新人賞

#070 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

月間ベスト+期待賞+審査員特別賞

窮鼠と竜
42P
田中チヌ(27) 長野県
賞金25万円
月間ベスト10万円+期待賞10万円+審査員特別賞5万円
橘賢一先生
楽しませようとする意思はとても感じました。ただそれが詰め込まれすぎていてクドいので、ネタを厳選してもう少しさっぱり、シンプルにさせてよかったのではないかと。個人的には今回の中で一番好きです、くだらなくて。
貴家悠先生
ガラスの向こうからのパンチは男のロマンですよね(+1点)。もう一度申し上げますが、ガラス(もしくは格子)の向こうからのパンチは男のロマンです(さらに+1点)。ヤンキーバトルなのかギャグなのかそのミックスなのか終始分からないまま距離を測り兼ねているところにラストの捲りで作者さんに紙の向こうから殴られた気分でした(爆笑)。欲を言えば、この作品を中盤まで支えているのは主人公のベタなギャップと独特のノリもそうですが、何よりそれらは主人公の強さがあっての物種なので、もっとキャラデザインを花山さん…とまではいかなくとも鬼塚(ろくでなしブルースの方)くらいにした方が全方面にメリハリが出ると思います(勿論、見た目自体がギャグにならない程度に)。あとハムスターの値段繰り返すところ笑っちゃいました。安いですよねぇハムスター…。この感覚はたまに動物園に行くと映画や水族館と比べて安すぎてちょっとヒく現象に似てますね…。
編集S
整っているけど、各キャラクターの構成要素が中途半端で盛り上がりに欠けています。ペットというポイントに絞り込み、無駄な要素を削っていければ、と感じました。
編集I
結局死んだのか生きてたのかどっち!?この作家しか持ちえない独創的な展開とオリジナリティあるアイデアは中毒性があるかも。ギャグとシリアス(になりそうな展開)の混在がちょっと中途半端だった。ギャグに絞って正面から挑戦してもよいのでは。
編集K
作者のヤバさはビンビンに伝わってきますが、3回目でも前回(筋肉とデスゲーム)以上の光るものが感じられるような作品だとよかったのですが…この作者のアイデアの突飛さと、マンガとしての折り合いの部分をうまく方向づけられないと、いつまでもこれの繰り返しのような気がします。何コレ?!?で終わらないで、何コレ?!?でもおもしろい!に引っぱり上げてください。
編集K
キャラにしっかりアクセルを踏んで表現できていて、パワーを感じます。ギャグ漫画なのか、ストーリー漫画なのか、中途半端なのがとにかくもったいない印象です。ギャグで攻めるなら、もっと短く刈り込んでギャグの精度を高める。ストーリーにするならもっと構成をしっかり作る。絵で楽しまそうとするサービス精神豊富な点は非常にいいと思います。まだまだよくなるはずなので頑張って欲しいです。
編集S
作りがガタガタしていて、いまいち入り込めない…ギャグなのか、学園喧嘩者なのか…わざといろいろ混ぜるのがいい感じ、というところまで消化できておらず、散漫な印象だけが残る。
編集N
ごちゃっとしていてネタ的な部分とキャラクターの統合にまだ難はある感じはするが新人らしい勢いがあって個人的には好き。強引なキャラ立てみたいなところからもう少し続けて読んでいけるキャラ像の構築までいけると良いと思う。
編集Y
マジで読めばいいのか、コメディとして読めばいいのかまったくわからない不安定な状況のまま、「結局順子は死んだ」が投下され、爆笑しちゃいました。コンパクトにすると、良い部分が潰されてしまうのはわかりますが、それにしても冗長なので、もう少し短く楽しみたかったです。セオリーだと、細かいツッコミも必要ですが、この作品に限った読み味を優先するなら、いらないのかもですね。
編集L
「その後順子は死んだ」をぶつけてくるセンスには敬服しますが、前作からの成長(しようとする意識)があまりにも見られない。ヤングジャンプで連載している自分を想像し、今の自分との差を意識すればこのようなものを3作描くことの愚かしさは自ずと分かるはず。次回作は20ページ以内。キャラと企画をガチガチに固めて、笑いの手数で勝負してください。

