新人賞

#101 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

準入選+月間ベスト+審査員特別賞+初投稿賞

棘暑-kyokusyo-
55P
栞ヨウ(22) 神奈川県
賞金73万円
準入選50万円+月間ベスト10万円+審査員特別賞10万円+初投稿賞3万円
石川秀幸先生
画力が非常に高く、雑誌に掲載されていても何らおかしくないレベルです。話は色々な要素が絡んでいますが、その絡みが解けないうちに終わってしまった印象です。恋愛を主軸にするならば彼女の行動は読者的に余計な情報が多く、サイコっぽさを出すならば恋愛要素は上辺だけでよく、一度に色々な事を描こうとして中途半端になってしまった印象です。しかしながら画力の高さもあり読者をひきつける力はすさまじいものがあるので、この点を伸ばしていければ誰も追随できない強力な武器になるでしょう。
編集M
絵もセリフも達者。あとはエンタメを描けるかだが、期待大。
編集Y
よく考えられたお話だと思います。一方で殺人鬼と対峙した場面の心理描写がありながら、再び澪奈と笑顔で会っていたり、「いいやつ」などと語れるラスト等、ストーリーのためにキャラクターの心情が等閑になっている部分もあります。
編集M
硬さが目立ちますが、年齢を考えると十分な描写力かと思います。何者でしょうか? 次回作は、お話先行ではなく主人公先行の作品がみたいですね。内容としては、①予知夢が唐突なので、もうちょっと前振りというか、主人公が彼女を好きな理由のひとつに入れといた方がスムーズかと。②主人公の想像(読者目線)と彼女の語り(真相)がシームレスすぎるので(一瞬誰の語りかわからない)、ちゃんと切り分ける演出がよさそうです。③無差別殺人の顛末寄り、彼女が何者なのか?という謎で引っ張った方が引力強そうでした。
編集T
本題に入るまでが遅いとか、竜頭蛇尾な構成とか、凡庸なキャラなど色々気になるところはありますが、何かありそうと思わせてくれる画面作り、雰囲気作りはとても良かったです。意図を持った描写の絞り込みと、キャラメイクに注意を払った次作を是非読んでみたいです。
編集O
22歳、絵も、内容も良いのではないでしょうか。粗探しをすれば粗はいくらでも出てきますが、とても完成度の高い投稿だと思います。青年誌特有の世界の雰囲気や言語チョイスもあり、ドラマの作り方も力技ではな異様に思えます。キャラも悪くないです。ここ最近でも特に良い気がしました。

期待賞+初投稿賞

無能
33P
吉田祥梧(19) 千葉県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
石川秀幸先生
19歳という年齢でここまでの絵が描けるのはとても素晴らしいですが、メガネの青年と敵役のデザインが似通っていたため少し詰まってしまいました。設定や話の展開も深く考えられているのですが、それにキャラが動かされている印象を受けました。キャラの信念は整っているので、その信念を覆してしまうようなエピソードを用意し、それに対し主人公はどう挑むかといったことが描ければ、キャラクターの印象がより読者に焼き付いたと思います。荒削りな面が多いのですが、若さは最大の武器なのでこれからどんどん色々なものを吸収していただければと思います。
編集M
異能と無能のやりとりがわかりにくかった。
編集S
やりたい世界観があるのは強みだが、現状そこに読者の気持ちと理解をひっぱっていく工夫が足りない。でもなにか気配はあるので、大事にして、あとは導線づくりをしっかりと。
編集Y
作中に収まりきらないエネルギーですね。ただ全ては読者に伝わってこそ。世界観にせよ用語にせよ、整理して表現するよう打ち合わせを重ねてください。特殊能力を持つものが課せられるものを「呪い」と捉え、無能力者を主人公に据えた“逆転の発想”は面白いしセンスを感じました。
編集M
消化不良感ハンパないですが、次回作を読ませたくなる期待感大です。残念ながら設定の解説に終始してしまい、無能力者の成り上がりによる王道少年漫画には気持ちよさが到達していませんが、無能力者の矜持のようなものを描こうとする意志は感じます。
編集T
若いですし、絵もカッコいいですがお話しは難易度が高かったです。まずは誰が何をする話で、どこが面白いのかを分かりやすく読者に伝えるように意識していただければと。
編集O
19歳でこれは素晴らしいですね。作品についてはオリンピックと最初の眼鏡がピンチにうまく絡んでいないという点以外は特にありません。決めゴマの作り方、描き方、せりふ、最後にやりたかったこと(キャラ)とても良い作品だと思います。

