週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 二宮裕次先生特別インタビュー

「二宮先生特別質問会!」開催!!
二宮先生に新人作家が抱く疑問を解消していただく企画!

4. 読者を毎週楽しませる話の作り方とは!?

Q. 連載の中で毎週話を組み立てていくのは非常に大変だと思うのですが、どのように考えられているのでしょうか。

話を「組み立てない」ということが大切です。毎週、読者を楽しませる「展開」を考えようとすると当然のようにネタ切れしていきます。なのでただただキャラクターが苦しむ状況を用意することを意識しています。壁にぶつかったキャラクターたちは勝手に乗り越えようと頑張るので、その姿が勝手に物語になっていく。それを日記のように読者に伝わりやすい形で紹介していくという考え方です。
さらに困らせるうえで大切なことは、生じた壁を越えさせようと思わない、越えるための手心を加えないことです。キャラクターが困難を越えようと頑張るその姿こそが最も大切だと考えています。
試合に勝っても負けても、打たれても抑えてもどっちでもいいと思いながら描いています。その結果に耐えられない、つまり打たれたら魅力がなくなるようなキャラクターだったら連載は続きません。登場しているキャラクターたちが魅力的であれば、どんな状況になろうとも長期間物語を生み出すことが可能です。
文吾というキャラに関しては勝手に自分で困りに行くのでありがたいです(笑)。

Q. 試合の展開はどのように決められているのでしょうか。

これももちろん展開を決めていません。勝っても負けてもいいんですから笑 ふんわり流れは想定しているのですが、そのとおりになったことがないですし。今描いている試合も勝つか負けるかわらないので「頑張れよ!」と応援をしながら描いています。結果も大事ですが、過程の方が大事です。泥臭さ、かっこよさ、キャラクターらしさが出ることに一番力を入れています。
あと余談というかテクニック的な話になりますが、「勝った場合は課題を、負けた場合は手ごたえを提示する」というのは意識しています。

Q. 新人作家の皆さんとこれから応募する方々にメッセージをいただきたいです。

「主観と客観を大事にして、頑張ってください」ですかね。前者は、物語を作る自分自身は「これ」が好きなんだという主観です。後者は、キャラクターの行動や好みを自身と投影させず、一人の人間として扱い俯瞰して見るという客観的な視点です。この二つを大切にして、バランスよく取り入れて頑張ってください。

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