期待賞+審査員特別賞

NEWAGE
49P
稲熊七瀬(21) 愛知県
賞金15万円
期待賞10万円+審査員特別賞5万円
橘賢一先生
なんとも言えない迫力はありましたが、画力のせいでギャグに見えてしまう部分がおおいかなと・・・。後半のなんとも言えない感動もあるので中身をシンプルに画力を磨けば化ける可能性は一番あるような。
貴家悠先生
面白かったです。実際にトラウマやその原因に対しては「許さないという決意表明」を先ずシッカリと行わないと、(最終的に許すとしても)まさしくこの作品の世界の中にいた敵やそいつらが出してるフナムシみたいなのが残ったままになってしまい、それが一生「(単に許しても)身心に残って」身体の不調として顕れるそうですね。アメリカの医学は進んでますわ。……っていうテラフォーマーズのナレーションで書いてそうな事を(笑)ダークなはた●く細胞風に表した世界観はGood Godです。
残念なのはやはり扉絵。挑戦的で一瞬僕も「オッ!?」と思いましたが、全体を読んだ後だとやっぱり黒い意味無いよなぁ……と思いました。毎年言っている気がしますが、扉絵というのはお店の看板や外観のようなものなので、「これから『超ダークでロックなはたらく神経細胞』やんぞオラ!!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!!」と、一番時間をかけるつもりで伝えましょう。時間が無い?そんな時はレッド●ルなんて飲んでないでアメリカのボディビルダーが使うカフェインが300mgとか入ってて一酸化窒素配合で毛細血管を少し広げて強制的に気合が入る「プリワークアウトドリンク」をラスト4日常飲しましょう。Amaz●nで買えます。
もひとつ真面目な事を言うと、やはりコマの大きさのメリハリ(決めゴマは『必ず見開き』くらいのつもりで。逆に小さくて良いところはとことん小さくしたりいっそ省略しても案外伝わります。バレません。)に思い切りがなく、読ませるリズムもやや単調なのが課題ですね。可能な限り左下の最後のコマには『続きが気になるコマ』を置くとか、又は右上の最初のコマは大きくとってビックリさせるとか、小技ですが決してないがしろにしてはなりません。
主人公同様やや神経質で全コマが丁寧で窮屈な印象もあるので、もっとあらゆる意味で思い切って良いと思います。まずは毎日全裸での四股100回から始めましょう。太腿とケツがラグビー選手のようになれば、自然とコマ割りにも思い切りが出ます。真面目な話です。俺を信じろ。
編集S
面白いアプローチですが、「始末屋」を支える「気力玉」の出どころと現実世界を結びつけなければ、ご都合展開に見えてしまうおそれは拭えません。
編集I
脳内版「はたらく細胞」といったところでしょうか。身体と違い物理的な現象がない精神世界だけに難しい挑戦だったが、心療内科的な症例をもっと出して蘊蓄感を増したかった。絵柄も内側のバトル領域が稚拙で幼く、個人的には外側の世界の方が気持ち悪くて印象に残った。武器の包帯も必然性があるとよかった。
編集K
よくわからん漫画かと思ったらそうでもなく、人の精神世界の擬人化というか、トラウマの克服であったり自身の持ち方の話でした。この絵が読者にとってキャッチーかどうかは置いといて、自分の絵柄と作風をよくマッチさせてると思います。
編集K
リアル描写と精神世界の絵柄を分けて描くアイデアは面白い。ただ、全体の話がそこのアイデアの一つ押し過ぎて、単純になり過ぎてしまった気がします。着想や設定だけで走らず、しっかりと登場人物のキャラ立てを行い、セリフにこだわり抜いたり、キャラの行動で物語を分岐させて欲しいです。そのプロセス部分が頁をめくっていく時の面白さになるのだと思います。
編集S
精神の「病」と向き合うと描くと、けっこうデリケートな問題になるけど、映画「インサイドヘッド」くらいの感じで「心の中」で戦うものたち…くらいに表現を調整できればと。連載にはなかなかしづらい作りですが、結構好きです。
編集N
ユング心理学の本とかを読んで欲しいというか。精神世界の番人というのは本体のどこかしらの部分を象徴し、本体自体の心の力とリンクしていないと切り離されてしまう。主人公と中で戦ってるキャラたちが関係なさすぎるのは立て付けとして惜しい。
編集Y
主人の行動と始末屋の感情がリンクしないので、(話の構造はわかりやすいのですが)、やや置いてきぼりになってしまった印象です。主人の特殊な行動と始末屋の仕事、この絡みさえ上手くやれば、自分的にはもっとハマれたと思います。
編集L
「脳内ポイズンベリー」的な世界観と「アウターゾーン」的な世界観の差異を無視して設定を作っているために世界のサイズ感がめちゃくちゃ。「精神領域」「包帯」と言ったモチーフの掛け合わせも根拠がないため全体として「物語」になっておらず、アイデアとシーンをばらまいただけの印象になってしまっている。絵も前作からほとんど伸びていないので厳しい評価です。

