週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ あきやまえんま先生特別インタビュー

➋100Pあっても収まらない!? “可愛すぎる”キャラクターデザインの極意について

Q:キャラクターが作られるまでの過程を教えてください。

実在の人間を2,3人ぐらい混ぜ合わせ、モデルになったそれぞれの人間の面白いところを誇張して描くようにしています。また、ちょっと尖ったキャラクターを描く際は、こういう側面があれば、その子のことを好きだな、と思える要素は入れるように心がけています。小生の場合は、努力ができる人、他人をリスペクトできる人が好きなので、そういった一面は入れるようにします。

Q:内面に関して、可愛い女性キャラクターを作る秘訣があれば教えてください。

自分がどういう女の子を可愛いと感じるのか、論理的に説明できるまで深堀りをしておくことです。自身の嗜好を言語化できていれば、キャラクターの細かい言動も描写できるし、可愛さが伝わるようなネタもどんどん浮かんできます。例えば、“ツンデレ”が好きな場合は、なぜ“ツンデレ”が好きなのか、どのようなきっかけで好きになったのか、具体的にどういう仕草や言動が好きなのかを言語化していくイメージです。そうするうちに、自身が可愛いと思う“ツンデレの女の子”を描くための方程式が出来上がってきます。個人的に、のあ先輩のような重かわいい女の子は泣いている瞬間が最も可愛いと思っています。昔、のあ先輩みたいな女の子に虐められた際に小生が言い返したところ、泣きそうな顔をされました。その表情に興奮したんです。なので泣いているエピソードがついつい多くなってしまいます…。ごめんね、のあ先輩。

Q:“ガラガラの電車で理人に詰め寄るのあ先輩”などの細かな生きた人間描写を描くコツを教えてください。

色んな人の面白いところに気づけるようになること、そしてそれらを漫画にアウトプットしていくことだと思います。小生の周りはありがたいことに変な人が多かったので、その人たちのエピソードを元に描くことが多いです。また、連載が続いて、キャラクターへの深堀りが進んでいけば、色んな言動やシチュエーションが自然と浮かんでくるようになります。ちなみに“ガラガラの電車で理人に詰め寄るのあ先輩”は小生の実体験に基づいています。

Q:作画に関して、可愛い女性キャラクターを作る秘訣があれば教えてください。

自分自身がときめくことが出来る、“可愛さ”の黄金比を見つけ出すことだと思います。骨格や顔のパーツなどの正確な比率を勉強するだけでなく、漫画的に“可愛い”と感じる比率を身に着けることが大切です。小生の場合は、解剖学で人体の基本を勉強したうえで、実際の比率を参考にする部分、意図的に無視して描く部分を組み合わせてキャラクターを描くようにしています。自分が描く絵の方が可愛く感じたら、実際の比率を無視して調整するという感じでしょうか。女の子の作画についてはまだまだ語り切れていないのですが、この辺にしておきましょう…(笑)。

Q:新キャラを作る際に拘っていること、自分の中のルールなどがあれば伺いたいです。

『のあ先輩はともだち。』に関しては、のあ先輩と理人の二人がメインの物語なので、それ以外のキャラクターはこの二人のいずれかに強い感情を抱くように作っています。例えば、りりなはのあ先輩に対して強い憧れを抱いていたり、れには理人に近づくのあ先輩を嫌がっていたりなどです。そうすることで、二人を中心に話が広がっていくような作りを維持できると思います。もう一点、メインヒロインであるのあ先輩に1番目がいくように、他キャラクターの作画コスト(描き込みやトーン)を下げたり、自分の趣味から少しズラしたデザインにしたりしています。ま、それでも皆んなヒロイン級に可愛くなっちゃうんですけどね(笑)。

Q:キャラクターを読者に印象付けるために意識していることはありますか。

登場の仕方や初登場時のやり取りを通じて、なるべくそのキャラクターの雰囲気がパッと伝わるように意識しています。そのためには一言でその子を表現できるキャッチーなハッシュタグを考えておくことが大事だと思います。葱衛門だったら「強い女」、れにだったら「メスガキ」みたいな感じです。

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