新人賞

#062 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

期待賞+月間ベスト+初投稿賞

月下に吐いた僕の秘密君の嘘
34P
水田雅也(18) 福岡県
賞金23万円
期待賞10万円+月間ベスト10万円+初投稿賞3万円
横槍メンゴ先生
セリフや画面にオリジナリティを持たせようという気概を感じました。ただ、見せ場ではないシーンをあえて流し読ませるというテクニックをみにつけた方が、読む時のストレスが減ってテンポ感が良くなると思います。息づかいやどもり表現にこだわりというか手癖を感じましたが、それが逆にテンポを遮ってる部分もああるなと感じました。無くさないでほしい部分でもあるので、とにかくテンポを意識してください。
編集S
総合力でこれからだけど、「人物同士の距離感」(対ヒロイン・家族)を掴んでいるので、伸びしろに期待しています。
編集I
割と面白そうな雰囲気を醸していた序盤から、徐々にトーンダウンというか、狼男「ならでは」のネタがなかった。満月で変身する以上のことが狼男という設定から引き出されていない。思春期のみずみずしいやり取りは作者の年齢からか非常にリアリティを感じたので、この感性は伸ばしつつ次作に取り掛かってください。
編集K
狼男がバレるかも…というシチュエーションが、2回とも香山ちゃんとの対峙(告白)シーンというのは変更してもよかったのでは。なにか変なポテンシャルは感じるので、次回を期待しています。
編集K
シーン作りをしようというところは好感が持てます。ラストの告白をしようとする絵作りへのこだわり、今後も続けて欲しいです。今回はストーリー、キャラ、アイデア、演出ともに予定調和の枠の中に収め過ぎてて、読者をドキドキさせる要素が足りなかったように思います。是非、次回作、頑張って下さい。
編集S
画力と出力の仕方に難あり…。話も超ベタなところから、はみ出すところがないなあと…。コマ割りの大胆さ(30、33P)とかはかっこいいなと思います。18歳、若さに期待します…!
編集N
やたらヒロインが重い女だなと思ったら最後を腕力でクリアするためか、という意味では腑に落ちたけど、お話しとしてそれでいいのかなというのはある。それなら狼男でも好き、というヒロインを主人公にしてしまったほうが良かったかもしれない。
編集Y
画力の課題を抱えていますが、ミニマムな作りの中でよく描けていると思います。最後のオチが自分的には納得いくものではありませんでしたが、これは好き嫌いでしょう。18歳ということで期待大です。たくさん描いてください。
編集O
主人公が超えるべきハードルが、気持ちの上の問題でしかないので、具体的なカタルシスが得難い。画力にまだ難があるが、表情にこだわりがあるのはとてもいいと思うので、どんどん描いていって欲しい。

