週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ ソウマトウ先生インタビュー

『黒-kuro-』について

――『黒-kuro-』について伺います。「不穏な日常生活」がテーマの一つだと見受けられますが、日常描写をする際に気を付けていることを教えてください。

毎回服を変えることでファンタジーでもリアルな日々のエピソードに見えるようにしていました。他には生活に必要な小物や料理なども細かく描いています。あとは読者の非常識はこの世界では常識なのだと思って欲しかったので、一見穏やかに見える子供と猫の奇妙な交流をツッコミ不在でシュールに描きました。

――新人作家さんにはファンタジー作品を作りたいという方が多いです。作品内にファンタジー要素を入れるにあたって意識していること・注意していることを教えてください。

オリジナルのファンタジー設定は自分以外誰も知りません。地形、気候から社会構造、文化、宗教などできるだけ色々、自分が町をひとつ作るとしたら…と考えます。実際に描くときは読者が世界観を理解するための手がかりを面白く、過多になりすぎず伝えるように気をつけています。

――『黒-kuro-』でも『シャドーハウス』の“お披露目”でも、精密な地図が登場します。架空の世界のバックグラウンドまで決めると、物語内容や表現まで変わっていくのでしょうか。

変わります。というか世界のバックグラウンドを決めずにファンタジーを描くことはできません。実際には描かない土地の特色や生まれや育ちを考えることで個々のキャラクターの性格も見えてきます。

――『黒-kuro-』は終盤に向かうにつれて次々と新事実が明かされるという構成をしています。ソウマトウ先生は、あらかじめエンディングまで流れを決めてから物語を考えるのでしょうか。それとも、物語を進めていくうちにその後の展開が決まっていくという形でしょうか。

大筋は最初から決めています。ただ、物語を描いていく中での気づきが必ずあるので多少の変更はあります。変更があるとしたら誰の気持ちを着地点にするのかという部分です。

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