週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 久住太陽先生特別インタビュー

2枠2番『原作との向き合い方に迫る!』

――史実のレースはどの程度参考にされるのでしょうか?

作中でレースが始まる前に、史実のレース動画は徹底的に見て分析しています。30年ほど前の動画なので画質も荒く見づらい部分もあるので、自分で調べられる範囲の資料はできる限りあたって、展開などの参考にしています。ですが資料を探すより、馬の区別をつける方が大変かもしれません。レースが混戦状態だとどの馬がどこにいるのかがわからなくなってしまうので、馬を探すのに一番時間がかかっています(笑)。

――脚本と作画が分かれていますが、脚本を漫画にする際に意識していることはございますでしょうか?

展開や会話の「テンポ感」を大切にするようにしています。展開に関しては、毎話の中で主役となるコマを考えて、それを中心に広げていくようにして考えていますね。このコマは右に持っていきたい、このシーンは見開きにしたいなど、シーンに合った演出を心掛けています。
また、レースシーンと日常パートではその「テンポ感」を完全に変えているのも重要だと思います。レースシーンで大切にしているのはウマ娘の動きや決め台詞のシーンの緩急など、「動的なテンポ感」です。一方で日常パートやギャグシーンでは動きというより「音的なテンポ感」を大切にしており、まるでラップを聞いているような小気味よいリズムのシーンになるように考えています。

――「ウマ娘」はゲーム、アニメ等多種多様なコンテンツが展開されていますが、あえて『シンデレラグレイ』らしさを出すために意識されていることはございますか?

特別意識していることはないですね。当然「ウマ娘」のスピンオフではあるのである程度のボーダーラインは引いていますが、その中でできる限り自由に描くようには心掛けています。決して原作のことを軽んじているわけではないのですが、変に縮こまって遠慮して表現の幅を縮めてしまうよりは、自分らしさを出した方がより良い作品づくりができるかなと考えています。もちろんCygamesさんと綿密な打ち合わせはしていますが、なるべく僕の中でキャラクターの解像度を上げて、自然な会話が生まれるような作業を心掛けていますね。

次週は…『原作との向き合い方に迫る!』
※3週目は準備中です。しばらくお待ちください。

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