安定した面白さを生み出す制作術に迫る!
――描くときは、フルデジタルでしょうか。それともアナログとデジタルの併用でしょうか。
――デジタルに関しては、他の漫画家さん同様にCLIP STUDIO PAINTを愛用していると聞いたことがあるのですが、何か重宝している機能はありますか。
一番は、オートアクション機能です。よく使う一連の動作を自動化しています。他だと、歪みツールも愛用しています。のあ先輩は頻繁に柄物の服を着るので、胸の部分だけを別レイヤーにして、歪みツールで丸く歪ませると胸に立体感が生まれるんです。この機能が追加された頃からずっと使っていますね。

――週刊連載という時間的余裕がない中で、他に時間を有効活用するためにしていることはありますか。
基本的なものですが、キーボードに大量にショートカットキーを登録して活用しています。ショートカットキーなどは使っていない人も多いと聞きますが、小生は絶対活用した方が良いと思います。単純に時間がもったいないので。
また、描くことに関しては、最近、下書きを一発描きするように心掛けています。下書きも消しゴムをいかに使わないようにするか意識してみたりもしています。一発描きのために、最近クロッキーも頑張っています。
――一発描きはかなり大変そうに聞こえますが…。
もちろん難しくはありますが、手の早い作家さんでは一発描きの方も結構いらっしゃるように思います。下書きをしない方とかもいるらしいですしね。
――確かにそうですね。と同時に、一発描きをするためにクロッキーを練習することの凄みも感じます…。週刊連載において時間の有効活用だけでなく、アシスタントさんとの円滑な連携もとても重要だと思います。アシスタントを経験されたことはあるのでしょうか。
経験はないですね。
――ご自身で経験していない場合、アシスタントへの指示出し等で苦労はされないでしょうか。
小生の場合、アシスタント経験はないのですが、元々ゲーム会社に勤務していたので、その頃の経験を活かして指示出ししています。
――なるほど。指示を出す際に意識していることは何でしょうか。
とにかく具体的に指示をすることです。また、参考資料も多く渡して相手が具体的にイメージしやすくなるよう心がけています。

――例えば、これからアシスタントに入る新人作家さんに、出来ていて欲しいことはありますか。
“報連相”ですかね。技術については教えれば良いので、逆に報連相ができれば問題ないと思います。あとは、バイト経験があるとさらに良いと思います。やっぱりお金を頂いて責任をもって業務する経験や、「バイト先の店長にめちゃくちゃ怒られた」みたいな経験があった方が良いと思います。
――ありがとうございます。週刊連載を続けるためのフィジカル面で大事にしていることを伺いたいです。
睡眠・日光・食事・運動・良好な人間関係です。みんな軽く見ているんですけど、本当にこの辺りをちゃんとしないと壊れますから! 小生はどんなに短くても6時間は寝ないと厳しいです。本当は8時間寝られるとベストなんですけど…。睡眠をしっかり取らないと可愛い絵が描けなくなるんです(笑)。
――運動はどんなことをされていますか。
毎日ウォーキングをなるべく8000歩して、週3で筋トレをするようにしています。週刊連載をしている方は、軽く運動するだけでは足りないと思っていて…。ある程度しっかり運動しないと持たないんじゃないかと感じています。
――毎日ウォーキングして、週3で筋トレするとは、かなり運動されていらっしゃいますね。
それでもまだまだ足りないので、近々キックボクシングもやろうかなと。
――凄いです…!


線画までアナログで、そこからはデジタルです。デジタルの作業はトーン貼り等がメインなので、液タブではなく板タブを使っています。あとは、たまにですがiPadも使っています。