この1年間で受賞をし、デビューしていった新人作家の方々にお話を聞きました!
投稿を迷っている方、作品制作に悩んでいる方のヒントになることも…!!
――沖先生が漫画家を目指された経緯やきっかけを教えてください。
――受賞作のアイデアはどのように思い付かれたのでしょうか。
まずは主人公が何をする話なのかを考えました。そこで思いついたのが「復讐」でした。与えられた現実に対して行動する理由付けが簡単だからです。
ストーリーは頭の中に浮かびあがるワンシーンに焦点を当てて、なぜそのようなシュチュエーションになったのか、もしくはそれからどうなっていくのかを連想ゲームのように考えていき、蜘蛛の巣の様につなぎ止めておくイメージで取捨選択し、厳選していきます。ただあまりにストーリーを優先してしまうとキャラクターがただの駒のようになり、主人公が物語を動かせなくなるので気を付けています。
――受賞作で一番こだわったところを教えてください。
前作の反省点をなるべく活かすように注意しました。「主人公を描くこと」「「結」を描くこと」そして「わかりやすさ」です。奇をてらわない当たり前のことを意識しました。ただ本当の意味でのこだわりというのは読者に気づかれないところにあると思います。「理解されなくても描きたいもの」です。
――ご自身の作品がボイスコミック化したことの感想もぜひお伺いしたいです。
私は非現実的なことが起きると他人事のように感じてしまうのですが、まさにそんな感じでした。アニメを見ている十代の頃の自分に「10年後にこの声優さんが自分の作った漫画の主人公を演じてくださるよ。」と伝えても絶対に信じないと思います。声優の皆様が丁寧に演じて下さり、自分の絵に命が宿ったように「あなたってこういう声だったんですね!」という思うほどの感動がありました。編集してくださったスタッフさんも本当に有難うございました。私のような無名の作品に多くの方が携わってくださるのは本当にありがたいことです。ボイスコミック化の企画を考えた人は天才だと思います。もし自分が死んだらお坊さんの念仏じゃなくてボイコミを流しておいて下さい。
――新人賞を受賞された現在は何に向かって取り組まれていますでしょうか。
今は連載会議に向けてのネームを制作中です。
――読切と連載ネームを作ることの違いや難しさがあれば教えてください。
大きな違いとしては、次週の話があるかないかだと思います。続きを読みたくなるような話を考えたり、愛され続ける魅力のあるキャラクターを作り上げなければなりません。読切の時よりもさらに読者を意識する必要があります。設定を適当に考えてしまうと後々自分の首を絞めることになりかねません。ただあまりに計算しすぎてもつまらないと思うので、「なんとかなれーッ!!」という気持ちでやっています。
――最後に、投稿を考えている方に一言と今後の目標をお伺いしたいです。
恐らく投稿される方の中には、時間をかけた作品がボツになったり、狙っていた賞が取れなかったりすることがあるかと思います。1度や2度でなく何度も。ですがその時間や労力、悔しさは決して無駄ではないと思います。苦労や失敗は肥やしです。糧にして生かしてください。私の目標としては、連載確約もしていませんが本誌のアンケートで1位を取りたいです。
12月期の審査員は…『シャドーハウス』のソウマトウ先生です!
昔から「28歳になったら何かをしたい。」と思っていました。そのくらいの年齢に差し掛かったあたりで、身の周りで人の死に関わることが多くなりました。もし私が明日死ぬとしたら後悔することは何かと考えたときに「漫画家を目指さなかったこと」が頭に浮かび、本格的に始めることにしました。幼い頃からチラシの裏や画用紙に絵を描き、教室に自作の漫画を置かせてもらったりしていました。クラスメイトが休み時間などに読んでくれるのが嬉しかったり、中にはアシスタントの様に作画を手伝ってくれる子もいました。今にして思えばそれが自分にとっての漫画道の始まりだったのかもしれません。