新人賞

#077 シンマン賞結果発表

[ストーリー部門]

佳作+月間ベスト+審査員特別賞

仁義甘
22P
江野継夢(24) 東京都
賞金50万円
佳作30万円+月間ベスト10万円+審査員特別賞10万円
杉戸アキラ先生
スイーツに詳しいヤクザというネタ、とても面白かったです。笑いました。話のテンポも良く、楽しく読めました。
編集I
ラストの見開き、笑えました。また別のスイーツを巡る組長が見たくなりました。時折、誰のセリフかわかりにくくなるので、次作は気をつけて下さい。
編集K
ラストが尻切れトンボ気味なのも気になるが、全体的に中途半端なのがもったいない。組長が知識が豊富なのはわかったが、そうじゃなくてやはりタピオカパールミルクティを飲んだときの食レポは見たかったし、どうやってタンクを爆発させたのかもイマイチよくわからなかった。見たいものが見せてもらえない不満ばかりが募ってしまった。美味しそうにタピオカを飲む組長、見たかったなぁ。この漫画にスイーツ好きっていう設定の組長はいたけど、スイーツを美味しそうに食べて愛でる組長はいなかったよ。
編集O
なんでスイーツ好きだと、若衆に嫌われるのか、そういう描写が欲しかったです。意外にヤクザに甘党っている気もするし。数十年も好きだったら、本人以外はきづいていたりする方がリアルかな。若衆が作ってきたタピオカに突っ込んでいるところは面白かったです。後半が肩透かしでした。
編集K
ヤクザ者と甘党というのは何ともベタな取り合わせ。王道の組み合わせでやる場合、予想を上回る掛け合い・展開がないと読者の満足度を満たしきれないように思います。その意味では食い足りなさがありました。一方でところどころに見られるヤクザの肉体的存在感は目を引きました。全編、この感じを出せるように設定やアイデアを練ってみて欲しいです。
編集S
オチが弱いのと、ヒトネタで押し切るのはちょっと弱いネタなのでは…。
編集N
全体的にヤクザがスイーツ中心で動く組織になってしまってるので親分が埋もれてしまい勢いでなんとなく走り切っただけになってしまっている。絵柄は手堅いので期待はしたい作家だけど、ギャグで攻めるのはちょっと大味な気はする。
編集S
ギャップを狙う際、人名などはギャグにしない方が無難です。
編集M
タピオカってスイーツ…?もっとわかりやすいスイーツを選択すべきだったかと。甘党設定も活かしきれてないです。もっとスイーツの数を出して、強面組長のギャップを強調する作りのほうがいいと思います。タピオカショーシャンクはちょっと面白かったです。
編集I
突然のショーシャンクには笑ってしまった。また、最後のページで口にタピオカが入っているとこも個人的にはツボでした。ただ、組長がスイーツ好きだというギャップにはやや今更感を感じてしまった上に、スイーツ好きだという情報の前にもう少し組長の極道感が欲しかったと感じました。

期待賞+初投稿賞

ロリット
41P
村々田むた(20) 兵庫県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
杉戸アキラ先生
あらぬ性癖の疑いをかけられてロボットが来る、というアイディアが面白かったです。そのテーマと一緒に、この漫画の売りになるリマちゃんの魅力をもっと押し出して可愛くさせていけば更に良くなると思います。
編集I
ストーリー展開に読者を楽しませようとする意志があってよかったです。
編集K
なんだろう設定がよくわからん…CP研究所ってのはストーカー女のことを知ってて彼女を逮捕するためもしくは主人公を守るためにリマを送り込んだのか?ならなんで主人公を幼女犯罪者予備軍みたいな扱いにしたんだろう?最後にJKで来るけど、その真の目的はなんなんだろう?主人公の男に本当に幼女やJKへの執着がないと、リマがなんなのかよくわからないと思うのだが…?
編集O
絵柄が見やすく、楽しく読めました。ただCP研究所の具体性、説得力があまりにも少なかったため、リマの発言をどこまで信じていいのか、目的はなんなのか疑問が残りました。せっかく考えた設定なので、最後までアイデアを煮詰めてほしいと思います。
編集K
キャラやストーリー上のプロットはなかなかうまくできているように感じますが、ネームのリズムの悪さと山場の中途半端さがもったいない印象。構成をしっかり考えて、盛り上がりの昂りを読者としっかり共有できるように練り込んでみて下さい。それぞれのキャラのイメージはアウトプットできていると思いますので、次回作、担当とブラッシュアップして下さい。
編集S
絵よりも思考回路が幼稚で、しんどい。
編集N
最初からJKバージョンのほうがたぶん発展性がある。一般青年誌カスタムで幼女キャラをある種のあざとさをもってやった場合あまり誰も得をしないのでは?と。表情などはところどころ良い。
編集S
若くして、素晴らしい構成力だと思います。
編集M
基礎力はあると思うのですが、ヒロインにキャラクター的な可愛さを感じられなかったので変な生々しさだけが目立ちました。幼女である意味も薄いです。年齢と言動のギャップをより強調しつつ、幼女ならではのエピソードで転がしていけばある程度成立はすると思います。
編集I
私はロリコンの趣味は全くないのだけれども、リマちゃんがちょっとだけ可愛く、ちょっとだけえっちに見えてしまった。よかったです。ただ、話としては何を楽しむものなのか少し分かりづらく感じました。主人公と幼女によるコメディなのか、主人公と幼女の情を描いたものなのかよく分からず、リマちゃんの多少の可愛さ以外の楽しみ方が分かりませんでした。