期待賞+初投稿賞

ポリスポゼッション
44P
坂彩人(20) 神奈川県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
橘賢一先生
読み切りとしては一番形になっていましたが、逆にどこか突出したところはなかったかなと・・・。絵に関しては、線の強弱をつけるとより良くなるのではないでしょうか。
貴家悠先生
犯人手っ取り早く「弟」にしてしまう事でシナリオをギュッと縮め、持ち霊たちのキャラ見せにページを割いたその采配、5億点です。意外とこういった取捨選択が出来ず序盤でもたついてしまう新人さんは多いので、初投稿の時点でこれは1歩リードどころか102歩リード位してます。そして「決めゴマは見開き」!!これを多少強引であっても敢行するその思い切りもGood Godです!!
ただ、全く個人的な好みであって坂さん的には重要じゃなかったのかも知れませんが、最後に助けるのはやっぱり主人公の人格であって欲しかった…!!こう、放火魔が憑依したと見せかけておいて助けた後で「記憶が無くて……いつもみたいにゴスが助けてくれたんだ…」(本当は煙で朦朧としていただけ)で当のゴスは「えっ部屋行ったらすぐ逃げたよ……ていうかお前らマヌケマヌケ言うけど焼死ってガチのマジで苦しいんだぞ??」「えー…」みたいな……みたいな…!!
あとせっかく最初にドーンと出てきたカリスマ殺人鬼と、弟の犯行動機がイマイチ生かされていないのがすごく勿体なかったです。マイナス2億点です。あそこはラストにオネエの人格で登場する時に主人公の顔にでっかく五芒星のメイクが施されているべきでしょう。
「なんか見に来てたみたいで気に入られちゃって…」
「っていうかそんなんだったのあの人!!!???」
みたいな……みたいな!!!!
……まぁこういった小技はとにかく数をこなせば身につくので、とにかくあとは3か月に一本のペースで「世紀末リーダー伝たけし!」を読む→ネームを一本描き上げる→ドラゴンボールを読む→ペン入れひたすら反復です。がんばってね、期待しています。
編集S
キャラクターの素材を使いきった構成力は立派です…が半面解決ありきの強引な展開にも思えました。次回作は素材の数より質で極めていってほしいです。
編集I
憑依体質と3重人格の定義が曖昧で、モヤッとします。主人公の意志が最後感じられたのは良かった。外国が舞台で外国人にする設定は、必然性がなければデメリットも大きいと思います。別に日本でも同じことができたのでは。
編集K
刑事に各種犯罪者が憑依する設定は面白いと思いました。ただ、弟による誘拐から救出までのところが冗長でダルく、そこまで面白い展開もないのがもったいなかったです。せっかくの設定が活かせてないというか…いろんなパターンの犯罪者を取り込んでいくスタイルは可能性を感じます!
編集K
8Pのような絵は非常に印象に残るものがありました。一方、憑依型キャラとしているが、憑依してくるキャラがテンプレの域を出ず、全体として残念なものになってしまったように思います。キャラを作ろうとしているはずなのにできていないことにより、キャラで話が動かず、ストーリー展開が強引なものになってしまった。まずは一人の人物をもっともっと掘り下げ、体温のこもった人間像をしっかり作り上げるところから始めて欲しいです。
編集S
まだガチャガチャしているが、主人公のキャラたてをしようとする意志を感じる。3体を具現化してみせたタチキリのページは印象に残って良い。
編集N
仮面ライダーゴースト的でアイデアは面白そうだけど、実在の犯罪者とかでもよかったような気がする。問題解決にどの程度頼もしいのか期待値のあげにくい憑依対象であるため、もう一歩ワクワクさせるに至らなかったのが残念。
編集Y
なんとなく雑多な印象をいろんなシーンで受けますが、それなりのアイデアをきちんと漫画に落とし込んで、やりたいこと、自分が面白いと思っていることを形にできているので、20歳という年齢を考えても十分ではないでしょうか。画も上手い。絵柄は安定してないけど、ちゃんと寄せていく方向を見定めれば、まだまだ武器になりえるところまで引き上げられる気がします。
編集L
設定はキャラクターを魅力的に見せるためにあります。その主従関係を履き違えてしまっている印象。自分が描こうと思うジャンルの先行ヒット作を最低10作品読み、フォーマットを研究した上でプロットを作って欲しいです。

