週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ ソウマトウ先生インタビュー

『シャドーハウス』創作の裏側を“お披露目”

――『シャドーハウス』のエミリコは、純粋無垢でありながら周囲に影響を与えていく主人公像になっていると見受けられます。主人公を考える際に最も大事にしていることを教えてください。

たとえ問題を解決できる力がなくとも、主人公の行動を発端に他のキャラクターが心を動かし物語が進展していくことです。

――第一話の作り方について伺います。『シャドーハウス』では、第一話をケイトとエミリコの日常生活に焦点を絞って描いていますが、第一話を描くにあたって意識していたことを教えてください。

当然のように進行していく日常に違和感を覚えてもらえたら…と描きました。当時はわかりにくさこそが良いと信じて描きましたが今はもう少しその違和感を明確にするべきだったかと思っています(実はなぜか王道の「エミリコが洗脳解けたスタート」の第一稿も描いていて、誰にも見せずセルフ没にしています)。

――『シャドーハウス』は沢山のキャラクターが登場しますが、一人一人個性豊かなデザインをしていると思います。ソウマトウ先生がキャラクターデザインをどのように練習してきたのかを教えてください。

実際の人物を自分の絵に寄せて模写します。その中でキャラクターの性格に合いそうな顔をピックアップして味付けしていきます。内面に関しては元々群像劇の小説や映画が好きで、主人公以外もちゃんとその人の人生があるのだということに思いを馳せ、少ない情報からどういう人物なのかをよく考察していました。

――“お披露目”のようなターニングポイントとなる見せ場はどのようにして思いつかれたのかを教えてください。

最初は言葉通り「大勢の前でお披露目する」というだけのつもりでいましたが、担当編集さんに「“お披露目”って何するんですか? 面白そう!」と凄く期待され、これはしっかりとしたイベントが必要だと感じました。エドワードというキャラクターを思いついたときにこいつならこんな感じのことをやるだろうな、とキャラクター優先で盛り上げていきました。

実際のエピソードを思いつくのは自分たちだとしても、「それどうなるんですか?」「そこを見たいです!」という熱のこもった読者目線が全くなかった自分たちの作品作りが変化していったのは、“お披露目”のあたりで担当編集さんにかなり助けられたおかげだと思っています。

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