期待賞+初投稿賞

ひとつなぎ
50P
渡邊舟(20) 新潟県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
石川秀幸先生
画力が高く、描き込みに熱意があふれ、キャラのセリフにも力があり、時代考証もしっかり行った点がうかがえる力作です。読者に伝えたいものがある、ということが作品を通じひしひしと感じられました。今後もその熱意を冷まさず、色々なものを描いていってください。個人的にはこの主人公とヒロインの活躍をもっと読みたいです。読み切りで終わらせるのは勿体ないと感じました。読者にそう思わせられるというのは非常に大きな武器だと思いますので、これからも頑張ってください。ヒロインはとてもかわいいので、欲を言えば主人公にもう一癖あった方が更に良かった気もします。
編集M
荒削りだが、熱量があってよい。
編集Y
画面の描きこみには情熱を感じました。画は未熟ですが頑張って練習してください。ストーリーは、これまで本人が見聞きした維新期モノを元に、舞台の雰囲気や用語に憧れて描いただけのような印象です。
編集M
無骨な作品ですが、正面から感情を描こうという気概は伝わってきます。拙いながらも背景まで描き込もうとする姿勢も好感が持てます。画面が重たすぎるので、次回作はちょっとしたユーモアや緩急を意識してみてください。
編集T
まだ絵もネームも取捨選択ができていませんが、頑張って描こうとしているのは好印象です。雨とか、その他もろもろの演出も粗いものの、なんかやってやろう感が出ててよいですね。まだ若いのでたくさん描いてほしいです。
編集O
作品について色々と拙いですが20歳なら上出来ではないでしょうか。手を抜かない画面への描き込み。そこそこ破綻していない構成。青臭いけれどパワーのある主張。これぞ新人漫画賞投稿作という荒削りで将来楽しみな意欲作だと思いました。

[ショート部門]

期待賞+初投稿賞

勇者ミーツ魔王
16P
KANON(21) 大阪府
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
石川秀幸先生
勇者と魔王のかけあいが小気味よく、小気味よい気分のまま終わり読後感も爽やかでとても良かったです。16ページという短いページの中でちゃんと読者に爽やかな読後感を持ち帰らせられるところに実力を感じました。魔王のキャラクターが立っていたのに対し勇者のキャラクターは弱かったので、もっと不遇をかこっていたり魔王以上にやさぐれていたりした方が、より面白い掛け合いになったのではないかと思います。むしろ勇者と魔王が同居してからがこの漫画の面白い所だと思いますので、そこをじっくり見たかったところです。
編集M
まとまってはいる。
編集S
ベタなネタだが、ネーム力があるので読める。
編集Y
平和な世の中の勇者と魔王という着眼点は面白い。男女の組み合わせも良い。残念なのはそれだけで終わってしまったことです。戦いの激しさやかつての悪辣さとのギャップを、あるある感を交えて描けたらかなり面白い作品になると思いますが、ギャグセンスを必要としますね…。
編集M
「勇者と魔王のアフター」という大喜利に応えただけ、という印象でした。次回作は、キャラのイチャイチャ感にもっとこだわりと工夫を持って欲しいです。
編集T
21歳の割に変にこなれてるというか絵もノリも微妙に古い感じがしますが、既存の材料ではあるものの、うまくまとめて形にできる力は十分感じられます。手堅さはありますが、ご本人なりの好みや強みはあまり感じられなかったのが残念です。独自の色をもっと見たいです。
編集O
破綻してないですし無駄もないですしシンプルで良いのではないでしょうか。絵柄や内容に目新しさがないので今後はその辺りをブラッシュアップしていけるといいですね。

#101 審査員ドクターゼロス~スポーツ外科医・野並社の情熱~石川秀幸先生

どの作品も読者に伝えたいことがしっかり存在しており、一本芯の通った作品ばかりでした。ただ読者に伝えたいことを伝える技術がまだ粗いものが多い印象です。こちらが伝えたいことが10としても読者に伝わるのは1以下だったりするので、キャラのアクションや周りのリアクション等で、くどいと思われるくらいの方法で伝えて丁度良いでしょう。また設定は凝っているものの、それにキャラクターが縛られこじんまりとしている作品が多いと思いました。ある程度の枠組みは必要ですが、時にはその枠組みを飛び越える位の方が、キャラが生き生きするのではないかと思います。

編集部総評

若い才能がたくさん集まった回でした。現時点での作品完成度での評価だけではなく、将来性という観点から見て非常に良い回だった思います。読者の目をイメージすることは難しいことかと思いますが、編集者という目を活かしつつ、次のステップに向けて励んでいただけたらと思います。

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