期待賞+初投稿賞

神隠し
21P
色柄すう(19) 岐阜県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
橘賢一先生
不思議な雰囲気で女の子も可愛いと思いますが、個人的に話があまり・・・。出来事が唐突すぎるのでもう少し話の入りの部分と、キャラの掘り下げが欲しかったです。
貴家悠先生
ほんとうに「いただきます」「ごちそうさま」が心から言えない人が増えましたよね…。まだまだ粗削りな部分はたくさんありますが、取りあえずこれは京アニに依頼してアニメ化して世界に発信しましょう。
話は逸れますが、僕が大学のころ留学生の友達(なに人か忘れた)に日本の「それ」と、彼らが食べる前にたまに言う「Thanks for meal」と何が違うのかという話になったんですけど、彼は最後まで僕(日本人)の言う「命を頂いているんだから…」的な考えというか、発想そのものにピンと来ていない感じでした。どうも彼の国(忘れた)では有蹄類と硬骨魚類と果物は「人間の食料として神様が創ってくれた」という発想らしく、だから「Thanks」も神様に対して言っていた訳ですな。
つまり何が言いたいかと言うと、様々な思想入り乱れる戦国時代と言っても過言ではない現代に敢えて、敢えてこの作品はYJ原作であることは隠して京アニでアニメ化してトランプ大統領の中指の如く全世界に発信しましょう。I'm serious.(私は正気です)
ラストの、重視するのが「型」から「気持ち」になったのもきちんと伝わりましたよ。
編集S
ショート作品的なイメージ先行の読み味ですね。次回作で因縁や必然を盛り込んだストーリー作りを目指してください。
編集I
3Pめと他のページの絵のギャップが大きすぎた。3P目のタッチを追求してほしい。話としては核となる展開しか描いてない印象です。5Wがないままでは読者は面食らってしまうだけかと思います。描きたいことテーマがあるのにもったいない。
編集K
描かれてないがチラッと出てくる、気になる設定がまぶしてあって、でもそれがわからないからお話もわからない、ではなく、もっと読みたい、知りたいにつながっていくので、力のある作家さんなのでしょう。手順であったり、整え方であったりにこだわるところは、隠し神さんのぶっ飛んでるところですね。
編集K
丸いお団子、可愛い描写で描かれる「人にとっての残酷な物語」。そのギャップが生むのは、まさに種が生きる為に行う捕食行動の無慈悲さに感じました。ストレートに命の大切さを感じる読み方もあれば、魚をきれいに食べて骨を寄せる食べ方のような描写すら捕食者の偽善であるかのように問いかけられている気もしてしまいました。物語としてはもう一歩進めてエンタメにして欲しいと思いますが、よく似たテイストのものとは一線を画する存在感があり、19歳、21Pというのも可能性を感じさせます。
編集S
能力の紹介で終わってしまっていて、それがキャラの面白さにつながっていないのが残念。可愛らしさと残酷さのギャップの1点で押し切るだけでは、ちょっと食い足りないなと。
編集N
残酷童話風味ではあるけど、売りにできるほどの何か?という点までは突き詰められてはいない。ファンタジーではなく共感ある寓話を目指してほしいところ。
編集Y
ソウマトウ先生!?と扉に驚きました。あとなぜ線が潰れて見える?わざとでしょうか??内容は個人的に好みではありませんが、ちゃんと纏まってはいるので、次作の打ち合わせ次第ではないでしょうか?柔軟な方であることを願います。
編集L
安部公房関係ないじゃんか。絵はキャッチーで、伸びしろも豊富に感じる。セリフもストレスが少なく、シンプルにキャラにフィットしているので読みやすかったです。この手の話のコアは「倫理」にあります。「隠し神」の中にある倫理を「球体」というモチーフに昇華する手続きが雑だった印象。