期待賞+審査員特別賞+初投稿賞

IOWA
45P
荒川剛志(19) 愛知県
賞金23万円
期待賞10万円+審査員特別賞10万円+初投稿賞3万円
横槍メンゴ先生
伝えたい雰囲気や世界観の空気はひしひしと伝わってくるのですが、兎に角わかりにくいです。読み切り1本にはいるテーマや設定は意外と少ないということを念頭に作ってみてほしいです。荒川さんのなかでは出来上がった設定があるのでしょうが、その中でも伝えたいテーマに必要な部分だけ抽出する工夫をしてください。
編集S
アニメと漫画の違いは秒あたりの情報量です。よってアニメの佇まいで漫画を作っても、伝えるべき情報が「コマ」単位では伝わらず、読み手にストレスが蓄積する結果になります。
編集I
伝えたい事、世界観の10分の1も読者に伝わっていないのがもったいない。設定・アイデアに面白さがありそうな印象もあるので、まずはSFの基本を。
編集K
すべてが雰囲気で描かれている上に表現したいものは高度なんだけどそこまで画力が追いついているわけでもない…という感じなので、描きまくって再チャレンジを。
編集K
まずは自分の頭の中にあるイメージを作品にしてみたいという感じかと。全体の雰囲気は分からなくもないが、刺さっては来ない。雰囲気を伝えるのに、全てを曖昧にすると伝わらない。次回作では具体的なポイントへの絞り込みを意識して欲しい。それを意識することが作品が読み手に向けて描くものだということに気付く一歩になるのではないかと思います。目力がもっと強まると更によいかと。構図やコマ運びにストレスがない分惜しいです。意味深な部分と、はっきり答えを提示する部分のコントラストが欲しいです。全体的にもやっとした描写に感じてしまいました。
編集S
管理された若い「特殊な実験体」が、大人の管理を逃れて自由を手にする、というSF読切は若い作家の定番テーマで、それを選ぶのは自然なこと。大事なのはキャラとアイディアと熱量。今作には熱量は感じる。アイディアの「日記で逆転」は弱い。キャラは普通で印象に残りにくい。モノローグの配置やせりふ回しは上手なので、期待したい。
編集N
外とはなんなのか、この子たちは何者なのか、こういう作りにするには興味をもたせるポイントが少なすぎる(キャラクターやデザインなど)。たくさん映画や専門書などを見て想像の引き出しを広げてほしい。
編集Y
特別な何かを感じるさせるものはないが、読みやすさという点ではそれなりの工夫が随所にあったと思います。伝えるべきものを伝える技術、またはそんなものを吹き飛ばす強く鋭い個性を磨いていって欲しいです。
編集O
描きたい雰囲気は伝わるけど、物語が気にならなすぎる印象です。序盤の作りをもっと丁寧に導入し、キャラクターと世界観に没入させないと、読んでもらえないかと。画面作りとコマ割りはセンスを感じました。

期待賞

流儀の女
34P
伊藤樹生(24) 静岡県
賞金10万円
期待賞10万円
横槍メンゴ先生
完成度が高く読みやすかったです。絵も上手くて安定してます。あとは雑誌に載った時に勝ち抜くために「これ」という武器が必要なので、ギャグならギャグ、シリアスならシリアスと突き抜けてもいいかもしれません。ギャグ路線にふるのであれば、絵だけで笑わせられるカットが連続した方がいいと思います。画力があるだけに色々出来そうで迷われると思いますが、ジャンルを絞るのはおすすめです。
編集S
この作品で最も読みたかった部分は「なぜ主人公は依頼人(ケンジ)を気に入ったか」。「殺さず」の流儀も理由がハッキリしていない。要は、バックボーンが不明の主人公に乗っかれないので、そこに注力を。
編集I
キャラクターを作ろうとする姿勢は評価できるが、この特徴的な外見を持ったキャラクターを活かしきれていない。ケンジを出したのも主人公が弱まった。流儀を主題にするならもう少しキャラクターを見せることを重視した構成の仕方があったはず。あと、主人公のバストアップの決め絵はあったほうがいいです。
編集K
ミーちゃんの筋肉がすごいのはわかるが、オノや銃弾が効かないほどなのはなぜかとか、不殺の流儀は何に由来するのかとか、根本的な部分が置き去りにされていて消化不良感がもったいない。ケンジのキャラも中途半端でもう少しひねりがほしい存在だった。
編集K
キャラを掘り込もうとしているが、みーちゃんを説明しようとして、説明的エピソードを作り過ぎていて、もったいないように感じました。作家の中にある熱量あるエネルギーが何か少し空回りしているかのような印象です。ビジュアル含めて、読者が想像をして身構えてしまっているので、もっと予想の斜め上を行くシーンが必要なのかもしれません。
編集S
かなり歪なつくりだが、パワーで押し切ってしまうところは、好感が持てる。次回作、なにかバカバカしくも勢いでいけるハマりネタがあれば…!
編集N
流儀として、気に入った人間の依頼しか受けないという点が強調されるけどもどこらへんが気にいったのかがよくわからないために、キャラクターに対する期待度があがりにくい構造がある。鉄砲玉の人も単体で強いし。圧倒的な暴でしか突破できない障害なども含めてキャラクター配置のコントラストをもっとつけると良いと思う。
編集Y
頑張って描いていると思います。好印象です。こういったタイプの作品であれば個人的には①笑わせるセンス②キャラの掘り下げ(アイデアの掛け算や意外性の創出)のどちらかを重要視してみていますが、①は作風的に難しそうで、②に関していえば、喰い足らないかな…という印象です。②に関してもう少し粘ってほしかったです。
編集O
技量と楽しませ方はレベルにあるが、もう少し主人公のことを描かなければ、作品の魅力を伝えきれない。アイディアも、もっとバカバカしく、みていてひたすら気持ちよくなるモノを思いつくよう汗をかいて欲しい。キャラと構成を精査できればそれで次のステージの人だと思う。

