新人賞

#078 シンマン賞結果発表

[ショート部門]

期待賞+月間ベスト+初投稿賞

今日も生きている
49P
七星ほく(22) 東京都
賞金23万円
期待賞10万円+月間ベスト10万円+初投稿賞3万円
迫稔雄先生
バーチャルキャラクターを通じて「中の人との関わり=今日も生きている。」に着地するまでに言葉の説明が目立っているのでもっと具体的な出来事で理解させた方が主人公に感情移入しやすいと感じました。
編集I
細かいコマから一生懸命描いていて、全身や大ゴマのバランスにも細やかに配慮しており非常に好感が持てる。一本の作品の中にきちんと起承転結を盛り込み読者を飽きさせない姿勢もよかった。惜しむらくは作品全体に漂う暗い雰囲気。背景のトーンの重さが単純に視覚的に印象を暗くしている。今回は「物語」を作っているが「キャラクター」から作ったらどういうものが出てくるか見てみたい。
編集K
バーチャルアイドルの中も外も好きになる男の気持ち悪さは描けていると思いました。絵師な人は外だけなんじゃないかとも思いましたが…あと、かわいい三次元の妹さんに走らなかったのも、主人公の彼からしたらどうでもいい日高先輩が中の人だったことに幻滅しなかったりしたのもよかったです。となジャンとかアプリに載せてみたい作品。
編集O
画力はまだまだですが、感情を追ってよく44Pも描き切ったと思います。その努力は評価。次回は主人公が●●する話を描いてください。
編集K
虚構のアイドルについて中の人の「生身の死」を対比させながら、そのアイドルたらしめるものが何かという疑問を発展させ、皆が作る、皆との関係性という別次元の中に生きるバーチャルアイドルの可能性・永遠性を表現してくれていた。ただし、上述部分を説得させる為に説明の言葉をたくさん費やして作ってしまっており、肝心の「アミ」の魅力が感じられなかった。バーチャルキャスターの魅力=読者の実感なので、そこに共感を作れないと言いたいことが突き刺さらなくなってしまう。主張ではなく、キャラを見せることを大切にして下さい。
編集S
今の時代らしいモチーフでいいし、22歳と若くてネームも上手。ただ、ラストは主人公で終わらなくては。尻切れトンボな感じが残念。
編集N
バイトの先輩が実は正体という展開は物語として萎えた反面、すごく深読みするならば幻想としてのアイドルとあまりにも身近で人間として知り尽くしている人間の融合というファンにとってグロテスクな急転により現実世界にいるバーチャルアイドルは死に、主人公の中だけで永遠になったともいえる。一切、主人公の態度をはっきりさせずに終わったところはその意味で非常に優れている。意図的に構成されたものならすごい才気。
編集S
オチのある話を描こうとされる姿勢は、素晴らしいと思います。
編集H
:全体として、企画としてはアリだと思うが、冒頭10ページくらいのネーム設計がただただ良くない。どんな話?どう楽しませる?いまから展開する話にどう興味をもってもらうか…目が行くところに文字(フキダシ)がない等、漫画力も不安。たまにキャラ絵かわいい。感情を描き表そうとしている点いい。
編集M
作中のvtuberが主人公にどれほどの影響を及ぼしているのかを、もう少し丁寧に描いたほうが良かったと思います。そこが欠けているので主人公の感情にリンクしきれません。先輩が新しい中の人でしたという展開にはもっと伏線貼ったほうが、唐突感とご都合主義観が消えると思います。この分量の中で、なるべく破綻なく描き切ろうという意思は見えました。
編集I
個人的にはバーチャルのアイドルに好意を持つ感情は全くわからないのだが、それでも丁寧に主人公の感情や周りのリアクションを描くことできちんと気持ちが追えました。良かったです。最後はもう少し分かりやすく主人公の気持ちに沿って終わらせて欲しかったように思いました。最終的に何の話なのか少しフワッとした印象でした。また、バイト先の女な子がバーチャルキャスターの中身である必要があったのかは疑問です。