期待賞

SUN
38P
由良航(24) 東京都
賞金10万円
期待賞10万円
橘賢一先生
絵は非常に頑張っていますが細かすぎて逆に見づらく、迫力も無くなってしまったかなと・・・。それぞれのページ、コマの中で見せたいものをメリハリをつけて描くとより良くなると思います。空白をうまく使えるといいですね。内容も意味訛りないわかりづらさがあるので、もっと読者にわかりやすくした方がよかったかと。
貴家悠先生
見開きの空のメインディッシュっぷりは伝わりました。全体的に完成度が高く、よくできたSFです。サイエンス・フィクションという意味ではテラフォーマーズより遥かにサイエンスに対して真摯に考えられています。ただ、SFを描いて来て下さる方々で度々残念なのが、「設定」が一番前にきてしまっている、ということです。
設定は何処まで練りこんでも設定、つまり「舞台」でしかありません。人が舞台を見に行くときは、見たいのは舞台のカラクリ(だけ)ではなくその上で繰り広げられるストーリーと、キャラクターやそれを演じる役者たちの魂でありましょう。
皮肉なことにSFは特に舞台の説明にページを取られがちなので、ある意味他のジャンル以上にストーリー・キャラクター・テーマが大事になってしまうのです。難しいね。おじさんもまだ出来ない。
こればかりは小さな工夫と大きな工夫を可能な限り習得していく他ありません。
例えばよく新人さんに見られるのが序盤のページで「キャラクターがナレーションっぽいこと言っちゃう現象」です。これはセリフを
「最後の人類が旅立った……か」
「やっとこの汚染された空気ともオサラバだ」とか
「だから我々は地下生活を余儀なくされて……」→「お前みたいなアホがポンポン死ぬから地上に向かうのは禁止されたんだよ!」
……みたいにチョットだけ変えるだけでグッと説明っぽさが無くなります。どうしても説明っぽいセリフになってしまうならナレーションにしちゃえばいいのです。少しくらいならバレません。飽くまで「紙の中には一つの世界線があって、そのなかの人が喋っているのを隠し撮りしている」という意識を忘れてはいけません。
大きな工夫としては、せっかく「ダサい・ダサくない」という主軸があるので、序盤でダサかっこいいロボが出る時点でコマの大きさをケチらずに、でんぢ〇らすじ〇さんばりのテンションで4ページブチ抜いて登場した挙句
「どうだ!ついに完成だ!!」
「……ごめん、暗くて全然分からんけど(一転、本当に絵を暗くする)手にパイルっぽいのついてるだけだよね??」
…とかやれば、終盤の太陽との対比が大きく際立つ筈です。使った4ページ分は…意外と他の説明とか「要るのか要らないのか迷ったページ」とか全部カットしちっても大丈夫です。バレません。
長くなってしまいましたが、一言で言うなら「作品の“世界線(ナカ)”にカメラ持って“舞踏(ダイヴ)”しろ」という事ですね。あとサンちゃんは貴家おじさんのどストライクなので、是非また来期や増刊でお会いしたいです。やっぱりキャラクターですよ!
編集S
設定・未来観・キャラクター造形の調整に不具合が目立ちますが、好きな世界観とキャラクター楽しくを描いている印象を受けました。気になるのはキャラ同士の一歩通行な掛け合い。癖にならないよう指導して下さい。
編集I
一言でいえば説明不足。状況説明の地ならしが必要だった。核爆発のくだりなどSFとして読者を納得させられる展開ではなくて残念。時折入ってくるボケ(ギャグ)が芯を喰わないのも残念。
編集K
ラストのビデオメッセージの当たりくらいからはおもしろく読めましたが、この世界観や設定等はいまだ不明です。よくわからんというか。とはいえ、強引でも読ませる力があると思いますので、次作はもっとシンプルなテーマにチャレンジでもよいかと。
編集K
手間のかかる機械装置を緻密に描くパワーは驚嘆。世界観や機械にオリジナリティがあるともっとよかったかも。ただ、キャラを含めた人間描写が凡庸で、キャラらしさを表現するオリジナリティ溢れるセリフや表情描写の不得手さが非常に悔やまれる。まずは人間に興味を持ち、他者に興味を持ち、読者に興味を持って欲しい。その視点を強化した次回作をとても楽しみにしています。
編集S
SFの細かいところはおいておいて、丁寧な書き込みと、ラストの盛り上げ方に好感。いい感じに成長してきているのではないでしょうか。
編集N
絵の精緻さに比べてお話しが大味なのは難ありではあるけども、それでもこの手の作品を40P以内でまとめた引き算は評価できるポイント。メカや世界観なども含めてすごく新味があるわけではないが大事にしてほしい作家。
編集Y
①エクスアームを彷彿させる作風②デザインはともかく緻密なメカニック③描きつくされている舞台やテーマで、オリジナルの部分では目を見張る部分があまりない④伸びしろがあるのかどうか
編集L
「読切で」「キャラの弱い人たちを」「横軸で動かす」という行為がどれだけ読み手にストレスを強いるか、ということに気づいていただきたいです。絵は非常に伸び代を感じますが、顔が描けていないので重点的に伸ばして欲しいです。ついでに言語センスが絶望的なのでたくさん本を読んでください。

