週刊ヤングジャンプ新人漫画大賞スペシャルコンテンツ 新人漫画大賞一周年報告書!!!! PART4.新人作家ピックアップインタビュー③

この1年間で受賞をし、デビューしていった新人作家の方々にお話を聞きました!
投稿を迷っている方、作品制作に悩んでいる方のヒントになることも…!!

ピックアップしたのは…
三度目の挑戦でついに「準大賞+審査員特別賞+初受賞ボーナス」を受賞された
(第9回)[エッジホッグス] 三澄みすみすみ先生!

あらすじ
芸歴12年、お笑いコンビ・エッジホッグスの黒川と多々良木は夢半ばにその道をあきらめることに。最後のライブにて…!?
[エッジホッグス]はとなりのヤングジャンプに掲載中!

――三澄先生が漫画家を目指された経緯やきっかけを教えてください。

初めて漫画を描いたのは大学3年生で就活をしていた時です。イラストはよく描いていたのですが、なにか1つ大きな作品を完成させたいなと思い、漫画を描きました。卒業後は手堅い仕事をやっていこうと思っていたので、好きな絵を描く時間がなくなると感じ、自分の中のけじめ的な意味合いでした。漫画賞などに出すつもりはなかったのですが、3ゕ月以上取り組んでいた作品へ愛着も湧いたので、実際の編集さんに見てもらって感想をもらえたら、それも思い出になるかなと思い、持ち込みに行くことにしました。

――受賞作のアイデアはどのように思い付かれたのでしょうか。

気分転換と勉強を兼ねて小説の「火花」を読んだ際に、人間味があって必死に何かに取り組んでいる登場人物たちに本当に感動して、芸人を題材に読み切りを作ろうと思いました。心が熱いうちにプロットを無心で考えたことを覚えています。芸人の人生を題材に選んだ具体的な理由としては、正解のルートが見えにくい実力主義、お客さんを喜ばせてエンタメでお金を稼ぐことなど、漫画家と芸人の境遇で似ている部分が多く、エンタメに向き合う熱量と不安定さを上手く作品に反映できそうだと感じたからです。
だからこそ、人生がうまくいかなかったり、夢が叶わなかった時に「夢追い人がどう自分自身を納得させるのか」という部分の解像度を高くできたと思います。

――準大賞を獲得された作品と今までの作品で変えたことがあれば教えてください。

ストーリー優先で表面的に面白そうでサラっと読めてしまう物語ではなく、キャラクターの境遇などをしっかりと作りこんで内面を読者に響くように描くことで、読者の感情を揺らせるような話を描くことを意識しました。今までもキャラクターの内面を描くという意識はあったのですが、うまく響くように描く方法がわからなくて、もうひとつ踏み込んで、描けるようになるにはどうしたらいいのかと悩んでいました。受賞作は自分とも境遇が似ていて、自分の半身のような理解度が高いキャラクターだったからこそ生まれた作品だと思います。
後は、リトル伊佐治のおかげです。(笑)

――リトル伊佐治とは何者なのか教えていただきたいです。

自分の心の中にいる担当編集さんの分身です。ひとつ前の作品を作っている際に、編集さんとのやり取りの練習として同じ題材を繰り返し修正していたのですが、私が基礎がわかっていなかったのでネーム作りに4ゕ月ぐらい苦戦していました。
その経験から引っかかる所を言ってくれる編集さんの鏡のようなものが心の中に生まれたんです。具体的には、リトル伊佐治は商業誌ということを踏まえて読者的な目線で作品を見てくれています。その作品が読者の心に触れていくかのような部分を言ってくれています。

――受賞作で一番こだわったところを教えてください。

キャラクターの雰囲気を伝えるための表情です。特に23ページの即興の漫才を始めるときの顔は本人たちが最も輝いて一番漫才師として楽しんでる部分かなと思い、厳しい人生で多くのものを背負ってるけどそれを忘れても楽しんじゃっているような表情を意識しました。
もう一つは28ページの審査員に漫才が届いてないことに気づいた儚い表情です。悲しそうだけど、目は非常に悔しそうな感じをセリフなしでも伝わったら嬉しいなという気持ちで描きました。

――新人賞を受賞された現在は何に向かって取り組まれていますでしょうか。

自分の中でストーリーを引っ張れるような主人公の作り方をわかっていないので、その作り方をずっと探しています。その主人公でファンタジー系の作品を作りたいです。
ファンタジー系を作る際にずっと悩んでるのは、ストーリーや世界観を中心に作るとキャラクターの人間味の描写が削れてしまい、どっちつかずにしかならない作品になってしまうことです。
読者が誰でも持ってるような気持ちを抱えている主人公ができたらどんなストーリーも描けると思うので、そんな主人公をファンタジーのストーリーに落としこみたいのですが、そこが非常に難しいと感じています。

――最後に、ぜひ今後の目標をお伺いしたいです。

本当に息をしているような人間味のあるキャラクターをかけるようになりたいです。最近は連載をあまり意識せずに、いい漫画が描けるように頑張りたいと思っています。その道を進んでいき、いいキャラクターが描けるようになったら、次のステップに繋がっていくのかなと思っています。様々な方法を試して頑張ります!

次週はリニューアル後、最初に準大賞(第1回)を受賞された、沖尚樹先生をピックアップ!

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