期待賞

カミワザブレード
50P
モリマサヒロ(21) 茨城県
賞金10万円
期待賞10万円
横槍メンゴ先生
キャラクターが立っていてよかったです。ただ何ジャンルとして読み手がどう楽しめばいいのかが少し迷いました。美少女無双ものとして振り切ってみて欲しかったです。(仮ですが、その場合はお色気要素を足すなど)さらなるサービス精神に期待します。ここまでキャラや能力の意外性で魅せようとするらば舞台設定はあえて現代でも際立って良いのではと思いました。
編集S
設定・アイディアに際立ったものはないけど、「無駄嫌い」の主人公のキャラクターは立っています。ファンタジーではなくて、学校などの日常舞台で活きてきそうです。
編集I
村のくだりが長いのと全編を通して幼さが目立つが、多少乱暴だとしてもラストのオチで読者を驚かせようとしていて、そこは好感触。癖のある主人公に興味がわいていく分、それに見合うだけの情報がないのが残念。構成的に平板なので、見せる部分と物語を進行させる部分のメリハリを意識したい。
編集K
惜しい…教団や異能、超ロングブレードなど用意してある設定が甘かったり活かしきれなかったりで、期待するほどの読み味が出ていない。刃が欠けてたりするところなんかは、意味付けと活用が上手くできればもっと使えそうな要素なのに…
編集K
キャラを立てようとして掘り込もうとしているが、実際にストーリーで動かした際にキャラ独自の行動によって、ストーリーを動かしてはいない。このキャラでなくても正義感のあるキャラなら、教皇を倒すストーリーになってしまいます。その意味でキャラが弱いと言えます。「死さえも置き去りにする」というのがセリフ的な引っ掛かりどころとなってはいるが、50Pかけてだと、正直コストパフォーマンスが悪いかと。
編集S
話は、異能の設定がおおざっぱすぎるけど、いろいろ考えるのは好きそうな作者だと思います。「遺伝子レベルの連帯責任」とか、ところどころセリフも面白い。絵は要鍛錬。
編集N
強引な感じもあるがキャラクターを起てようという意志を評価したい。合理的合理的を口にしまくるヒロインが地道に一本のブレード研ぎあげて使ってるのは実は合理的でもない、その点に何かドラマを入れられるとよりよかった。ただ、「異能」ではない、と言い切るには無理があるスペックでもあるので、その点もフォローはほしかったところ。お話しとアイデアを融合させる技術を鍛えよう。
編集Y
個人的には美少女無双もの(?)として、もう少し振り切って欲しかったです。主人公のキャラデザ(現状、男性層を狙っているとは思えない)、無双演出強化で大分読み味が変わってくると思います。
編集O
キャラと設定に意識があるのはいいが、長いし、絵がどうしても気になってしまう。あと、意識はあると思うが主人公のキャラクターに感情移入も憧れもできない。雑魚敵のちょっとしたセリフなどにもセンスというか面白味があるので、あともう一粘りしたネームに取り組んで欲しい。

[ショート部門]

受賞作なし。審査員をアッと唸らせる短編漫画をお待ちしています!!

編集部総評

今回は原石という意味で魅力を感じる作品は多かったものの、キャラ・演出・構成・画力・ストーリーのどれかが大きく欠けているという点も目立った。また、そういう意味でその欠点を補って余りある武器を有している作品は、残念ながら現段階では見当たらなかった。自分の描きたいモノ・武器は何なのか。そこを精査し、絞り込み、磨きをかけることが、最終的に漫画としての総合力のアップに繋がるので、その点を意識し次回作に取り組んでいって欲しい。

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