新人賞

#068 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

準入選+月間ベスト+審査員特別賞+初投稿賞

山犬抄(やまいぬしょう)
55P
有馬シ記(21) 新潟県
賞金73万円
準入選50万円+月間ベスト10万円+審査員特別賞10万円+初投稿賞3万円
松原利光先生
21歳とは思えないクオリティとセンス。描けるものの幅広さに驚きました。アクションもカッコよく描けています。人と物の怪の価値観の違いをもっと見てみたかったです。
編集S
セリフ回し・細やかな演出が新人作家とは思えないほど秀でています。今後、執筆経験を重ねて洗練されればプロになるまでそう時間はかからないと思います。
編集I
あの山犬の登場シーンが描けたことが最大の勝因。主線と効果線の差別化、女のキャラデザ、スミのバランス、家の中での距離感の設定、ページ数の多さなどツッコミどころはあるものの、巧さが感じられる作品でした。
編集K
絵柄は好みが分かれるところだと思うが、戦いのシーンは見応えがありました。
編集K
人物にしっかりと背景を漂わせる台詞回し、物語運びも含めて、21歳とは思えない玄人肌だと感じました。
編集S
よくできた講談のようでした。21歳とは思えないほど教養あるセリフ回しと意識が行き届いた背景。渋く老成しすぎな感じもしますが、間違いなく本物の才能です。
編集N
テンポ感、描写力、セリフ回しなど洗練された地力を感じます。ただ、根本的にはエンタメになりうるアイデアとは言い難く、古典的なドラマを高いレベルで作ったという感じなので、次回作はキャラやアイデアの爆発力に期待したいです。
編集Y
良い意味で作品に酔っていて好印象です。やりきるのであればセリフにもう少し外連味がほしいところですが、リズムは外していないと思います。自分の武器を見失わず、次作に挑んでもらいたいです。

期待賞+初投稿賞

リベロ
43P
真広吏希(19) 大阪府
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
松原利光先生
バレーを楽しく描けていることは伝わりました。能力を評価されず、悔しい思いをしていた心情描写をもっと深く描けていたら、見せ場をもっとカッコよく魅せられていたと思います。
編集S
伸びしろはありそうに感じます。一つで良いので、いい意味での「意外性」を次回作に込めてください。
編集I
冒頭の期待感はあったが、やはり“動かない”キャッチャーと“縦横無尽な”リベロへのコンバートに説得力が乏しい印象でした。
編集K
まだまだ画力は低いけれども、熱量はしっかり感じます。「新しいもの」「自分だけが描けるもの」を探してください。
編集S
テンションの高め方や恥ずかしがらない大仰な演出は、週刊漫画誌と相性が良いかもしれません。熱さを武器に次回作も頑張ってください。
編集N
肘の怪我で野球を断念するような状況の人がバレーに転向というのがちょっと安易すぎる印象でした。
編集Y
主人公の感情がよくわからず追いきれませんでした。構成も単調で、43Pと冗長です。今後に期待しています。

期待賞+初投稿賞

Dear My Soul
42P
原作/茅路延(20) 茨城県 漫画/海乃エル(20) 東京都
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
松原利光先生
画力が高く、セリフにも力を感じました。しかし、気持ちの表現を言葉に頼りすぎている点が気になりました。見せ方に工夫を凝らせばもっと効果的に感情を伝えられると思います。
編集S
登場人物二人の「共通するが、相反する経験」の描写が曖昧なため、関係性で味わうべき読み応えが足りない印象です。
編集I
単純な話をちょっとストレートに言葉で表現しすぎた印象です。絵柄は雰囲気があって、画力の伸びしろもありそうです。
編集K
しっかりとした構成と作画の表現力、良いコンビだと思います。今回は幽霊モノだからこの水彩っぽい表現なのでしょうか。
編集K
若いながらも表情に気を使って描こうとしていて良いと思います。
編集S
せっかく幽霊が出てきたのに、部屋で問答しているだけで勝手に解決してしまったのがもったいなく感じます。もう少し動きのある展開、演出を期待します。
編集N
「幽霊」という大嘘を入れているにも関わらず、それを生かしたエンタメ性のある展開やアイデアには至らず、エモのみで乗り切っている点が残念。

[ショート部門]

期待賞+初投稿賞

大人の事情
16P
駒形柊人(18) 神奈川県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
松原利光先生
2ページ目のインパクトが凄くて、もう、そこから最後までずっと面白かったです。良い意味で全部作者のルールで描かれていて、気持ちよく、面白おかしく転がされながら読むことができました。
編集I
出オチネタだとしても、最後のオチはもっと強度が欲しかったです。ギャグをもっと散りばめるためにも(動物頭の)人間側のキャラをもう少し登場させてもよかったかもしれません。
編集K
発想は面白いが、ストーリーに落とし込むことが出来ていなかったのが残念です。
編集N
何のために動物造詣にしたのか狙いが弱いです。話そのものは何もないので、絵的に補うためだとしたら、この年齢でそうした逃げを打った方法論を取るのは勿体ないと思います。
編集Y
シュールだなとは思いますが、着地点がどこにも見出せないです。ただ、18歳ということで次作もみてみたいと思います。

期待賞

フィギュア
16P
飛田伶(24) 岐阜県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
松原利光先生
キレイにまとまっていて気持ちよく読めました。話の展開も面白かったです。画力が乏しいわけではないので、個性のある絵作りを意識したらもっとスゴイものが描けると思います。
編集S
起承転結は出来ています。次回作は作者の趣味・嗜好がはみ出した展開を期待します。
編集I
表情を描くのがとても上手く、ワンシチュエーションだからこそ演劇のように練り込まれた展開が非常に面白かったです。
編集K
東京03とかジャンポケみたいなトリオのショートコントを見ているような感じですね。勢いあり笑いあり、最後にホロっとさせる構成はよく出来ていると思います。
編集K
表情のバリエーションも多く、かけあいとストーリー構成がしっかりと練られていました。
編集N
やりたいことは伝わりますし、掛け合いのテンポも悪くありませんが、主人公カップルの幸福な未来は想像できないですし、キーである強盗おじさんが置いてきぼりなのももったいないです。主人公のオタク感も中途半端なので、もっとやりきってほしい。
編集Y
なぜフィギュアを売ろうとしないのかまったく不可解でしたが、不思議な読み味でコンパクトな点が好印象です。

#068 審査員リクドウ松原利光先生

自分が皆と同じ年齢の時には描けなかっただろうなと思う作品ばかりだったと思います。読者にプレゼンしたいメインディッシュにどのシーンが的確なのかというチョイスがちょっとズレている作品が多く、勿体無く感じました。読み手にインパクトを与えるシーンはコレと言い張れるものを一番に優先して描いてみてください。

編集部総評

今回は、いずれもフォーマットにある程度忠実で、読みやすさを感じる作品が多かった印象です。一方で、読者を惹きつけるための突破力のあるアイデアに乏しいような感じもしました。もっと自分に自信を持ち、強烈な個性を持った作品作りを意識してみてください。

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