週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 福田秀先生特別インタビュー

福田秀先生特別インタビュー!!!
全4週にわたってお送りする今回の企画。第2週目は作品の根底を支える取材について聞いてきました。

Chapter 2
調べ物のススメ~まずは「知ったかぶり」から始めよう!~

Q:専門知識が必須な作品を描く際、勉強や取材はどこから始めていますか?

A:まずは、ひたすらネットで調べます。『スタンドUPスタート』の時はネットで題材にできそうなビジネスを探して、それが決まってから関連するセミナーに行ったりしていました。一度、士業の方だけが集まる本格的な会に間違って参加してしまい、税理士さんとか社労士さん数人に囲まれて気まずかったです(笑)。でも、その時に伺った話が二話で使ったゴールデンサークル理論だったので、なんだかんだ行ってよかったなと思います。

あと、勉強と言われるとちょっとニュアンスが違うかもしれません。勉強は情報を仕入れて溜め込んで土台から構築するものじゃないですか。自分はそこまで沢山の事を覚えられないので、特に蓄積はしていないんです。一過性の仕入れた情報を何とかまとめて、足りない情報をまた探してという流れなので、勉強というよりパーツの組立てに近いかもしれません。手持ちの情報を全部組み立てて、いらないものは捨てての繰り返しをしています。取材もそれは同じで、一定題材は絞ったうえで、とりあえず色々伺ってから必要なものを取捨選択するのが基本です。だから、正直一話目の時に調べたことは、今はほとんど忘れちゃっています。

Q:では、勉強がもともと得意だったわけではないのでしょうか?

A:むしろ苦手ですね。知識があるわけでもないので、時事ニュースとかは今でも全然知らないほうだと思います。ただ、たまに監修の方に送って頂くビジネス系の記事とか、打ち合わせでお話しされている内容とかで知らない単語が飛び出した時に、後から意味を検索して知ったかぶりして作中に出すというのはよくやります。

なので、基本は身近な人の話を聞いたりしてからの後追いなんです。例えば「Slack」はまさにそれで始めました。一般の会社員が使っているアプリを知らなかったんですが、担当さんが仕事でたまに使っていると教えてくれたのがきっかけです。

Q:深く勉強するというよりは、気になったことを後から調べていくスタイルなんでしょうか?

A:そうですね。株を始めた時も、株価の変動の理由を後から調べたりしていました。でも、別にそれでいいとも思っています。物を知らない自覚があるので、自分が知っていることなんてみんな知っているだろうという考え方なんです。そこに恥ずかしさを覚えたりもするんですが、最終的には自意識の問題なので、恥ずかしくても出すしかないというところに毎回落とし込んでいます。自分は頭がいいと思って描いた内容なんて、多分編集さんに見透かされちゃいますし。まずは、やりたいことをしっかり編集さんに伝えて、そこから発生する調べ物はしていくという感じです。自分がやるべきところを明確にできれば、恥は自ずと捨てていけると思うので。

次週、作品制作の過程を更に深掘り!

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