週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 中村力斗先生特別インタビュー

ヤングジャンプ新人漫画大賞 第25回審査員の中村力斗先生先生に特別インタビュー!!
大反響のアニメも第二期を控え、ますます話題沸騰中の『100カノ』が生まれるまでを深掘り。

第3回:“アイデア”との出会い方。

Q: 以前のインタビューで「彼女100人分のアイディアは作ってある」と仰っていました。個性豊かなキャラクターたちの、アイディアが枯れない秘訣はなんでしょうか?(何か着想のもととなる人・事物などはあるのでしょうか?)

中村先生:日常の中で閃いたアイデアや面白いと思った材料をすぐにメモすることでしょうか。
キャラクターに限らずアイデアが必要な時、0から生み出そうとしても難しく、それ自体も結局過去の経験や記憶の中からしか生まれようがありませんので、とにかくアイデアや情報を常にいつでも見返せる場所にストックしておくようにしています。
彼女のアイデア自体も連載開始からも増え続けていますのですでに数を把握できていないのですが、とはいえいざ描こうとしてみたらすでにいる彼女と似通った部分が多かったために登場を見送ったり、1つのアイデアではキャラが弱いので複数のアイデアを混ぜて1人として登場させたりもしていますので、常に安心はできません。
やはり、思いついたアイデアはストックできるだけストックしておくのが大切だと思います。

Q: 現在30人を超えている彼女たちですが、新しい彼女を生みだす際の工程を教えてください。(エピソード先行なのか、設定からなのかなど)

中村先生: まず新彼女のアイデアのストックを確認して、今の自分にとって面白いと思えるかどうか・今すぐに描きたいと思えるかどうかなどで候補をある程度絞り、そこから今いる恋太郎ファミリーの面々との関係性やバランスを探り、必要に応じてアイデアの足し算や引き算を行い、キャラクターが完成したらそこからエピソードを組み立てていく形になります。

Q: 作品執筆にあたって取材などは行われますか?

中村先生:そこまでの各話の流れや恋太郎ファミリーの状況や空気感などに応じて話を当てはめて制作していくことが多く、話を決める段階で作業までの猶予がないことがほとんどですので(野澤先生の原稿作業自体が掲載よりも数週先んじている必要がある上で、僕のネーム作業はそこからさらに数週先んじている必要があるため)、あまり「必要に応じて取材に行く(行ける猶予がある)」ということはありません。
ただ、プライベートで出かけた時の経験をそのまま作品に活かすことなども多く、日常の中でつけた細かいメモをアイデアのもとにしたりもしていますので、毎日暮らす日々が取材のようなものなのかもしれません。

Q: ネームに詰まることはありますか?またある場合、状況を打開するためにどんな対策を講じますか?気分転換の仕方などもありましたらお教えいただきたいです。

中村先生: 描き始めることができないことはあまりありませんが、編集さんから大きめの修正指示が入った時や途中まで描いてみて初めて「駄目だ」と気づいた時などは、自信が折れて何を描こうとしても駄目なものに感じてしまい、途方に暮れて筆が止まってしまうことは多々あります。
ただ先の締め切りのことを考えると(ギリギリで締め切りに追われ自分で納得のできないクオリティの作品を提出することだけはしたくありませんので)気分転換に時間を割こうという気にもなれず、とにかくその状況から脱するために必要な、自分が納得できるラインのアイデア・代替案が思いつくまで机でひたすら案出しを繰り返しています。

Q: 「このネームは難産だった」と思う思い出の回やイチオシの回、先生のお気に入りの回を教えてください。

中村先生: 難産かどうかはわかりませんが、楽に描けた回は1話もないので…(笑)。
お気に入りの回は、やはり全てです。どの回にも、その回にしかない大変さや手応えがありましたし、気に入っている箇所もあります。

Q: 影響を受けた作品・人物などを教えてください。(ジャンルは不問です)

中村先生: 創作者になるきっかけになったのは完全に宮崎駿監督の作品です。
幼い頃からとにかく大好きで見て育ち、いつかジブリのような壮大なストーリーの漫画を描きたいと考えていました。
そこから紆余曲折あり今はラブコメ(というよりもギャグ)を毎日楽しく描いていますが、昔から友達の前でおどけて笑わせたりするのが好きだったので、こっちの方が天職だったんだなと思っています。

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