週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 福田秀先生特別インタビュー

福田秀先生特別インタビュー!!!
全4週にわたってお送りする今回の企画。第1週目は連載デビュー前の貴重なエピソードを大公開!

Chapter 1
新人時代の過ごし方

Q:新人時代に取り組んだことで、今最も生きていると思う事を教えてください。

A:取り組んだと言えるかはわからないのですが、自分の戦い方を意識するようになったのは大きな転換点だったと思います。今だと本当に考えられないんですけど、当時は例えばファンタジーなど、自分に描けるか描けないかもわからないジャンルに片っ端から手をつけちゃっていたんです。

それでうまくいかなかった時に、当時の担当さんから「福田さんは調べ物が得意ですね」と言われたことがあって。自分では特に意識してなかったんですが、「じゃあ調べ物をして描ける題材を探してみよう」と言われるがままに取り組んでみたら、刑事ものである連載デビュー作の『ドロ刑』にわりとスムーズに辿り着きました。なので連載が始まってからも、例えば刑事と犯人の殴り合いなどは自分の戦い方ではないと思ったので、しっかりと取材した本格的な警察ネタで戦う事を意識していました。

あとは色々描いていくうちに、担当さんが褒めてくれるところの共通点が見えてきたりして、こういうものを描いた時に自分は褒められるんだなという感覚が生まれてくるので、そこを伸ばしたのが良かったと思います。褒められると楽しいから、描くモチベーションも上がりますし。

Q:新人時代の失敗談はありますか?

A:これは今思うとなんですが、漫画に自分が注力できる環境をちゃんと整えてあげられてなかったなというのがあります。それこそ作業用の椅子とかも、当時はあんまり良い椅子とかを使っていなくて…。何でこんなに腰が痛いんだろうと思いながら作業を続けていて、デビューして四年目くらいで新しい椅子を買った時に、こんなに素晴らしいものがあったんだと驚きました。漫画の技術的なことではないですが、その辺はちゃんと調べておけばもう少し効率よく作業ができたかもしれません。

あとは、担当さんにネームをお送りしても全然通らないという状況が続いたことで、一瞬フェードアウトしかけていた時期があって…。かなり連絡の間が空いちゃったので、担当さんと顔を合わせるのも気まずいから、次に持っていくとしたら流石に別の編集部かなと思っていたところ、とてもタイミングよく「最近どうですか」という電話が向こうからかかってきたんです。それで無事もう一度ヤングジャンプに作品を持っていくことができました。振り返ってみると、新しいものが提出できない罪悪感や、持っていってもまた面白くない作品を見せてしまうんじゃないかという恐怖心は、新人時代の多くの人が感じることだと思うんです。ただ、お仕事として編集さんと付き合っていくうちに、多分そんなことは気にしていないんだろうなというのも何となく分かってきました。「何でもいいから持ってきてくれ」とか、もっと言うと「何も持ってこなくていいから相談してくれ」まであるんだろうなと。なので、行き詰まった時も堂々と持っていけばよかったなと今では思います。

次週のテーマは取材と勉強について! 作品の制作背景に迫ります!!

今すぐ応募する
このページのTOPに戻る