佳作+月間ベスト賞+初受賞ボーナス 「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定! 青嵐
28P
賞金43万円
佳作30万円+月間ベスト賞10万円+初受賞ボーナス3万円
編集部講評
腫れ物扱いされている青谷が周囲に流されない軸を持つ天竺との交流を通して世界に向き合うまでの過程を素直に展開させていて好印象です。また、キャラクターたちの一つ一つのセリフやリアクション、表情を丁寧に描いていました。一方で、2人がやや典型的な印象も受けます。「不良」と「映画好き」ではなく青谷と天竺の話になるようにキャラクターの内面を掘り下げてみてください。
あらすじ
学校にも家にも居場所がなく、周囲から不良だと思われている高校生、青谷。ところが映画研究部部長の天竺は周りの評価などお構いなしで映画を勧めてきて…。

期待賞+審査員特別賞+初受賞ボーナス ColorLens
80P
賞金23万円
期待賞10万円+審査員特別賞10万円+初受賞ボーナス3万円
ソウマトウ先生講評
魅力的な絵が描けています。話を広げすぎず、読みやすいところも好印象でした。導入での妖しげな眼鏡屋のシーンが長いので彼への興味が湧くのに、構成としては主人公が交代制のオムニバスであるので彼の謎が明かされないことにもやもやしてしまうのが勿体無いです。あとはオムニバスで眼鏡を使った人々がどうなるか、というヒキは読み手がホラーを期待してしまい肩透かしのような気もします。ほのぼのをやりたいならもっと眼鏡屋をポップに見せるべきかもしれません。
編集部講評
万人受けしそうな絵でした。80Pを描き切る力も強みかと思います。キャラクターについて、忽那は見た目で判断されることに憤っていますが実際に遅刻しているなど内面が実は真面目であることが感じられませんでした。また、展開も「他人の本心が見える」設定には独自性がなく、結末も予想の範疇を出ませんでした。次回はキャラクター、展開に作家さんならではの独自性がほしいです。
あらすじ
見た目で判断されることに苛立ちを覚える大学生、忽那は不思議な眼鏡屋さんへと足を踏み入れる。そこの眼鏡をかけると他人の本心が見えるようになり…!?
佳作+初受賞ボーナス タケルヒビキ
52P
賞金33万円
佳作30万円+初受賞ボーナス3万円
ソウマトウ先生講評
興味を持たせづらいテーマをネーム力で読ませてくれる完成度の高い作品でした。シンプルな話の軸に、ミステリアスな響、友好的だが内面を見せてくれない部長の雄二など主人公の目線で興味を惹かれる魅力あるキャラクターが描けています。懸念点としては、個性はあるものの絵柄が人気に繋がりにくそうで勿体なく感じました。自分の描きたいものの中にほんの少しでいいので想定する読者がいるジャンルの流行りを取り入れる努力をしてみましょう。構図、レイアウトのセンスがあるので画力が上がればプロとして通用しそうです。
編集部講評
目標にひたむきなストーリーを熱量あふれる絵で描いており、全力をこの漫画にぶつけたことが伝わる力作でした。今後は物語面では細部のリアリティを向上させる、画面作りでは抜きどころを作ったり感情を顔のアップで伝えるなどして読者にとって読みやすい作品作りを意識してください。
あらすじ
迫力満点の演奏に心を打たれ、和太鼓に入部を決めた仁王。ところが憧れた先輩は太鼓をやめていた!

期待賞+初受賞ボーナス ユー・オンリー・リブ・ワンス
38P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
ソウマトウ先生講評
作画や構成の技術のバランスがよく読みやすいです。ただ、美術をテーマにするならもっと突き抜けた個性が欲しいです。例えば、21ページで出来上がる絵を見ただけで読者を説得させる絵力、もしくは圧倒的な構図。 テーマにするからには絵で読者を黙らせるぞという怨念めいたもの。作中の他者の反応など、あえて作中の絵でみせない方法も取れます。読者を感動させるための色々なパターン出しをしてみるといいと思います。
編集部講評
主人公の抱える他人の敷いたレールの上を走ることに対する悩みは共感しやすく、入口の広いものになっています。現状は全体的に素直に作っている印象です。キャラクターであればギャップや人間味を際立たせる、展開であれば読者を驚かせようとする企みを入れるなど、読み手の予想を超えようとしてみてください。
あらすじ
日々努力を重ねる絵画界の新星、御野寺。いきなり壁に絵を描いてくれと頼まれるが…?

