『シャドーハウス』のソウマトウ先生に特別インタビュー!!
第2週目は敵も味方も個性満載のキャラクターについて教えてもらいました!
――「顔がない」キャラクターである「シャドー」はどのような理由で作られたのでしょうか。
――キャラクターの個性に溢れるコミカルなやり取りを描く狙いを教えてください。
コミカルなやり取りでは物語の設定説明を楽しく学べるよう意識しています。あとは表面的な付き合いだったキャラクターが主人公たちと打ち解ける場面で意外な一面が見え、親しみやすさを感じてもらえるといいなと思って描いています。ケイトが短絡的で怒りっぽかったり、ダグラスやエドワードなど敵ポジションであるキャラクターが仲間思いだったりほぼ全員に意外な一面があります。
――取り返しのつかない「キャラクターの死」を描く目的を伺いたいです。
ファンタジーですが現代より100年くらい前の衛生状態や医療提供体制なので、風邪をひいても栄養失調でも割とあっけなく死にますし、子供が大人になる確率は現代と比べると低いです。そういった背景のリアリティを大切にして『シャドーハウス』では個人の死に意味を与えすぎないことが逆に命の大切さを考えるきっかけになるかと思いました。
――『シャドーハウス』には多くのキャラクターが出てきますが、登場シーンで意識されていることはございますか?
初登場シーンはしれっと出すタイプです。「あの時にいたこの人か!」みたいな。個性は割と全員分考えていますが人数が多すぎるため、そのキャラクターが出る役割ができた一番いいタイミングで再登場させます。
――キャラクターの中でも敵対勢力である「偉大なるおじい様」や「アンソニー」を作る秘訣はございますか?また、魅力的なキャラクターの中で主人公を目立たせる方法も教えてください。
敵キャラクターについては、多くを語らないことです。伏線回収的に語り始めた時がそのキャラの転換期です。主人公については、作中でケイトとエミリコが一番特別な存在であるという「バディ感」を出すことです。

『シャドーハウス』第24話より(第2巻p154)
次週は…『道を拓く! 作風を形成する秘訣に迫る!』
顔を描くのが苦手だから顔を描きたくないという作画担当の要望に応えるため原作担当が苦肉の策で考えました。結果的には2倍の人間を描くはめになって作画担当は苦しんでいます。こだわりとして、シャドーは遠くにいない限り絶対にベタで描きます。位置関係が適当だとそこにいることすらわからなくなるのでかなり構図が難しいです。
『シャドーハウス』第1話より(第1巻p9)