青春にも人生にも醒めた高校生・佑一は、強引に図書委員をやらされることになってしまう。そこで出会ったのは、マンガなど読んだこともないようなマジメな図書委員長の明日花。佑一がサボって『ゴールデンカムイ』を読んでいると、読書感想文を書いてくるよう明日花は命令するのだった…。

佑一はしかたなく読書感想文を提出するが、それを読んだ明日花は『ゴールデンカムイ』に興味を抱き始める。幼馴染とむかし交わした約束を思い出しながらも、「スケベすぎるマタギって…なんだろう…」と、これまで接してこなかった世界への好奇心に身をゆだねていくのであった…。

『ゴールデンカムイ』に少しずつハマっていく明日花。それを知った佑一も、次第に明日花に心を開いていく。縮まり始めたふたりの距離…。厳しく育てられた明日花にとってはじめての「チタタ_プ」を、誰もいない放課後の図書室でふたりはするのだった。

佑一たちが通う高校は、規律を重んじる学校だった。もちろん、校内でマンガを読むことは言語道断。そのことを知りながらも明日花は、佑一とお弁当を食べながらヒンナし、そして『ゴールデンカムイ』に潜むその深い文学性から図書室に置くことを決意する…。

生徒会長の鶴子は、図書室に『ゴールデンカムイ』が置いてあることを部下の報告で知る。すぐさま、生徒会長権限で禁じられた娯楽書物の取り締まりを遂行する。抵抗する明日花。しかし、昔から変わらぬまっすぐな鶴子の姿を見て、自分は裏切り者だと思い始めてしまう…。

生徒会長鶴子の粛清は、『ゴールデンカムイ』の取り締まりに留まらなかった。「規則を三度破ったら退学」という学校のルールを利用し、自分との約束を無下にした明日花を学校から追い出そうと画策する。明日花は、鶴子への罪の意識からなにもできずにいて…。

「佑一と一緒にいたい。けれど、鶴子を裏切ったのは自分だ。」そのふたつの気持ちに追い詰められる明日花は、すべての始まりである『ゴールデンカムイ』を避けるようになっていく…。そしてついに、明日花に退学宣言が下される。

明日花の退学を取り消そうと、ひとり生徒会に乗り込む佑一。そこには鶴子の部下・鮭登が待ち構えていた。権力に屈せず、愛のために行動する佑一に敬意を表し、鮭登はスチェンカで勝負することを提案する。体と体をぶつけ合うふたり…誇りをかけた戦いがはじまるのだった…。

鮭登に負けた佑一。しかし、まだ諦めてはいなかった。明日花と出会うまで笑うことも怒ることもなかった佑一は「自分はずっとのっぺらぼうだった」と、明日花に打ち明ける。「そんな自分に青春をくれたキミを必ず守る」と、退学の日までに必ず明日花を救いだすことを約束する…。

明日花退学の日。佑一は親友の由松の力を借りて、教室を脱獄する計画を立てる。しかしその計画は、生徒会に漏れていた。廊下に待ち構える自顕流の使い手の生徒会メンバー。そこにたった1人で立ち向かう佑一。ただ、「キミともう一度チタタ_プをしたい」という一心で。