週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 奥浩哉先生インタビュー

「見たことがないもの」を目指す

――奥先生の作品は多くがアニメ・実写化されています。どういう作品がメディアミックスしやすいと思いますか?

誰もまだ見たことがないテーマがあるものでしょうか。僕は、「こんなの見たことなかった」という読後感を持ってもらえたら嬉しいなと思いながら描いています。それがすごく売れるものかは全然分からないんですけど、映画やアニメを作っている方々の「あ、こんなのなかったからこれ作りたい」という欲求を刺激できているのかも。もしかしたらそれがメディアミックスされやすい理由なのかもしれないです。けど、それも運としか言いようがないですね。

――『GANTZ』を読んだ時もまさに「こんなの見たことない」という気持ちでした。

そういう作品にしようと特に意識して描いたのが『GANTZ』でした。シナリオだけではなく、巨大ロボットとかのデザインも今までにないものを作ろうと心掛けました。僕は『ガンダム』などのアニメのメカもすごく好きなんですけど、似たデザインにしたら埋もれると思いました。なので敢えて似ないように、できるだけオリジナリティーを出そうと意識しながらデザインしていましたね。

――最近はメディアミックスの影響で漫画が売れるという流れが色濃い印象です。今後、新たに漫画を作る際は、そういった面も視野に入れた作り方をした方がいいのでしょうか?

メディアミックスしやすいだろうという狙いで作るのももちろんいいと思います。だけど、それだとすごくつまんないというか、小さくまとまってしまう気もします。リミッターを外して、漫画だからこそできた表現があるほうが、やっぱり面白い作品ができると思います。

――奥先生はSNSで、エロやグロは抑えたほうが映像化しやすいと仰っていましたが、もしエロ・グロをすごく描きたかったら、メディア化より描きたいものを優先すべきでしょうか?

そういうのが描きたい作家さんだったら、もう絶対描いたほうがいいと思いますね。ギリギリまで。怒られるまでやったほうがいいと思います。

――新人作家の方々に向けて一言お願いします!

“ヤングジャンプに載る”ということは、それだけでたくさんの人に読んでもらうチャンスになります。最近の誌面にはあまりないですが、『GANTZ』のようなどぎついハードな漫画も描いて持ってきてもらえれば、僕としてはすごく嬉しいなと思います。

『GANTZ:E』2巻 p54,55

奥先生ありがとうございました!!
次回は…『ジャンケットバンク』の田中一行先生が登場!

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