期待賞+月間ベスト+初投稿賞

スリーウォターワールド
16P
花ヶ崎π(20) 大阪府
賞金23万円
期待賞10万円+審査員特別賞10万円+初投稿賞3万円
迫稔雄先生
良いと思います。その能力を使ってする行為をもっと臨場感を加えてエロくしたものが読みたいと思ってしまいました。神の造形はもっとオリジナリティが欲しいですね。
編集I
具体的過ぎる能力は笑えました。女性の体は柔らかさがありまだまだ上手になると思うので、女体を活かしたネタをまた描いてください。その際は男キャラのほうも嫌われない造形を研究してください。
編集K
透視能力×キモ男だと漫画として当たり前のような気がしました。それでもキモさにいくなら、想像を超えるような気持ち悪さを発明してほしいです。神様による条件も、水中がよいのかとか、発動条件とか、もっと工夫できるのではないかと思います。
編集O
今後に期待。お馬鹿さがもっとコメディとして昇華できるとさらによくなるはず。絵に品が出ると、作品の幅が広がるので裸だけどきれいにみえるような書き方をみにつけましょう。
編集K
アイデアに溢れていてバカバカしく、ちゃんと面白かったです。変な絵もたくさんあるし。全体が説明っぽいのが非常にもったいなくて、必殺技もちゃんとした絵、コマ割りで見たかったし、葛藤も割としっかりコマをとっても面白かったのでは?潜在性を買って+1。自信をもって、もっともっと悪ノリして欲しいです。
編集S
16ページでこれだけバカバカしい話を深化させて描く20歳の女性…素晴らしいです。
編集N
女の子を描くのを武器と定めてこの企画を選択したならば余計なギャグキャラ主人公よりもそっちを徹底的に描いて画面占有率をあげるべきです。昭和ならいざ知らず主人公がうっとおしいエロコメは損だと思います。
編集S
エロ絵に拘って成長してください。
編集H
ショートならではというべきか、導入・アイデアについてはいい。下世話も結構。見切り発車で飛び出していって終わった点が残念。ツッコむべき、話を拡げるべきところを押さえていないので、本当は悪くないアイデアレベルの設定が読者の理解・認識が定着しないままページが進んでいます。野球で言うワイルドピッチです。この漫画で楽しんでくれるターゲットは明確だからこそ、1にも2にも素直な心で、漫画として成立させる地力を磨いていってください。
編集M
能力面はもう少しスッキリさせてほしいです。「プール内でのチート覗き」を成立させるためだとは思いますが、複合能力なのでわかりにくいです。主人公もただの覗き魔ではなく、矜持を持った覗き魔のほうが良いはず。じゃないと、一切の好感が持てないので。水中でのエロ技はくだらなくて良かったと思います。
編集I
アイデアは面白く、勢いがあってよかったと思いました。ただ、コメディにしてはそこまで笑えるものでもなく、エロとしても興奮できるものではないかと感じました。描き方次第では同じ出来事を描いたとしてももっと面白く出来るのでは無いかと思います。その出来事を描いた時に読者がどんな気持ちになるか、どんな気持ちにさせるべきなのかということが少しずれている感じはしました。また、設定上仕方のないことかもしれないがほとんど一人語りになってしまったので説明的な印象を受けました。

[ストーリー部門]

期待賞+初投稿賞

孤独者の曲
24P
トウ・トクシン(19) 京都府
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
迫稔雄先生
迫力の描き込みでいて読みやすかったですがヤコブの神の存在への葛藤から王になる流れがシンプル過ぎるので全体的に淡々と進むお話を読まされている印象でした。エンターテイメントを意識したお話づくりにチャレンジしてみてはどうでしょう。
編集I
打ち合わせ無しにして、人間の根源に迫った難しいテーマをこのページ数でまとめた手腕は評価したい。引きの画のバランスが素晴らしく、荒れたペンタッチで絵柄に成長が欲しいながら非常に構図が練られている。ナチュラルに生き様に迫って描けるセンスを感じる。描きたい人物をうまく見つけて次の読切にチャレンジしてほしい。
編集K
うーん、2倍のページ数かかってもいいから、彼が闇落ちしてからを描いてほしかった。神などいない、なにもしてくれないのだ、は現実でも大災害とか不意に不幸が訪れたりとかで感じるわけで、自分の内面と世界との対話を描くのが作家なのではと思いました。
編集O
人気がとれるかどうかは別として、この年齢でこれだけ重厚感がある世界を描けるのは立派。この方は日本語は不自由しない人なんでしょうか?戦争と宗教、西洋、時代劇を題材によくまとめて描けていると思います。撃たれたり、斬られたりするタイミングもよいので、次回は主人公がアクションで活躍するシーンもある作品が読みたいです。
編集K
自分なりの世界観、リズム、セリフを持っていて、作家なりの新しいヒーロー誕生を描いてくれていた。ただ、今回の題材ではエピソードが凡庸で、お話作りの面でエンタメを作ることができていない。宗教的な主義主張から脱して、面白いアイデア、主人公像、人を引き付けるシーンをもっともっと作って欲しいです。
編集S
よくある神の問題で、漫画として扱う時代設定としてはユニークで挑戦的で好ましく感じたが、とりたてて面白くはなかった。
編集N
意外なほど主人公目線ですっと入っていける筆運び。凄惨な戦場のリアリティ。描写力の高い素地を感じます。一番期待値が高まったところでふわっと終わってしまうのすごく残念でどんな物語になるのかとても観たかった。
編集H
1コマを画面全体で捉える力、カメラ勘など才覚あり。コマを“割る”意識が強いのか、スピード感が死んでる。1コマ単位での上達=作画改善でないと理解を。内容としては「どの陣営にも属さず庶民のため戦う騎士」設定が、ただの設定にしかなっていない。いくら高尚でも、読者にとっては「だから何?」だ。キャラクターへの意識や社会性といった読者サービスが備わっていないなら、とことん対話してメッセージの輪郭が浮き彫りになるよう打ち合わせをしてください。
編集M
序盤のうちに主人公の信仰心に入り込めないので、終盤の展開がただ叫んでいるように見えてしまいます。彼のバックボーン(カスパーの息子?)も、あまり効果的に絡んでいるとは思えません。時代的に遠いぶん、せめて主人公は身近に感じられる存在であってほしいです。雰囲気のある絵は描けていると思うので、あとはキャラ固めかなと。
編集I
主人公が闇に落ちてからの話が見たいと思ってしまった。プロローグのように感じた。ただ、信心深かった主人公が何度も何度も神の存在を疑うべき出来事が起きる中で主人公が変わっていく様はよくかけていたと思いました。残酷な出来事のリアリティが感じられたのは良かった。ただ、山場がない感じがしたのでより強烈なエピソードで最後は畳みかけて欲しかった。特に主人公が錯乱する前に一つ大きな出来事やコマがあっても良いかと思った。

