週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 峰浪りょう先生特別インタビュー

『少年のアビス』は、地方都市を舞台に人間ドラマが展開する。そのドラマを支えているのが緻密な背景描写だ。今週は背景描写の極意に迫った。

人間ドラマを支える背景描写について

――舞台となるロケーションはどのように決めていらっしゃいますか。

場合によりますが、過去に過ごした場所や記憶に残っている場所を出す場合がわりと多いです。

――そうなのですね。場面に合う的確なロケーションを想起するために、大切なことはありますでしょうか。

ないところの引き出しを開けることはできないので、普段から色々見て引き出しを増やすことは大切だと思います。

――『少年のアビス』では、第1話を含め重要な場面で橋が何度も登場しているように見受けられます。これは意図的なのでしょうか。

そうですね。第1話で橋を生と死の境界線のようなものとして出したので、読者の方も橋から危うさを感じるようになってくれたかなと思います。なので、決定的な場面で橋を使うというのは意識的に選んでいるかもしれないですね。また、令児は生死を自分で決められない人間なので、生と死の狭間である橋の上でウロウロさせているというのもあります。

第2話「お忍びデート」より。令児が生死の間でさまよっていることが橋というロケーションによってより伝わってくる。

――なるほど。橋の上で演技をさせることで、そのキャラクターの状態や人間性も伝えているのですね。

――雨を降らせるタイミングもすごく考えられているように感じます。

雨はこういう陰鬱な作品にとってはなくてはならない演出なので、天気のことはプロットの段階からよく考えてます。あとは、雨を描く時は自分がその雨に当たっているようなイメージをしながら描きます。冷たい、服が皮膚に張り付く、目の中に入ってくる…とか。そういうのが読み手にも伝わるといいなと思っております。

――その人物がどういう環境にいて、どんな空気を吸っているのかというところまで考える必要があるのですね。

作品の種類にもよると思いますけどね。私の作品はそういう積み重ねが大事ですが、それとはまた別のことが大切な作品もあります。自分の描きたい作品に合わせて考えると良いと思います。

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