新人賞

#074 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

佳作+月間ベスト

妄想暴走哲学少女(フィロソフィーメイデン)
47P
水田雅也(19) 福岡県
賞金40万円
佳作30万円+月間ベスト10万円
サンカクヘッド先生
後半にファンタジーになるのが物語に繋がっているようで浮いているとも感じました。読み手側は「依存症に悩む少女のギャグ」という入口から入り、出口は別の場所になってしまったような感想を持ってしまうので構成が勿体ないと思いました。ただ「名言依存症候群」という設定は見た事が無いので攻めていて良かったです! アイデアに独自性がありそうな作家さんなので今後も攻めた設定の漫画に挑んでもらいたいです!
編集I
タイトルから想像する展開とは異なり、割と素直な青春恋愛ストーリーという建て付け。シェイクスピア先生のギミックはあるものの、「名言」の効果は薄かった。各キャラクターは生き生きとしていて非常に人間味のあるものだった。ページ数はもっと減らせたと思います。
編集K
どうしてこんなにもパンチラに愛がないというかそそらないパンチラを書いてしまうのでしょうか。シェイクスピア先生の唐突なタイムトラベラー設定もきょとんとさせられてしまいましたが、パンチラはちと看過しがたいものがあります。名言暴走少女という設定も、それがうまく活かされておらず、ただの変なコの域を出ないので、用意した設定と物語がうまくかみ合うとよかったです。
編集O
こんな題材を選ぶほどなので、やはりセリフがきれているのがよかった。タイムトラベル話は蛇足に感じましたが、シェイクスピアのセリフはすごくよかったです。あれはあれで、別の作品が作れるかも。32P位にまとめられるように、ひとつひとつのシーンの意味とつながりを精査しよう。
編集K
名言からの引用だけに頼らず、言葉に対してしっかり向き合っていて、人物のセリフが生きていると思います。結果、キャラも思いの他、よかったです。物語の展開に唐突感はあれど、先生の言葉の強さで本物のシェイクスピアなのだということを感じさせようとしており、漫画らしいフィクションを押し通そうとするその意気もいいのではないかと。まだまだ粗削りですが、前作からの成長もあり、若さに期待…。次回作も頑張って下さい。
編集S
19歳でこの構成力は素晴らしい。知性もある。
編集N
名言依存症候群という作品とヒロインの根幹のアイデアが生きていない。ここでこの名言行っちゃう?みたいなコメディの部分をまず立てないと思いついたがうまくいかなかったという印象のほうが強くなってしまう。タイトルに偽りのない中身を。
編集S
掛け合いの雰囲気は良かったと思います。後半の設定は楽しむための難易度が高かったです。
編集L
台詞回しに非常に光るものを感じます。主役だけではなく脇役もセリフでキャラを立てようとしている姿勢が頼もしい。ただ、それだけネームがいいのに脚本をひねりすぎているのが勿体無い。15分尺のミニドラマを作るつもりで一つの要素にアイデアを絞って次回作は「一本道」を作ってください。
編集M
「名言依存症候群」という設定は面白かったです。シンプルで企画として成立しそう。ただ、その活用の仕方でつまずいている感じがします。もう少し面白い使い方ができそうなので勿体ない。シェイクスピアのくだりは唐突すぎて、かえって作品の軸がぶれてしまった印象。全体を通して詰め込みすぎな感じは否めませんでした。
編集I
女の子の「名言依存症候群」という設定は興味が惹かれたし、女の子のキャラクターや物語の展開にうまく結びついてよかったと思う。また、主人公の内面の成長もよくかけていて面白かった。先生が本物のシェイクスピアで過去から来ているというのは少し驚き戸惑いもしたが、それはそれで雰囲気があって良いのかもしれないとも思った。