期待賞+初投稿賞

できあがりまでの過程はどれもよく似てる
18P
村瀬さくら(25) 東京都
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
杉戸アキラ先生
独得のノリとテンポと力技でねじ伏せられる感じのギャグは大好きです!課題は画力の向上でしょうか。
編集I
いい意味でバカバカしくてきちんとオチもあり、ギャグとして面白かったです。扉に家族写真を持ってくるセンスも好きです。
編集K
パロディやるなら超画力(原作への愛)はほしいなぁ。とはいえ、これをぶっ込んでくるイキオイと変なセンスは感じるし、ギャグの人は貴重なので、次回作で化けることを期待してます。
編集O
はじめて、マンガを描いたのなら色々思いついたことを描いてみたということでいいと思います。微妙な下ネタ感がファミリーものを見ているつもりの読者に不快感を与えるので、シモを攻めたいならもっとそっち方向でネタを作った方がいいでしょう。
編集K
思い切りよくネタを絞り込んで、ハイテンションの物語に仕立てようとした意図はよかったと思います。18Pあることを考えると、メニューをめぐるやり取りでもっとアイデアの応酬と顔芸の面白さを追求して欲しかったです。
編集S
ギャグとしてきちんとまとまっているが、実は母が強かった、というオチは既視感が強すぎる。
編集N
この日常的なきっかけからどこまで話広げられるかがキモでこれはでかい声でいえば面白いと思ってる駆け出し芸人的な狭さが惜しい。もっともっと大きくしましょう。せっかく漫画なので。
編集S
パロディに逃げないでください。
編集L
勢いはいいですね。ただやはり大味な印象。パロディ物は大味だと一気に稚拙に見えてしまうので、きちんと愛のある失礼にして欲しいです。あと、現代の笑いは大技よりも手数・言葉数なので、語彙力と日本語力を鍛えましょう。そうすれば大ゴマが活きてきます。
編集M
読みやすくはありました。カレー派vsシチュー派の争いをもっと真剣にやれば、より笑いどころが増える気がします。晩飯頭脳戦をやるくらいの気概が欲しいです。
編集I
夕食をめぐる姉弟の争い、面白かったです。父親の手のひら返しする瞬間も笑えました。良い意味でも悪い意味でもベタだと感じました。ベタなキャラクターの設定に安心して笑わせてもらうこともできたが、逆にあまり目新しさはなく、何かコメディの中に新しさがあると良いと思いました。