[ショート部門]

受賞作なし。審査員をアッと唸らせる短編漫画をお待ちしています!!

#070 審査員テラフォーマーズ橘賢一先生

いろんなテイストの作品があり、楽しく読ませていただきました。毎回言っていますが、やはりもう少し読者のことを考えてわかりやすさ、見易さを意識して描いて欲しいなと。話の導入がわかりづらく、話も絵も独りよがりな部分が多く目についたので…。頭に??がついたまま読み進めることが多かったです。話も絵も余分な物をそぎ落としスッキリさせると良いのでは?

貴家悠先生

去年か一昨年も同じ事を言った気がしないでもないですが、皆さん基本的に漫画をカタチにする力は充分あると感じました。ストレスなく、普通に読み切りとして読むことが出来ました(漫画を初めて描いてみると分かりますが、これだけでも相当なものなのです)。ただそれだけに、よく言えば優等生的、悪く言えば娯楽物を作ろうというのにテンションが高くないような気がしたのが残念です。YJを開いてBUNGOやリクドウを読んでみて下さい。何だかよくわからないけど先生のハァハァゼェゼェ言ってる音が聞こえるでしょう?ゲロ吐くほどハァハァ言うのは原稿締め切り間近だけでなく、ネームの時点でハァハァ言いましょう。皆さん基本的に漫画は描けているので、後は当たるまで数をこなすか、何かの拍子に人格をぶっ壊す(される)事できっと道は拓けます。

編集部総評

決定打には欠けるがいい線まで来ている作品が多かった一方、主人公の属性に関して浅薄な印象も全体として強かったです。主人公の構成要素について、たくさんの要素を重ねていくのも一つの方法ではありますが、特に新人の段階では一点に絞って掘り下げるほうが将来的に有効かと思います。

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