期待賞

夏のモノローグ
39P
吉田優希(21) 神奈川県
賞金10万円
期待賞10万円
サンカクヘッド先生
21歳の作者さんなのに28歳の男性の心情を描いている所に人生経験の豊富さを感じました。キャラの表情やリアクション、力を抜いたデフォルメも描き慣れていて安心して読めました。ただページ数を使ったわりに星の正体に意外性が無かったのと、主人公が姉妹に与えられたものが伝わりづらかったです。キャラを作る能力は長けているので、構成がパチッと決まるとかなり良い漫画が出来ると思います!
編集I
お姉ちゃんのキャラが秀逸。一目で位置関係がわかるように構図にもとても気を配っている。読切単独のパッケージから飛び出せるような主人公キャラクターを作る段階だと思います。
編集K
ユキちゃんの病状の度合いがわからないので、抜け出したりすることの深刻さがイマイチ伝わりづらかったですが…子供に等身大の人間として接する主人公や姉妹2人のキャラクターなど、人物の描き方がとても上手な作家さんだなと思いました。
編集O
感じのいい作品。画力はまだまだだが、タイトルと時期もピッタリな感じで好感度が高かったです。
編集K
キャラや構成も平均値以上で実力を感じさせる。一方で、作品を手の内でまとめ上げようとする印象が見て取れ、非常にもったいなさを感じました。計算以上の感動を読者に与えるためには、作家自身が枠から飛び出ることが必要だと思います。シーンシーンの表情、絵力が弱く、もっと思い入れを持って、そして伝えようとする強い気持ちを持って、表現に挑んで欲しいです。テクニックから離れて、殻を破れた時に更に成長する力がある人だと思います。
編集S
やりたいことはわかるが、ゆるい。ゆるい雰囲気を好ましく描くことと、漫画の構成がゆるいことは、関係がない。ちょっと古いけど藤田和日郎短編「メリーゴーランドへ!」とほぼやっていることが変わらないのに、構成がどれくらい違うか、コマ単位、ページ単位で比較研究してみたらいかがか。
編集N
子供たちのキャラや様子もかわいいし読みやすい作品ではあるのだが、入院中の他人の子供を夜中に連れ出す青年の動機に感情移入させるには本人の中の妹の思い出だけではあまりに弱い。そんな子供のいうことを真にうけて安易なことをするのはやめてくれ、という気持ちのほうが勝ってしまう。ストーリーとして惜しい。
編集S
ご自身の漫画家人生の目標地と現在地を見極め、目標から逆算し、読切を描く前に、その読切を描く意味を常に考え抜いてください。
編集L
ネームが読みやすく、上手い。キャラは過剰だが、きちんとデフォルメされ、かつドラマとしての展開のテンポも良い。特に端折った印象もなく17Pに主人公の心情転換のコマを持ってこれるのは良い。絵柄の伸び代的にもストレートなコメディよりは、このユーモアとキャラを生かして大きな縦軸のある作品を志向してほしいです。
編集M
読者に嫌われないキャラづくりはできていると思いましたが、読者に愛されるキャラまでは今一歩かなと。話としてはスッキリとままっていていて、ストレスなく読めました。姉妹とのかかわりを通して、最後に主人公がしっかりと成長を見せる構成もいいと思います。
編集I
妹のことを大事に思っていて、一生懸命で、それでいて天然なお姉ちゃんが可愛らしくて良かった。また、姉妹を見守る青年の主人公の視線があたたかくて良かった。子供たちと触れ合うお兄さん的な感じでかっこよかった。ただ、最後の「前に進む勇気」というのが少しよく分からなかった。

期待賞

蛙と龍
45P
みずたまかせん(22) 愛知県
賞金10万円
期待賞10万円
サンカクヘッド先生
ギャグが多いのに暗い世界観というのが独特で良かったです! 後味が良くも悪くもない不思議なラストも個人的には好きでした! しかし、ページ数に対して話が薄いので中盤~後半にページを開きたくなる捻った展開が欲しかったです。個性がある作風なので、どんどん自分の個性を爆発させていって欲しいです!
編集I
不穏な空気を醸し出すまひるにも、読者を納得させる理由があった。冒頭とラストの演出など、構成がきちんと考えられている。少し癖のある絵柄ではあるが、社会問題、職業モノ、大人の恋愛モノなどには逆に親和性があるかもしれない。
編集K
会話のテンポやセンスは感じます。人物の作画が不安定なのが気になります。愛咲がまひるを信頼してるのはよくわかったけど、まひるの方が愛咲に依存してるのがなぜなのかが理解が届かず、凶行に至るまでの動機が判然としない読み味になってしまいました。
編集O
短編映画のようで面白かった。特に女性二人が仲良くしているシーンは、気持ちよく読めました。くず男をもっとくずらしい造形、しぐさで演出できるとよりよかった。後半たるくなってしまったので、前半部分だけで百合としてまとめてもよかったかもしれません、
編集K
オリジナルのキャラを作ろうとしている点はいいと思います。人間の関係性に着目して描くアプローチもいい切り込みだと思いますが、一方で話全体としては伝えたかったことがぼやけてしまったように思います。主観だけでなく、客観性も養い、次回作では伝える為の構成にも挑んで欲しいです。
編集S
大変才能はあるとおもうのだが、作者の世界が狭く、その小さい世界の話を過大にとらえて勝手にセンチになったりしているのが、もったいないというか、プロに遠いなと…。
編集N
高尚なようでいて人間のとらえ方が単純にすぎる感じはする。単純すぎる人たちの単純な物語であるなら、シナリオも素直にエンタメに振ったほうが良い。表情豊かで気になるデザインや演出ができるだけに惜しい。
編集S
想像を超える展開はありませんでしたが、楽しませようとする工夫が髄所に見られて、総合力は高かったと思います。
編集L
構成は面白いが、展開がもどかしい。感情移入できるキャラクターが不在の上、28Pまでのやりとりが退屈で、せっかく30Pからが面白く良い余韻が残せているのに普通の読者はそこまで読んでくれないなっていう作品になってしまっている。映画なら1時間半までつまらなくてもラスト30分が面白ければ逆転できますが、漫画においては起・承・転・結それぞれに読者を惹くポイントを作るよう意識してほしいです。
編集M
自分はあまり入り込めませんでした。2人が作中の関係性にいたるまでの過程が省かれているので、どうしても他人事としか捉えられず。展開も予想外な部分が少なく、やや地味な印象です。
編集I
登場人物の中にまともな人がおらず、あまり物語に没入することが出来なかった。少し感情が行き過ぎている気がして、登場人物の中の誰とも気持ちを共有することが出来なかった。また、物語を通して登場人物たちの中に変化があまり見えず、結局何の話なのかよく分からなかった。

