『シャドーハウス』のソウマトウ先生に特別インタビュー!!
第3週目は類似作品不在の作風を確立する過程を教えてもらいました!
――『黒』『シャドーハウス』のような可愛らしい世界の中に不穏さが漂う作風で漫画を描かれる理由を教えてください。
――どのようにして『黒』『シャドーハウス』のようなヤングジャンプの中で異彩を放つ作風にたどり着かれたのでしょうか。
最初はめちゃくちゃ頑張ってヤングジャンプの色に染まろうとネームを量産しました。しかしOKが出ず、自分たちと担当さんが無理なことをしてつまらなくなるよりはいいと開き直りました。その後、今までのアドバイスを全て無視して描いた趣味のごった煮を提出。それが『シャドーハウス』だったのですが、担当さんが見せた瞬間に「これで行きましょう!」とめちゃくちゃ乗ってくださいました。ただ、ヤングジャンプの雰囲気とは違いすぎて本当に大丈夫ですか?とは思いました。
――ソウマトウさん自身のお好きなものが読者にも受け入れられたのですね。打合せはどのようにされていたのでしょうか。
雑談から担当さんと自分の好みが合うポイントや話題をもとにネームを作り、また話し合う。その際、とにかくたくさんネームを描きました。同じテーマで何パターンも視点や切り口を変えて描いてみると描くたびに少しずつ洗練されます。何が洗練されるかは人によりますが、洗練されたものが個性に繋がると思います。
10年以上やり方を試行錯誤してみた結果、「何度もネームを1から描き直すこと」が遠回りのようで逆に近道だと感じたので連載の1話1話でも採用しています。
――その後、第一線で活躍され続けています。モチベーションの源泉を伺いたいです。
読者に伝わらないだろうなと思う細部こそ、自己満足で考えたり描き込んだりすることです。そのこだわりに気付いた人はラッキーということで。ですが、いつまでも楽になることはありません!

『シャドーハウス』3巻おまけページより(第3巻p155)
――最後に、新人作家さんの漫画に期待するものを教えてください。
描き込み量、キャラクターデザイン、ストーリー構成など「ここを描きたい」という強烈な主張が感じられることです。
元々話のジャンルも絵柄も全く一貫性がなくその時々で好きなものを描いていましたが、プロになるにあたって読者からの評価を基準に作風を狭めていった気がします。作風は読者が「この作者はこういう作風だ」と思うものであって自分で決めるものではないと(自分たちは)思います。
『黒-kuro-』「黒の話」より(第1巻p115)