期待賞+初投稿賞

LNC-警視庁サイバー課-
50P
牧野京介(20) 東京都
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
迫稔雄先生
全体的にシーンの切り替えが雑で分かりづらかったです。現実とVR内の世界がほとんど変化なく、ゴーグルなどもシンプル過ぎてその世界観に入るのを邪魔していると思います。細部の作り込みをして世界観をだせばよくなると思います。
編集I
実際に病院へのハッキングがあったらどうなるのか、東京五輪でのハッキング被害とはなんなのか、ステルスウイルスの現実、など青年誌を目指すのであればリアリティの構築は必須。また現状、この話の核であり面白さでもあるはずの、ウイルス撃退の方法がバーチャルリアリティで実際に格闘することだということが、伝わってないと思います。タネさんもいなくても話は通じるなど未整理な印象。
編集K
サイバー系の話なのに根性論な部分があったり、ウイルスのボスが単純な見つかり方をしたり(?)、詰めの甘い部分があるにせよ、これを50P描ききったのは評価したいです。
編集O
描きたいものと伝えなきゃいけないものを整理するところから始めてほしい。世界観の設定があらいので、何が出来て何ができない世界なのかわかりづらかったです。主人公たちの設定ももっとよく練り込まないと、~~風な作品しか出来上がらないので担当編集と一緒に、企画段階からよく練り込む癖をつけましょう。
編集K
何となくな雰囲気は描けているような気もするが、ストーリーの展開、設定、キャラ…いろいろな要素が独りよがりで進んで行ってしまうという印象。サイバー課の設定もほぼ分からなく、ストーリーも行き当たりばったりで、主人公の見開きセリフも勢いだけ…。それで説得される?という疑問はさておき、いつの間にかラスボスを倒しているという感じで、終始読者を置いてけぼり…。一つ一つのシーンが読者に与える印象を考慮し、話を展開させるようにして欲しいです。
編集S
未熟ですが、熱いハートの漫画ですね。セリフ回しも気が利いているところ多く、好感です。将来に期待します。
編集N
スマホを落としただけなのにやAI崩壊などようやくサイバー犯罪というものが一般エンタメ化できる土壌ができた令和に電光超人グリッドマン的なものの大味バージョンはちょっと目標が低すぎるかと。もう少し調べてから描くのが大事です。
編集S
掛け合いを描こうとされる姿勢は、素晴らしいと思います。
編集H
将来性はある方だと思います。というのも、やりとりのレベル(キャラクター内面構築)でいえば中々見所があるなと。シンプルに脳内イメージを「漫画」として落とし込む部分で力のなさが如実に見えてしまっているのでは。イメージを原稿に落とし込むというのは、極論線の一本一本が読者にどう映るかを想像し、紡いでいく作業です。具体的には8ページまででメイン2人のキャラクターを好きになってもらうために描きましたか?ただ考えなしに描く=習作を卒業しましょう。
編集M
細部が雑に処理されている印象です。例えばサイバー空間にVRで入るシステムに関して説明がなかったり、そこで負けたらどうなるかがわからなかったり。全体的に漫然としすぎ。キャラ数も多すぎるので整理したほうが絶対にいい。結局、個々の掘り下げや関係性の描写が満足にできないので、全キャラに興味が持てないという事態になってます。
編集I
刑事ものかと思いきや普通にバトルが始まって、最初読んだときにその設定がすぐに理解できませんでした。また、現実の人物とサイバー世界での人物について誰と誰が結びついているのか説明がなく序盤でやや混乱してしまいました。サイバー世界の設定や人物の説明をもっと丁寧にして欲しく思いました。全体的に雑な印象を受けました。