期待賞+初投稿賞

流星
32P
うぬら うぬぼれ(19) 東京都
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
杉戸アキラ先生
発明家の少年がおじいさんの夢を引き継ぐというストーリーが良かったです。最終的な目的が飛行機を作ることだったので、もしそこに少年の反発や葛藤(作りたくないけどその気持ちが変わるなど)があればドラマとして引き込まれやすくなったのではと思いました。
編集I
すがすがしいほどの素直な気持ちを持った少年は好感が持てる。おじいちゃんを最後まで隠す必要はないので、おじいちゃんの影響を受けての機械好きなところや「流星」のフリももっと丁寧にできたのでは。どんどん原稿描いた方がいいですね。
編集K
じいさんは生きててもよかったのでは?地球滅亡の嘘と流星が結びつかないというか、そこと飛行機を作らせるって言うのがしっくりこないので、お話がよくわからなくなってしまっています。であれば、じいさんが生きていて、でもカラダが言うことを聞かないから孫にやらせて…の方が、最後に飛行機が飛んだときにじいさんも孫も喜んでるシーンが描けて、その表情に満足感が出る気がします。
編集O
さわやかな読後感がいい作品。惜しむらくは年代と場所、特に日付まで明確にしてしまったために、読んでいて事実を基にした作品なのか、全くのフィクションなのか、混乱しました。1900年という設定は飛行機開発としてはライト兄弟が実現させた年なので、カンザスという土地にも意味があるのか、考えてしまいました。そこにさらにじいちゃんの嘘なども混じるので、作品に没入しづらかったです。
編集K
どこか表面をなめただけの話になってしまった。人物・ストーリー・演出、一歩踏み込んだ要素がどこかに欲しい。たとえば今話では主人公はお爺さんの嘘がないと飛行機を作らないような人物だったのか?決してそうは見えない。そうであるなら主人公の人物性とこのストーリーの噛み合わせがよくないのではないか?その辺りの詰めも甘く、せっかくのシーンが浮いて感じてしまった。また、作者の中から飛行機作りへの興味を感じることができなかったのも残念。何かに深く突っ込むことでにおい立つものを作って欲しいです。
編集S
素直なつくりで好感がもてる。が、まだ技量はこれから。丁寧に育ててください。
編集N
19歳にしては渋いネタ。ただ1900年代の世界観というか雰囲気というか文化レベルが見えず、ディストピアSFみたいな現代感のほうが強いので、ここまで信じ込む主人公の気持ちもちゃんと接しない回りもいまいち共感できないというのが難点。
編集S
コマ割りが読みにくかったです。
編集L
非常に爽やかな読み味でした。線を引くことにまだ怯えがあるのか、主線の強さが不安定なので、たくさん描いて慣れてください。あと、吹き出しの大きさのアンバランスさはネーム段階から文字のサイズを一定に書くようにして整えましょう。あとは雰囲気で乗り切るのではなく、きちんと主人公の「目標」「モチベーション」「葛藤」を言語化することを心がけ、次回作を作ってください。
編集I
主人公が飛行機を作って必ず空を飛ぼうと決意する理由が読んでいて、主人公と共有できなかった気がしました。絶妙に主人公の思うことと読者が思うだろうことがズレていて主人公が勝手に一人歩きしているように感じました。もっとおじいさんと主人公の一緒に過ごしているところが見れるとまた違った印象だったのかと思います。

期待賞

ハローソピアー
42P
U4(19) 大阪府
賞金10万円
期待賞10万円
杉戸アキラ先生
哲学的な台詞回し・問答は個人的に好みです。後は、絵や表現の部分でどのキャラが何をしているのかという所が分かりづらかったです。その部分が今後の課題になるのではと思いました。
編集I
過去と現在をここまで交錯させても読ませる構成力は評価できるが若干独りよがり感が強かった。今後の作品作りにおいて、もう少し一読で読者に理解させる明快さを意識してもよいと思います。
編集K
人間と機械(AI)の敵対を、主人公の半径5メートル以内みたいな身近なところで描いたのはよいが、身近すぎてなぜこの世界は人間と機械が対立しているのか、AIはどこまで発展しているのかなどの基本情報が抜け落ちてしまっていて、主人公の、機械を敵と見る/機械に敵と見られることがどのような事態なのか、読み手に情報がないので悲哀感が生まれづらい。
編集O
おそらく、作家に聞けばいろんな意図があったり、設定があったりするんだろうが、とにかくわかりづらい。どの点が分かりづらいのか、打ち合わせ時に伝えれば、もっと良い作品になると思います。あとは、せっかくの近未来設定なので、もう少し年代や場所を特定してもいいのではないでしょうか? 主人公の目は大きく!
編集K
構成を読み取るのが困難でした。独特の雰囲気は感じるのですが、この読切で読者にどんな「感情の印象」を与えたいのか、定まってないように感じました。まずはそこをしっかり定め、その目的の為にシーンシーンの目的をブレイクダウンして、分かり易く読み取れるように作って欲しいです。タメとして謎にする部分と時制の飛ばしが混線しているように感じました。まずは分かり易く作ってみて下さい。
編集S
「直前に見つけたそれは」「一度裏切った生きがい」「そのものだったんだ…」という、タイトにしてエモいキラーフレーズがあるだけで、他の雑さや薄さを補う力がある。キメラアント編の後編にあるような、いいセリフですね。こういう言葉のキレがある新人には期待したくなってしまう。
編集N
個人的にこの作家さんが描く題材や切り口は非常に好き。人類を駆逐する高度なAI、そしてそのAIのほうに心を寄せてしまう男、設定はベタだが惹かれる雰囲気はある。ただ特段それを料理することなく雰囲気だけでまとめてしまった点は残念。もう少し野心的に挑まなくてはならないステージだと思う。
編集S
絵が更に向上していくと思いますので、是非、地に足の着いた話を考えてみてください。
編集M
主人公のパーソナリティーがいまいち見えてこなかったです。人類に反旗を翻したAIたちに対する元機械工の複雑な感情を、より具体的なエピソードで表現できていればよかったのではないでしょうか。現状、ヒロインAIとの絡みが表面的なので、上記の感情が漠然としています。主人公&ヒロインに明確な役割と関係性があると、より良くなると思います。
編集I
迫力のある絵が魅力的でした。ただ、「本機を取得した理由」がそもそもそんなに気にならないというか、読者からすると答えは序盤に書かれていて全く気にならず、物語に入っていくことができませんでした。出来事の描く順番や描きどころが違うのではないかという気がしました。

