週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 二宮裕次先生特別インタビュー

『BUNGO -ブンゴ-』を連載されている二宮裕次先生に突撃インタビュー!
連載を勝ち取るために必要な技術・心構えを伺いました!

【3rd inning】 生き生きとしたキャラクターの作り方②

試合に勝ったときは新たな課題を、負けたときは手応えを。

――主人公だけでなく、メインキャラクターを作るときに意識されていることを教えてください。

二宮先生 メインキャラクターは皆強い意志を持っているはずなので、そのキャラが何を大切にしているのかをまず考えます。友情なのか、家族なのか、それとも自分のプライドなのか。大切なものを決めた後は、その価値観を体現できる人物像を考えます。

――なるほど…その後はどのように進めていくのでしょうか。

二宮先生 体現できる人物像がぼんやりと浮かんできたら、4コマ漫画や2P漫画を作ってキャラクターを具体的に想像します。ただ、僕の感覚ではキャラクターを作り込みすぎない方が良いと思っています。わざと余白を残すことで他のキャラクターと絡んだときに化学反応が起こる気がしています。

――その他にはどのようなことを意識されていますか。

二宮先生 キャラクターに人間味を出すために弱点を描くようにしています。例えば、文吾のライバルである野田は野球のエリートで、恵まれた環境と合理的な思考を兼ね備えています。ただ、このままだと野田が読者から嫌われるかもしれないと思ったので、「女好き」という一面を描きました。ブンゴのお姉ちゃんを野田が意識すると、勝ってもかっこ悪くなって人間味が増したのかなと思います。

――確かに、野田に愛着がわきます。キャラクター以外に物語を展開する上で工夫されていることはありますでしょうか。

二宮先生 試合に勝ったときは新たな課題を、負けたときは手応えを提示するようにしています。単に「勝って良かった!」で終わってしまうと、読者の方には物足りないと思う気がして。

例えば、第1話ではブンゴが全力で投げたストレートを野田がホームランにしてしまうシーン。ブンゴと別れた後、野田はそれまでの余裕な表情から一転し、腕の痺れに驚く様子が描かれています。この展開があることでブンゴは野田に完敗するのですが、単に投げ勝つよりも物語に深みが出たような気がしています。

次回のテーマは…「連載するまでの苦労と乗り越え方」のお話です!

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