期待賞+初投稿賞

ハケンの用心棒!
50P
ブラッディ棚蚊(25) 埼玉県
賞金13万円
期待賞10万円+初投稿賞3万円
迫稔雄先生
キャラ立てを意識しているのを感じ取れますがテンプレが強いのでここから更に才能を個性を強め魅力を出せれば作品を化けさせることが出来ます。頑張ってください。
編集I
まとまってはいるが既視感が強く新味に欠ける印象です。心の距離の詰め方、縮まり方に違和感がありました。名前のことなど伏線がいまいち回収できていない点、各キャラクターの定型的な造形も気になりました。
編集K
オーソドックスな恋愛成就系で、それ自体はよいのだがオドロキも何もないので、次はそこにも注意を払ってほしい。設定やキャラ造型、世界観に物語など、どこかひねりを入れることはできるはずです。読みやすいのはよいことです。
編集O
キャラクターの描き方が典型的。感情の動き方も典型的。よくある話なだけにもっと独自性が欲しかった。50P描いた努力は評価するが、感情移入しづらい作品。
編集K
読ませる力はあると思いますが、キャラの掛け合いが古いかなー。バトルのスピード感もあるし、キャラの表情の強さ・リアクションのバリエーション、構成力もあり、一定以上のレベルではあるのでけれど、テンポやストーリー展開もベタ過ぎて、全体が古く見えてしまう。企画の面だけでも新しい要素が欲しかったです。次回作ではその辺り、打合せして練り込んでみて下さい。
編集S
絵は達者なのだけど、ちょっと古くて幼いオタク絵で固まってしまっているのが気になる。お父さんなんて、中学2年くらいにしかみえないし、これでヤクザの組長ってのはほとんどギャグ。
編集N
とても懐かしい読み味です。絵の勢いや表情の豊かさは素晴らしいです。ただやくざの娘という設定も幼馴染との再会というシークエンスも生かされているとはいいがたく、根幹としてなんでこんな重大事件に変な用心棒一人に任したのかなど根幹が飲み込めない。好きなキャラの関係性に設定をはめてるんだと思いますがもう少し踏み込んで考えてみると良いと思います。
編集S
昭和の漫画のような安心感で落ち着いてしまっていましたが、表情が豊かな点は良かったです。
編集H
今回の中で一番漫画力高い!パーツレベルで見ると古いですが、絵柄安定、何よりカメラアングルやコマとコマの行間使うのが上手い。29ページいいですね。悉くめくりの使い方下手で勿体ないですが、ちょっと打ち合わせするだけでもう一段階良く出来る。若干気になる点はキャラ回しも良く出来ている一方で、そもそもこの関係性やドラマ視点の置き所は誰得?その点修正できない作者さんなら、腕はあるものの読切段階で躓く可能性が高い。
編集M
台詞や効果音、別ゴマをコマ枠に重ねる癖があると思うのでそこは直したほうがいいと思います。読みにくさにつながっているので。主人公のキャラをなんとかしようという意思はあると思うのですが、それがうまく結実していない印象です。「いい奴だけどセクハラ野郎」はもう古いです。主人公の正体は冒頭から明らかなので、主人公サイドからヒロインに対する思いを語ってあげたらいいのでは?少しは見え方変わったと思います。

#079 審査員バトゥーキ迫稔雄先生

誰でも自分の武器を磨いていくことによって作品はどんどん良くなっていきます。大事なことは描き続けることなのですぐに次の作品を描いてください!! 頑張って!!

編集部総評

作品にオリジナリティがあるのか、その作品は読者の感情を揺り動かすことを意識して作られたものなのか、ネームの段階で今一度確認をする作業が必要だと感じました。自分の1つ1つのシーンやコマが読者に与える印象を客観的に考えられると良いでしょう。

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