期待賞

残響
49P
榛原一(32) 長崎県
賞金10万円
期待賞10万円
杉戸アキラ先生
ポップな絵柄とサスペンスがマッチしていて読みやすかったです。台詞回しにもセンスを感じました。個人的には絵柄のリアリティラインをもう少しだけ上げるとベストかなと、面白かったです。
編集I
読ませるストーリーを作って頑張って描いていると思いますが、序盤のコマ割の細かさが読み味を悪くしてしまっていてもったいないです。メリハリをつけて主人公を立たせることに比重を置きたかった。
編集K
鳥山明テイストの画風とコマを破って出てきたりの手法(とあと作者の年齢)が相まって古くささを醸し出しており、プラスにはなってないのではないかと思います。どっちにしろこの画風で世に出るメリットはないかと…バージルに関してはなぜ女になったのかがわからないです。最後に主人公がバージルを見捨てたのもモヤモヤが残ります…。
編集O
読切としては設定を詰め込み過ぎ。主人公の特殊能力&過去話だけでも読切としてはいっぱいなので、悪役も主人公同様に特殊能力があって、さらにそれで苦しんでいた~まで書くと読切の枠に収まり切れません。お話自体は興味深かったので、どこまで整理すべきだったか考えてみてほしいです。あと舞台は現代日本にした方が、圧倒的に読者の負担が少ないので、説明が少なくて済みます。その分、ほかのことを表現しやすいということを覚えておいてください。
編集K
ところどころ、キャラの強い表情が入り、そこは魅力だけれども、他、人物の表情が非常に古典的で若い読者にとってこの機微はピンと来ないのではないかと。人間の心の描写としても非常に目盛りが粗く、感情の細かい機微が見えずらい。その機微がないところで強引にプロットを練っていて、また記憶というのが特殊能力、とまで思わなかったので、別の特殊能力が出てきたところに違和感があった。作者と読者に「感じ方の差」が広いように思います。
編集S
途中まで楽しく読んだが、最後リアリティラインがずれて気持ち悪かった。記憶を読む能力ってそりゃフェアじゃないぜ…。あとこの人は、初期鳥山明先生のネーム割りを意識したスタイリストだとおもいますが、感情のラインとスタイリッシュ(だと本人が思っているだろう)コマ運びがちぐはぐなので、テンポよく読みにくい。
編集N
興味の持てない情報は人間の頭には入りません。では興味を引く情報とは何か?どんな演出か?最初の掴みをしっかりやらないと没入させるのは難しい構成だと思いました。
編集S
世界を視野に入れておられるのかもしれませんが、やはり舞台や人名がカタカナの時点で不利になるのを、上回るものはありませんでした。
編集M
作品の質は高水準なので、即戦力として期待できるのではないでしょうか。ポップな絵柄でシリアスな話をやるのも味があって好きです。主人公のキャラクターもしっかり立てる意識があると思います。北欧ミステリっぽい感じを漫画でやれるのも、ひとつの才能だと感じました。
編集I
ミステリーとしてもサスペンスとしてもイマイチでした。犯人にしろ、犯行の動機にしろ、主人公の活躍にしろ気になるポイントがきちんと作られていないように感じました。話としても後出しの情報が多かったり、なんだかよくわからない能力が突然出てきたりと、情報が整理されていなくてまとまりが無いように感じました。

[ショート部門]

受賞作なし。審査員をアッと唸らせる短編漫画をお待ちしています!!

#077 審査員MoMo -the blood taker-杉戸アキラ先生

どの作品も楽しく読めました。ありがとうございます!あとは表現力の向上、画力の向上、そして読み手の方を常に意識すると更に良くなると思います!頑張ってください!!

編集部総評

普通の読者は2回も3回も同じ話を読んではくれません。構成・構図・絵・フキダシ位置・セリフ、あらゆる面で伝えたい事を明快に伝えきることをもっと意識して欲しいです。

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