期待賞

ルルギザピ
45P
中川一樹(22) 東京都
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
サンカクヘッド先生
普通に面白かったです! この後の2人の冒険を楽しみにしたくなる期待感もありました! タイプの違う2人のコンビが協力して乗り越えるのも爽快感があり王道漫画のポイントを抑えています! 45Pという長めのページ数でもバランス良くまとめていると思います。一つ難があるとすると、王道で攻めすぎているため個性が少し足りないと感じました。ファンタジーは作者さんの世界観や個性で作り出す物なので、自分にしかないオリジナリティを磨いていって欲しいです!
編集I
総じて展開がちょっと遅すぎる印象だった。絵は頑張って描いているけど、人物と背景の線の差がないのでメリハリがなく、キャラクターが埋没してしまった。
編集K
2人の、お互いの長所を尊敬し、足りないところを補い合う関係性は読んでいてとても心地よく、物語の展開とも合致していて、おもしろく読めました。作品の持つ明るさとか未来を予感させる描き方ができるところは武器だと思うので、次の作品も非常に期待しています。
編集O
45P描き切ったのはえらいがまだまだ粗削り。どこの部分を一番描きたいのか要素を整理しよう。
編集K
爽やかな読後感には好感が持てます。ただ、キャラクター同士の心の表現が固く、共感がしにくい印象です。キャラが感じていることをセリフで説明しようとし過ぎているのかもしれません。エピソードに対する微妙なリアクション、機微をもっと丁寧に掬い上げ、積み重ねてみてはどうでしょうか?
編集S
話は稚拙だが、謎に迫力があるのは、作者が素直なんだろうなと…。その素直さは、週刊連載には向いていると思います。
編集N
メイズライナーっぽい閉鎖された空間から試練を経て外に出る、という物語のモチーフ自体は良いと思います。いろいろ課題はありますがデザインを含めて読み手が気になるキャラ造形をしっかり作る必要を感じます。現状では無味無臭に近く気になる要素が人物に少ないので作者の箱庭に入りにくいと思います。
編集S
数多くの選択肢の中から、ヤングジャンプの賞をお選びいただき、ありがとうございました。
編集L
顔に描き込みすぎの上、全てカケアミなので画面のコントラストが激しすぎて生理的に受け付けない。22Pの4・5コマ目が一番バランスがいいのでこの描き込みをベースにきちんとトーンワークを覚えましょう。画面濃度の傾斜で見開きの中にホットポイント(絶対読んでほしいところ)を視覚化することができるとかなり読みやすくなると思います。
編集M
見せ場となるピンチの場面で、ご都合主義が顔を覗かせるのが引っかかりました。縄抜け簡単にできたりとか、急に読者の知らない書物の情報がでてきたりとか。ファンタジーとしても世界観がイマイチ。既存のアイデアにオリジナル名称つけただけな感じがします。鳳凰蝶のデザインは迫力あっていいですね。
編集I
村長は勢いがあって良かったが、村長以外は「義」に対する思いや臨む動機が少し弱いように感じた。そうした思いが弱く感じられる分、「義」というものがそこまで大事なものに見えず、盗賊が侵入してきた不安感や合格したときの熱い気持ちをあまり感じることが出来なかった。また、外の世界の凄さもあまり伝わらず、主人公たちが感じているほどワクワクできず、登場人物たちと読み手の感情にギャップがあったと思う。

[ショート部門]

受賞作なし。審査員をアッと唸らせる短編漫画をお待ちしています!!

#074 審査員メイド・イン・ひっこみゅ~ずサンカクヘッド先生

今回審査員をさせていただきましたサンカクヘッドです! 今回の漫画賞は独特な味を持つ作品が多く楽しかったです! それぞれ自分の味を磨いている最中なのを感じていて、ここからどう進化するのか、もしくは変化していくのかが見てみたい作家さん達でした。誌面に登場する日を楽しみにしています。

編集部総評

全体的に長く冗長な作品が多すぎる。せっかく出だしが面白いのにもったいない気がしました。ページを進むごとに予想を上回る展開を考えてほしいです。読者はページをめくるごとに新しい感動を期待しています。

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