準入選+MBS特別賞 はじめまして愛しのマリリン
28P
賞金40万円
準入選 賞金30万円+MBS特別賞 賞金10万円
あらすじ
男子高校生・城之内博美が家に帰ると知らない大人の女性・愛野マリコがいた。婚姻届を書けば、どこかに行ってしまった博美の母親の代わりに大学卒業まで養ってあげると言われ…。
佳作 あまのじゃんく
29P
賞金15万円
佳作 賞金15万円
講評
軽い気持ちでいじめた相手が、「自分のせいで価値観が壊れた極端な悪魔」になって襲ってくるという筋立ては面白い。縦軸がしっかりと設定されていて、続きが気になる。一方、主人公にも悪魔にも「人間としての魅力」も、「クズとしての愛嬌」も、「悪としての魅力」もない。「ルールがない」暴力をふるうだけの敵だと漫画としての楽しみ方の提示が難しい。セリフやエピソードでしっかりとオリジナリティあるキャラを造形して欲しい。
あらすじ
子どもの頃わがまま放題に暴力をふるういじめっ子だった松岡。社会人になった現在、会社から自宅へ戻ると、自分の背丈よりも大きい姿の昔いじめていた相手が突然現れ…。
佳作 妻がクローン病になりました
51P
賞金15万円
佳作 賞金15万円
講評
クローン病という難病を切り口に家族の絆の結びつきを描き切っており、題材としては他にないオリジナリティがある。知らない病気のことを知れて、感動ポイントがあり、様々なやり取りを明るく描いていたのはよかったし、突然襲ってきた不幸に振り回される現実は大変興味深かった。漫画としては単調な作りになってしまっていて、エッセイとはいえドラマにするには機微が足りない。絵や情報を詰め過ぎた結果、読みづらくしてしまっている。
あらすじ
家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、慢性的な胃の痛みに悩んでいた妻が、口の中から肛門までの粘膜全体が炎症を起こしやすくなってしまうクローン病と診断され…。
奨励賞 憑人
42P
賞金5万円
奨励賞 賞金5万円
講評
ホラーのセンスを感じる。場面場面の恐怖感があり、怖さを画面にずっととどめておけるのは、特異な才能。「一度とらわれたらもうおしまい」という絶望的な呪いがよく描けている。冒頭での呪いの描写をカットしてしまったがゆえに絵的な「掴み」を作り切れなかったのが残念。ゲストキャラが何をそこまで恐れているのか追体験できない作りになってしまった。主人公側チームではキャラ描写をしようとはしてくれているのはよいが、描き分けの観点から難があった。
あらすじ
動画配信のため、心霊スポットで撮影していた須山は、悪霊に取り憑かれ、悪夢にうなされるようになった。悪霊を祓ってくれるという鬼藤相談所に行ってみると…。
最終候補作 魔法婦人すみれ
20P
講評
気軽に読める内容で、主人公の水商売のシングルマザーのすれた感じはよかったし、リアルに荒んでいる女性というキャラには目新しさを感じた。魔法「婦人」という設定はやり方次第では面白くなりそう。しかし、その他の設定に既視感があり、ドラマ部分があっさりしすぎていて、お話が全て説明になってしまっている。魔法少女とのギャップを使って、羞恥心などでもっと笑わせたりして欲しかった。どういうシーンを切り取っていくのか、意識して作ってほしい。
あらすじ
シングルマザーでカラオケスナックで働いていた橋本すみれ。謎の生命体ピエールに、大人なのに少女と勘違いされ、魔法少女になって欲しいと契約を迫られ…?
総評
めちゃコミック スタッフより
受賞者の皆様おめでとうございます。全作品に個性があり、甲乙付け難く、大変楽しく選考させて頂きました。中でも、めちゃコミックは、続きが気になる展開は勿論、アンソロジー形式の作品も話単位で購入し、サクサク読める利点があり、「憑人」はとてもめちゃコミック向きだと感じました。
MBSドラマ スタッフより
前回に引き続き、バラエティ豊かな作品を楽しく拝読させていただきました。
中でも『はじめまして愛しのマリリン』はセットアップで惹き込まれ、映像化でさらに躍動しそうなキャラクター設定でした。2人のその先の展開に期待を込めて『MBS特別賞』をお贈りします。
集英社 各誌編集長より
それぞれジャンルの違う力作が集まり、楽しく審査させていただきました。企画・脚本など映像のプロの手によってドラマは創られています。なぜそれとは別に漫画原作へのニーズがあるのか? それは1人~少数でも描ける漫画ならではの自由さが求められているからです。映像化向けの賞ですが、企画、キャラ、絵の魅力など、漫画としての可能性を突き詰めてください。
講評
突然結婚した2人、しかも主人公は高校生、という設定が面白い。荒唐無稽な設定でありながら楽しく読ませる筆力を感じた。男子高校生とひと回り年上の女性との共同生活のドキドキ感が描かれている。一方、男性向けに作るのであれば、もう少しセクシャルな要素はあってもよかった。感情面でのリアリティが弱く、強引な展開の印象も。「どこがゴール」なのかを見せたほうがいいのでは。読者にどんな期待感を与えられるのか?という視点が必要。