週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 峰浪りょう先生特別インタビュー

5月期の審査員を務める峰浪りょう先生に特別インタビュー!!
濃密な人間ドラマを描きたい新人作家さん必見の内容です!
「描きたいものの見つけ方」や「キャラクターの作り方」に焦点を当てた前回インタビューはこちらをクリック

新人時代について

――まず、漫画家を目指されてからデビューに至るまでの経緯を教えていただきたいです。

目指したのは22歳くらいのとき。もともと小説家を目指していて賞に投稿などをしていたのですが、結果が出なかったんです。ちょっと別のことをしようと思い、小学館の漫画賞を偶然知り出すことにしました。漫画の描き方が載っているような本を買って見よう見まねで描いてみたら、奨励賞を頂きました。そのときに担当者がついて、新人賞用にもう1作描き、その作品が佳作を受賞しました。そこから東京で2年ほどアシスタント生活をして、連載に至るという形ですね。

――アシスタントをやっていたときはどのような生活をしていらっしゃいましたか。

アシスタント先に通いつつ、帰ったら自分自身の読切などをやってという生活でした。この時期はやっぱり休める時間がほぼなかったですね。

――漫画経験が少ない中でアシスタントをやったり連載を始めたりなど、行動力が凄いと感じております。ためらいはなかったのでしょうか。

多分、他の選択肢を考える余裕がないくらい必死だったと思うんです。私は小説ではダメだったし、他の仕事でやっていけるとも思えなかった。そういった状況で新人賞に出したらチャンスがおりてきたので、そこに飛び込むしかありませんでした。

――現在はアシスタントを雇う立場になっていらっしゃいますが、どのように指示をだされているのでしょうか。

基本的にはリモート作業でチャットツールを使い指示をだしています。

――デジタルをうまく活用していらっしゃるのですね。アナログ時代には同じ場所に集まることで密にコミュニケーションをとっていらしたと思いますが、デジタル時代になったことで不便さを感じるときはありますでしょうか?

私自身はむしろ楽になったと感じています。人が周りにいるよりも一人で作業する方が集中もできるので。チャットツールも、個人に指示をだすだけでなく、グループチャットでお互いの進行を把握できるので全体進行についても大きな問題はないかなと感じています。

――そうなのですね。貴重なお話ありがとうございます。過去についてさらに伺いたいのですが、学生時代や新人時代はインプットをどのようにしていらっしゃいましたか。峰浪先生というと小説のイメージが強いですが、映画とかもご覧になっていましたか。

はい、映画も観ていました。ただ、当時は映画を沢山観るっていうのはお金がかかったので、図書館に行って本を読むことの方が多かったです。今はサブスクリプションなど沢山観ることのできる環境が整っているので羨ましいですね。

――好きな映画のジャンル等はございますか。

ホラーが好きです。自分でもホラーを描けたらなって思いますし、演出面で影響を受けているかもしれないです。

――峰浪先生の作品を読んで、どこか『リング』や『女優霊』のようなJホラーも好きなのかなと感じておりますがいかがでしょうか。

はい、好きですね。『リング』とかは今でも観返すことがあります。黒沢清監督の作品とかも、あの「日常に漂う異界の感じ」がとても好きです。

――『少年のアビス』を描くとき、特別意識した作品や作家さん等はいらっしゃいますか。

どちらかというと、過去に影響を受けたものを丸ごと詰め込んだという感じです。私が今まで好きだったものの要素をすべて入れ込んでいるので、特定の何かを意識しているという感じはないですね。

――集大成のような作品なのですね。

今までで一番自由に描けているのかなと感じています。連載も4作品目となり、描く力も身についてきました。その中で自由度高く描かせてもらっているので『少年のアビス』は自我が最も露わになっている作品なのかなと思います。

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