期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円 SCRATCH BOND
80P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
ソウマトウ先生講評
頭の中のイメージは沢山ありそうで、色んな絵を作れる魅力があります。ただし、映像を精査せず切り取って出している感じで、壮大な物語のPVのように見えてしまうのが惜しいです。気迫は伝わるし描く意志は感じられるので、まずは読みやすさの基本(キャラデザをしっかりと作り込んでブレのある絵でもどのキャラか認識できるようにすることとフキダシの位置調整)から改善することをおすすめします。
編集部講評
何か秘めたものを感じましたが、話を理解するのが困難でした。ギター、超能力、麻薬など要素が多く整理するのに頭を使う必要がある、人物の表情や目などの目を引く要素が大きく描かれていない、などが原因かと思います。流し読みしていても作品の内容を理解してもらえるぐらいまで考えを読者に伝える努力をしてください。
あらすじ
他人の感覚を体験する力を持つガン・スーミンはある一人のギタリストと出会う。

期待賞 リスタート・コード
56P
賞金10万円
期待賞10万円
ソウマトウ先生講評
可愛さと勢いを感じます。構成は拙いですが今っぽいキャラデザとテーマなので読んでみようと興味が湧きやすいと思います。ただ、読者に読んでもらう重要な点は絵の次にフキダシ(セリフ)なので、誰が何をしゃべっているのかわからなかったり、フキダシが小さいだけで読んでもらえる確率が下がり勿体無いので漫画の基本的な作りを先に改善しましょう。
編集部講評
56Pを分かりやすく描き切っています。女性キャラクターのデザインにも魅力がありました。引っ込み思案な主人公が顔にピアスを開けている整合性のなさ、主人公の歌声が評価されている理由の説明不足、文字のサイズがまばらで読みにくいなど基本的な部分が気になりました。
あらすじ
独りカラオケで熱唱中の唯の部屋へ天才音楽家が乱入!
審査員総評

[シャドーハウス]の ソウマトウ先生
今回は若い方が多く、その割にきちんと読ませる技術のある方が多かったです。
内容としては壮大な作品と小さくまとまっている作品という対極な感じでした。最近の傾向としてページ数の制約が無いせいかメリハリを持ってまとめる努力が足りないように感じます。自身が考えたネームを一旦大胆に半分のページに構成し直すくらいしてみると一段階成長できるのではないでしょうか。あとはどんな読者層に向けて描くのかを意識し、ただの読み切りで終わってしまうのではなく、第一話っぽくまとまりつつ次をもっと読みたくさせる広がりのあるキャラを描けるようにすると良いでしょう。
YJ編集部
それぞれの作品に作家さんの色が強く出ていました。今後は個性を生かしつつも、どうすれば読者に考えが伝わるのか、どうすれば読者が考えを面白がってくれるのか、など読者を意識して作品作りに取り組んでください。
ソウマトウ先生講評
読み切りとしての纏まりは良く、男キャラの絵は魅力的です。しかし男女で絵柄の世界観が違う(ヒロインの書き込み量が少ない)のが気になりました。特に頬の丸印は大ゴマで使うには目立ちすぎます。11Pでは基本となる顔も描けているのでそれがベースでも良かったと思います。現状ヒロインが映研である必然性が薄く、異常な映画バカというのであれば表面的ではない執着を描いてほしかったです。例えば特徴的な髪型は好きな映画のキャラクターの影響を受けたもので本当はコミュ障だった等という理由付けだけでも深みが出ると思います。