キャラ以外ももっと深堀りしてほしいと思いました。クラウディアやスカウトの方々の、これまでの人生まである程度想像しておくのです。すると言動がテンプレートにならず、深みのある物語に繋がっていくと思います。
編集部講評
描きたい漫画が伝わってくる熱意ある一作でした。ドラマを丁寧に描ける良さを今後も大切にして欲しいです。次は読者の共感が必要な山場・そこに至るキャラの心情と、それ以外の情報との選別を意識し、メリハリをつけた作品をたくさん描いていって欲しいです。
あらすじ
行方不明の兄との約束を果たすため、歌手を志すシノ。友人のバレットに背中を押されてオーディションに臨むが…。
期待賞+初投稿賞 アンコールコード!
38P
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
二宮先生講評
“無駄に話を展開させ過ぎず、1テーマで押し切る”という意気込みが好みでした。いいお話でしたが、読者の心をくすぐるような「深み」までは達していないと感じました。羞恥心、嫉妬、憧れ、友情、愛情等々…なんでもいいので、狂気を感じるくらいの感情を表現してみてください。そして物語の最後に小さな裏切り(ポジティブなものでも、ネガティブなものでもいい)を添える。これだけで読み手の印象が劇的に変わると思いますよ。
編集部講評
少々粗削りではありますが、主人公の心情を表情や演出で伝えられている点が良かったです。ページの使い方も迫力がありました。主人公が自己完結している話なので、他のキャラとの絡みのなかで成長し、もっと大きな悩みを乗り越えていく物語を見てみたいです。
あらすじ
湊は同じバンドにいる“天才”と自分の才能を比較し悩んでいた。ある日、湊はバンドを脱退することを決意する――。
受賞まであと一歩!! 最終候補 ヒカルイシ
33P
審査員総評
[BUNGO-ブンゴ-]の二宮裕次先生
今回も色んなタイプの漫画が読めて幸せでした。新人賞の講評をするたびに思いますが、僕が皆さんの年齢の頃こんなに上手くは描けませんでした。という事は少なくとも僕よりは売れる素養があるという事です。そこは自信を持ってください笑 ただ僕の知る限り、売れてる作家さんは皆謙虚で努力家です。自信と謙虚さをバランスよく持って頑張って欲しいです。僕もヤンジャンで長く続けられるように頑張るので、いつか皆さんと共闘したいです。その日が来ることを楽しみにしています。
YJ編集部
大賞と準大賞が選出されたハイレベルな回だったと思います。全体的に読みやすかったのですが、それぞれの得手不得手が分かりやすい印象だったので、得意を伸ばすようにたくさんの作品を描いていってほしいです。今後に期待しています!
二宮先生講評
温かな気持ちになる作品でした。ただ個人的好みでいうと、しげおくんをもっと応援したくなるような要素が欲しかったです。例えば、誰にも気づかれたことはないけど、自分ではない他人の為にごく小さな気遣いをしているとか。それに唯一気づいてくれたのがかおりさん、とか。それなら互いに惹かれるのも納得できますし。あと、かなり野暮なことをいうと全然陰キャのままでいいのに、と思いまいした笑 「そのままでもいいよ」と言ってあげた方がいい作品だと思いました。