『ガス灯野良犬探偵団』の青崎有吾先生・松原利光先生に豪華インタビュー!!
キャラクター作りの謎を追う!
――キャラクターが作られるまでの過程を教えてください!
――キャラクターが魅力的に映るために意識していることをお伺いでしたいです。
まず読者が最初に視界に入るのはキャラクターの目だと思うので、目の表現には力を入れています。加えて、キャラクターが生き生きして見えるように、何気ない仕草や細かな動きなども出来るだけコマの中に入れるようにしていますね。例えば、ホームズはふてぶてしさがありつつも、紳士的に見えるように後ろに手を組んでいるという振る舞いは意図的に入れるようにしています。
――キャラクターごとに目の描き分け方はされているのでしょうか。
リューイは事件を解決する際に目力が強くなるように意識しています。ジエンの場合ですと、今までの人生で闇を見てきた人間だと思うので、ハイライトを最小限に抑えつつ、強い目に見えるよう意識しました。アビーは丸めのハイライトを入れることで、ぎらついている印象を与えられるようにしているという感じでしょうか。



『ガス灯野良犬探偵団』
1巻 p179.
ヤングジャンプ2023年第44号掲載第7話p7.
ヤングジャンプ2024年第1号掲載第16話p4
青崎先生 簡単なプロフィールと髪型、服装などの見た目の情報を書いて松原先生にお渡しします。そこからお渡しした情報をもとに松原さんのほうでビジュアルを固めていただきます。私自身は、話を作っていくうちにだんだんとキャラクターが見えてくるタイプだと思っています。そのため、最初からきちっと設定を決めきるということはせずに、松原先生が描かれた絵を見て、そこから更にキャラクターの造形を深めていくという流れです。例えば、ホームズの場合は、最初は悪い奴というイメージしかありませんでした。しかし松原先生の絵を見ているうちに、しゃべり方や仕草など細かな部分に対しても解像度が上がっていきました。あとは、キャラクターの登場シーンを先にイメージして、性格・役割などはそれから考えていくことも多いです。ホームズの場合は顔面を蹴るシーン、アビーの場合は壊れた自転車で街を下っていくシーンが先に浮かんできました。
『ガス灯野良犬探偵団』 1巻 p8.9
松原先生 :私も登場シーンを先に考えることが多いです。『リクドウ』のときは、【主人公が首を吊った父親をサンドバッグにしている】というシーンだけが先に思いつきました。そこから、自分の父親をサンドバッグにする人間とはどんなやつだろうと深掘りしていきました。