25th.anniversary&最新刊VOL.16発売記念 小島瑠莉&西村葵インタビュー 女子高校生コンビ、パリへ大冒険

自力でパラリンピック出場をつかみ取った女子日本代表。
パリを闘うチームには、最終予選に続いて2人の高校生が選ばれた。
バスケを始めたころから一緒にプレーして成長してきた2人が、
パリへの想いを語り合うフレッシュトーク!

取材・文/名古桂士・伊藤真吾(X-1) 構成・文/市川光治(光スタジオ)

無限の可能性を秘めた2人が
パリで世界の舞台へ飛翔!

――車いすバスケとの出会いは?

瑠莉:5歳のとき横断性脊髄炎という病気になって、突然に歩けなくなりました。体験会で車いすバスケと出会ったのが小学校3年生です。

:私は交通事故で脊髄損傷です。学校にも行けず、マンガに現実逃避していたときに『リアル』を読んで車いすバスケを知りました。そのタイミングでリハビリのOT(作業療法士)さんに誘われて小学校5年生で始めました。2人ともカクテル(現在の所属チーム)の練習に参加してたけど、曜日が違ってたんでなかなか会えなかったんですよ。

瑠莉:最初は、始めたばかりの子どもたちを集めたお泊り合宿だったよね。

:隣の席だった。本人たちより先にお母さん同士が仲良くなって(笑)。

瑠莉:そこからずっと一緒なんです。

:次世代からU25代表に行って、2023年U25世界選手権出場。今年のAOC大会の初A代表、大阪の最終予選、パリ出場…怖いくらい一緒やん(笑)。

瑠莉:ホンマや、なんで?(笑)

――車いすバスケのどこが楽しい?

瑠莉:迫力やぶつかり合いですね。私はバスケ車に乗ってコートに入ったら人間性変わるんで(笑)。

:暴れん坊です(笑)瑠莉は、絶対に無理やろって幅でも突進していくんです。「オラ~!」って行ってバーンってコケて、 チャージングを取られる。

瑠莉:私のファウルは頑張った証やと思っといて(笑)。

:でも、その無茶なプレーを時々成功させるから、チームの勢いが増す!

瑠莉:葵ちゃんは冷静な判断ができて堅実なんです。ハイポインターを活かしてくれるから、その考えを感じて中にパスを出すと点が決まるんです。

:みんなで考えを合わせて、プレーが成功した時の一体感は最高に気持ちいい。ディフェンスもそうですね。

瑠莉:チームのテーマが、地獄の40分間を相手に味わってもらうことなんで嫌がることをいっぱいするんですよ。

:カナダ遠征だっけ? 瑠莉は相手をコケさせて怒らせとったよね。

瑠莉:英語は得意じゃないけど、「フ●●ク」とか「キル」とか言われてるのは分かった。「ほな、サイナラ~」って感じで 無視して次にいったけど(笑)。

:戦術面ではいろんな約束事があって、めっちゃアタマを使うんです。

瑠莉:高校の数学よりムズい!

:比べもんにならんよ(笑)。

――2人そろってのパリ出場、初めてのパラリンピックで見せたいプレーは?

:私は障害の重いローポインターなんで、スコアに残らないプレーが多いんです。シュートを決めてるときコートの端で相手を止めてるみたいなプレー。

瑠莉:よくあるシーンです!

:それでチームに貢献したいし、そういう車いすバスケならではのプレーにも注目してもらえると嬉しいです。

瑠莉:私は、シュートです。戦術的にフリーになることも多いので、しっかり決めていきたいです。

:瑠莉は3Pも打てるし、右でも左でもシュートが打てるんですよ!

瑠莉:そして、激しいディフェンスですね。ファウルを恐れず(笑)、バチンと当たっていきたいと思います。

:そうだよね。私たちは挑戦者なんで、常に攻める気持ちで闘ってきます。

瑠莉:応援してくださいね!

前だけを見て挑み続ける!
その笑顔で未来を切り拓け!

小島瑠莉Ruri Kojima

大阪府堺市出身、大阪学芸高等学校1年生。5歳で横断性脊髄炎に感染し、後遺症で車いすに。2023年女子U25世界選手権に出場し、豊富な運動量でゴールを決めて活躍した。中学3年生で2024年1月にAOC大会において、A代表デビュー。

西村 葵Aoi Nishimura

奈良県生駒市出身、奈良育英高等学校3年生。10歳のとき交通事故で車いすに。2023年女子U25 世界選手権では、広い視野と的確なポジショニングでチームの8位入賞に貢献。2024年1月、AOC大会でA代表入りし、DFセンスを見せた。

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