準大賞+月間ベスト賞+初受賞ボーナス 「ヤンジャン漫画TV」にてボイスコミック化決定! 本誌読切掲載権&研究生契約権獲得! 剥かれて夏
30P
賞金63万円
佳作50万円+月間ベスト賞10万円+初受賞ボーナス3万円
編集部講評
- 読者を楽しませようとする意識や工夫が素晴らしかったです。まず、丁寧な掴みが好印象でした。5ページ目あたりでキャラクターの意外な悩みを見せることで、物語の雰囲気を一転させ、“驚き”を演出し、読者をうまく引き込んだと思います。その後も、物語における重要なアイテムをユーモラスに表現したり、感傷的な場面にあえてくだらない描写を差し込んだりと、1コマ1コマがとても楽しめました。また、設定の面白さだけで終わってしまうような“出オチ”にならなかった点も、高く評価したいポイントです。単に設定の面白さだけで物語を進めるのではなく、その設定が原因で主人公や周囲の人たちが悩んだり、葛藤したりする様子が丁寧に描かれていたからだと思います。これからも、キャラクターを大切にしながら、作品づくりを続けていってほしいです。

期待賞+審査員特別賞+初受賞ボーナス 月愛の右剣
40P
賞金23万円
期待賞10万円+審査員特別賞10万円+初受賞ボーナス3万円
迫稔雄先生講評
荒削りながら、しっかりとした世界観と個性的な絵柄がすごく魅力的でした。この調子で書き続ければ、間違いなくどんどん上達して連載できるのではないかと妄想してしまいました。次回作を楽しみにしてます。
編集部講評
- 趣のある服飾や背景、見栄えのあるキャラクターの表情や動きが、丁寧に描き込まれており好印象でした。特に、P37からの満月に向かって飛び上がり、敵を切り裂くシーンは、躍動感が抜群で非常に見ごたえがありました。今後、何気ない仕草やセリフを通じてキャラクターの感情がさらに伝わるようになると、作品全体の完成度がより高まってくると思います。
佳作+初受賞ボーナス ハルカ果てなき砂漠にて
22P
賞金33万円
佳作30万円+初受賞ボーナス3万円
迫稔雄先生講評
終始、エンタメ性より、純文学的な内容で商業作品としては非常に評価しづらいものでした。せめて主人公がなぜ自暴自棄になったのかとか、最低限の要点を入れないとほぼ何もわからないまま始まり終わってしまいます。キャラの断片的な回想になるのか、しっかりと感情移入できるキャラのストーリーになるのか後者を目指して、執筆頑張ってください。
編集部講評
- 駅のホームから飛び降りようとする女子高生の虚脱感を、カメラの角度や構図で巧みに表現したり、電車に飛び乗ろうとする場面の躍動感を足元だけで描いたりと、絵や動きの切り取り方が秀逸で目を惹きました。また、随所に描かれるキャラクターの表情からも、色気や怖さがしっかりと伝わってきました。今後は、ストーリー展開そのものだけでなく、読者が感情移入できるキャラクターたちを物語の中でしっかりと描き出すことを意識して、作品づくりを続けていってほしいです。
佳作 公安怪異調査室
49P
賞金30万円
佳作30万円
迫稔雄先生講評
独自の世界観があり、とても面白く読めました。キャラクターの動きやアクション等わかりやすかったことが好印象です。意外な終わり方で驚きました。
編集部講評
- 引きの強い絵や、警察にも臆さない不思議なキャラクターの登場など、前半から読者の興味を引こうとする意識が感じられて好印象でした。また、主人公が怪異となってしまった息子を抱きしめるシーンでは、怪異への復讐心が強く表現されており、主人公が“不思議な存在”から“応援したくなる存在”へと変化していきました。ページを進めるごとにキャラクターの魅力を更新していけるのは、連載において非常に頼もしい力だと思います。

期待賞+初受賞ボーナス 私のもう一人
26P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
迫稔雄先生講評
なんとなく内容は掴むことができますが、商業作品を目指す以上、一定以上のエンターテイメント性は求められると思います。そういう意味でなるべく多くの人に魅せるということを意識して執筆することも大事だと思います。
編集部講評
- ページをめくるごとに、主人公の本性が少しずつ垣間見え、“他人よりも幸せでありたい”・“他人を突き落としたい”といった人間の嫌な部分が伝わってくる作品でした。今後については、“このキャラクターが怖い”と感じられるように、個々の人物像に対して読者が感想を持てるよう描いていただけると、さらに作品の魅力が増すと思います。

期待賞+初受賞ボーナス 振られてナイト
32P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
迫稔雄先生講評
1つの作品としてまとまりのあるものでした。見せ場で大きな絵で表現できるコマ割りや細かい会話の描写や多彩なアングルなどを加えていけば、もっと読書を楽しませることができると思います。引き続き頑張ってください。
編集部講評
- 冒頭2ページ時点で、主人公の欲求が明確に示されていたため、“物語の中で何を追いかけていけばよいのか”が分かりやすく、スムーズに物語へ入り込むことができました。さらに、感情を追いやすいように、1コマ1コマの表情もしっかりと描かれていたことも読みやすさにつながっていたと思います。ただ、主人公とヒロインの関係性の変化がダイジェスト的に描かれていた点が気になりました。次回からは、この部分も尺を使って丁寧に紡いで頂きたいです。
期待賞+初受賞ボーナス パンデミック
68P
賞金13万円
期待賞10万円+初受賞ボーナス3万円
迫稔雄先生講評
テーマで魅せるのか、ストーリーで魅せるのか、絵柄で魅せるのか、描写で魅せるのか。現状、の部分もレベルは高くないので、68ページ書き切るその熱意でさらなるレベルアップを期待してます。
編集部講評
- 総じて、好感度の高いキャラクターが描かれていたと思います。特に、30ページ目あたりで起き上がることのなくなった廃人(ゾンビ)に対しても、人間のように接する描写は、主人公への好感度が高まっていく印象的な描写でした。その他のキャラクターについても、細かな心情表現を通じて、読者に“キャラを好きになってもらおう”という意識が感じられました。一方で、世界観の説明が先行してしまい、上述したこの作品の素敵な部分に辿り着くまで時間がかかってしまったことは勿体なかったです。
審査員総評

[げにかすり]の迫稔雄先生
今回の応募作は、1つの作品としての読み応えが薄いものが散見されていたと感じました。ここでこう感じて欲しい・ここ読むとこういう感情になるよね?・こうなると笑うよね?・ここ燃えるよね?など。読者を楽しませる事を意識する事が大事です。ただ自己のセンスのみを表現した純文学的な作品より、もっと読者目線を意識した作品作りも目指してみて下さい。
YJ編集部
今回の投稿作については、読者を意識した作品とそうでない作品で二極化していた印象があります。漫画は読者がいてはじめて成立する媒体だと思います。今後は、作品を通じて、読者にどのような感情を抱かせ、どのような"面白さ"を提供できるのかをより意識して制作に取り組んでいただきたいです。
迫稔雄先生講評
絵柄と内容のミスマッチが面白かったです。展開に合わせての絵柄の強弱がついたら、もっと表現の幅が広がって、読者の心をつかめると思います。