週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 山田胡瓜先生&藤村緋二先生特別インタビュー

全4週に渡ってお送りする豪華Wインタビュー!
最終回は【新人漫画家に1番伝えたいこと】についてお聞きしました!

――新人漫画家に1つアドバイスできるとしたら、何を伝えたいでしょうか。

藤村:全ての物事にアンテナを張って、感度高く生きて欲しいです。出会った作品・景色・人の全てが伏線回収のように感じ、「あの経験があったから、今の自分はこれが描けている」という瞬間がきっと訪れるので。
僕が若いときは職人気質で、仕事が全ての最優先事項でした。「家族との時間や遊びも仕事があってこそ」だと思っていたので、蔑ろにしていた部分がありました。ともすれば、仕事を理由に色んなことをサボっていたと思います。ただ、いざ連載が終わると何も残っていないことが寂しくて、「人付き合いも仕事も、何も手を抜きたくない」と強く思うようになりました。今はデジタル作画が可能になったので、旅先で仕事することも可能です。睡眠時間が1時間でも、思いっきり遊んだ上で締切を守るスタイルを1年間続けていますが、仕事もプライベートも歯車が綺麗に回り出したと感じています。

山田:僕がおすすめするのは「二足の草鞋」という戦略です。軸を2つ持っていると片方が立ち行かなくなっても、もう片方があるので精神が安定します。それだけでなく、それぞれの仕事が相互作用することもあります。僕の場合は「ライティング業」と「漫画家業」という2つの軸があったので、フリーランスになり漫画を描くことを続けられました。
漫画家は職業選択の中でもリスキーな部類だと思います。漫画家1本の状態だと、「漫画家になれなかったらどうしよう」という悩みを持ちやすいですが、手に職を持ちながら夢を目指すのも安全策の1つだと思います。勿論、漫画一筋で全てを捧げている人に比べると遅れる部分もあるので、良し悪しは人それぞれです。ただ、僕の場合は漫画ではない仕事で出会った人間関係がお話作りに役立っています。

――最後に、新人賞へ応募される方々へのメッセージ(エールなど)をお願い致します。

藤村:新人賞に応募する方の多くは「これに全てを賭ける…!」くらいの熱量だと思います。一花咲かせるためのきっかけを作ろうとする、その想いが込もった原稿を読ませていただきます!

山田:僕は漫画には運の要素も強いと思っています。面白い漫画を描いたら必ず受けるとは限りません。たまたま、その時代に席が空いていた。たまたま、自分の作品を好きな編集者と巡り会えた。色んな縁と運で物事は進んでいくので、どうか自信を失わず、長い目でチャレンジを続けてほしいです。今は自分の漫画を世に問う方法は沢山あるので、色んな場所で試し、自分の手応えを得た上で、新人賞にも挑戦してほしいと思っています。

藤村:漫画家になる道は1つではないですよね。あとは、「絵が下手だから」という理由で漫画を描くことを諦めないで欲しいです。絵が下手でも、大丈夫です。極論を言ってしまえば、漫画の本質は絵ではないですから。「これを世に送り出したい!」という欲求の爆発が漫画の原動力だと思います。

山田:絵に何を乗っけるかですよね。絵が下手でも「何か」が乗っていれば届くと思います。

藤村:ですね。「この人だから、これが出てきたんだ」という作品だと良いですね。楽しみにしております!

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